第2話 変えたい過去
3年前のあの日
陣は友達とともにバンドに行っていた。
本当であれば、夜の8時には帰れたはずだったのだが、
好きなバンドのグッズを購入したことが原因で
最寄り駅についたのは9時になっていた。
あの時、もしも俺がグッズを買いにさえ行かなければ、
事故を防げたかもしれない
最寄り駅につくと、なぜか救急車が2台、陣の前を通り過ぎて行った
その瞬間、陣はなぜか嫌な予感を感じて家まで走った。
自分の家じゃなければいいのに。という希望を抱きながら全速力で走った。
しかし、希望はあっさりと裏切られてしまう。
家の付近には救急車が2台止まり、そのそばには消防車、
そして警察官が立っていた。
陣が歩を進めていくと、
自分の家が赤い炎に包まれていたのだ。
陣の意識はそこで途切れた。
次に目が覚めた時に目の前にあったのは白い天井だった。
目が覚め、立ち上がろうとすると
偶然通りかかった看護師さんが歩み寄ってきた。
「あ、目が覚めたんですね。大丈夫ですか?」
そう声をかけられてやっと陣はここが病室だということに気づいた。
俺はどうして病院にいるんだ。そう思い、陣は思い出そうとした。
すると目の前には炎に包まれた自分の家が映し出され、ある考えに達する。
「あ、あの俺の家族はど、どこにいるのでしょうか?」
言葉が無意識のうちに震えてしまったものの、
看護師さんには言いたいことが伝わっただろう。
看護師さんは沈痛な表情になってしまった。
そして少しの間をおいてから、看護師さんは答えてくれた。
「誠に残念なことではありますが、
お母様とお父様は昨晩の火事でお亡くなりになられたそうです」
誠に残念ですがと言われた瞬間から、陣はもう結論に達していたものの、
最後まで聞き終わった瞬間、陣は今まで味わったことのない
悲しみに囚われてしまい、声を出して泣いてしまった。
看護師さんは陣が泣き終わるまで、ずっと側にいて、背中をさすってくれた。
数分が経ち、陣はやっと落ち着きを取り戻していた。
そして聞きたかったことを聞くことにした。
「それで原因はわかっているんですか?」
すると看護師さんは首を振り、
「ごめんね」とだけ言って部屋の外へと出て行った。
それ以来、陣はたびたび夢の中で自分の家が燃えている光景を見るようになり、
入院中はそれが原因でうなされ、途中で起きることもあった。
そしてそれから数日が経ったある日のこと、陣の病室を男の人が訪れていた。




