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守りたかったこの時間  作者: アキラ
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第6話:陣の決意とその結果

陣は部屋へ戻るとすぐにカレンダーを見た。

さっきは家族が生きているという幸せが大きかったため、見逃していた。

火事が起きたのは2013年8月4日だったことからそこさえ回避できれば、

家族が死ぬことはない。そう陣は考えたのだ。


しかし本当に未来を変えることが正しい行いなのかはわからなかったものの、

3年ぶりに父親と母親と楽しい時間過ごした陣にとっては、

何を犠牲にしたとしても、家族は救いたいと決意した。


カレンダーの日付は2013年8月3日になっていた。

陣は友達に連絡をして、明日のライブに行けなくなったことを話し、

なんとか家に留まれるようになった。

どうすれば火事を止められる?原因は何だったんだ?

陣は必死に未来を変えるために考えた。


そして火事が発生するであろう翌日になり、

考えを深めている間にいつの間にか夜の8時になっていた。

あともう少しで火事になるはず。

そう思った陣は母親にコンビニに行ってくると伝え、家を出た。

もちろん本当にコンビニに行くわけではなく、

家の近くにある公園で家の周りを見張っていた。


1時間ほど経過したころだろうか。

タバコを吸った男性が家の前を通り過ぎようとしていた。

その男性は何とタバコを口から抜くと、そのまま陣の家の中に投げ捨てたのだ。

陣は驚いて、その男性が完全に遠くに去った後に

タバコが捨てられたであろう場所へと向かった。

するとまだ火は残っていたようで近くにあった葉に引火しそうになっていた。

陣は急いでその火を足で踏んで消すことに成功した。


こんな小さなタバコの残り火のせいで俺の家は燃えていたのか。

陣はそう思うと恐怖感と達成感という相容れない二つの感情に包まれ、

その場に座り込んだ。

そしてこれで未来も変わって、父さんも母さんも死なない。よかったと感じていた。


そう思った瞬間だった。

頭の中に「選択を変えましたね。まあいいでしょう。

これがあなたの思う正しい選択だというのなら」という無機質な声が聞こえた。

その直後、陣の中で何か大切なものが消えてしまった感じがした。

さらにはなぜライブに行かずに

こんな場所に座っているのかについての理由もわからなくなっていた。


「あれ?おかしいな。今日は確か、正人と一緒にライブに行くはずだったのに、

なんで俺家の庭にいるんだろう。ま、いっか。なんか外も寒いし家の中に入ろっと」

陣は首を傾げながら、そんなことを言って家に戻っていった。



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