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爆弾の送り主の追跡

  12



 ※地の文が気絶しているので、次の地の文が到着するまで会話文のみでお楽しみください。


 「美香……さん、どこへ行くつもりなんですか?」


 「決まってるでしょ、Tamazonの特森町配送センターよ」


 「美香さ……美香はあれが本物のTamazonから配送されてきた、つまりは配送センターに『我々』関係者がいると思ったってこと?」


 「そうでしょう、悠哉は違うと思う?」


 「いや、可能性の一つだとは思うよ」


 「よし、じゃあ決まりね。いまここが八草組だから、配送センターまでは車で一時間ってところね」


 「ねえ美香さ……美香」


 「なに?」


 「なんで今の言葉、そんな説明臭いの?」


 「うるさいわね、こっちの都合よっっ! 気になるならその頭で推理しなさいっっ!」





 「はぁぁ、やっと着いたわね」


 「ちょっと待って美香さ……美香。タクシー代が馬鹿にならない額になってるんだけど……。僕には払いきれないよ? なにせ今日はほぼ無一文。財布の中には25円しか入ってない。クォーターだね」


 「悠哉、日本にはクォーターコインなんか無いでしょ。……まぁ代金はわたしが払うわ。一応ここに来るのを決めたのはわたしなんだし」


 「えっ!」


 「なによ悠哉」


 「あんなにお金に厳しかった美香が、あっさりと……。大丈夫、熱ない?」


 「別にわたしはお金に汚いわけじゃないわよっ! 家賃の取立をしっかりやってるだけよっ!」


 「ゴグハッ!」


 「ここが……Tamazon配送センターですか?」


 「そうよヒナ。敷地面積10000平方メートルくらいで、その半分くらいに白い建物が立ち、もう半分は大型トラックやら自動車やらの配送用車両が立ち並ぶ、紛う事なく配送センターね」


 「あの、美香……さん、ありがとうございます……」


 「ん? なにが?」


 「いえ、ほぼ初対面の私の希望通りに呼んでくれて……。普段はヒナって呼ばれているので、本当にうれしいです」


 「ふぅん。悠哉は良いの?」


 「男の人は、特に変態はちょっと……」


 「日向子さん、僕はその誤解をもうそろそろ解いておきたいんだけれど……。というか美香さ……美香、いつの間にそんなに仲良くなったの?」


 「昨日ちょっとね。女同士はいろいろあるのよ」


 「ふぅん。それで美香さ……美香、これからどうするつもりなの?」


 「どうすれば良いと思う?」


 「僕に丸投げなのっ!?」


 「そうよ。わたしはTamazonの配送センターに『我々』の一味がいると思って来ただけで、具体的な方法まで考えてなかったのよ」


 「説明臭い言い方で開き直られたっ!?」


 「文句は無いでしょ? 家賃払わない悠哉。体で払うっていってたわよね?」


 「やっぱり、葛城さんと美香……さんはそんな爛れた関係なんですね……。……変態」


 「話がごちゃごちゃになるから美香さ……美香ちょっと黙ってよ……」


 「悠哉が変態だと再認識したヒナは、美香の後ろに隠れるようにして距離をとる」


 「本当にどうしたの、美香さん……。今日おかしいよ?」


 「うるさいわね、自分で推理しろって言ったでしょっっ! (……次の地の文遅いわね……)」

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