リンの思い
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属性魔法には最上級魔法、上級魔法、中級魔法、下級魔法と四種類ある。
最上級は戦場の勝敗をたった一発で変えてしまうほど強力な魔法。しかし使いどころが難しく一人では発動出来ない。
上級魔法は一人で一小隊を倒せるほどの魔法。魔力をかなり消費するが補助魔導具が研究、開発されているので負担が少なくなっている。
中級魔法と下級魔法は一対複数で戦う時に使う。
中級魔法は戦闘型で戦う時に便利であるが汎用性が低いので戦略的には剛の戦いになりやすい。
下級魔法は汎用性に優れていて光を出して相手の目を眩ます等の戦いになる。戦略的には柔の戦いになる。
属性魔法は上級魔法以上を使える者は少なく中級と下級を使い分ける事ができる者が優れていると言われている。(補助魔導具が開発されると上級魔法を使える者も増える予想)
ホタルもどきを召喚して赤髪達から逃げ出すことに成功したらアレン(ついでにリンも)路地裏で一度立ち止まり後ろ振り向き追ってきていない事を確認してハァーと一息ついた。
すると腕の中がもぞもぞ動いていた。ぎょっと手元を見たらリンが恥ずかしいような嬉しいようなそんな顔をしてアレンを見ていた。
(あ~忘れてたな…)
アレンはリンをそっと地面に降ろしてあげた。リンは少し残念な顔をしたがちゃんと腕から降りた。降りたリンはアレンの方を向いてペコリと頭を下げた。
「た、助けてくれてありがとうございます」
「あ~え~…まぁ気にするな…」
アレンはリンの方を見ずにそう言った。リンを連れてきたのは単なる偶然だった。だからお礼をされるのは違うと考えていた。リンはそんなアレンの考えを感じられず質問した、
「何で…助けてくれたんですか?」
「え~と…あのまま置いてったらお前に矛先が向きそうだったから……かなぁ」
「そう…ですか…」
リンが嬉しそうに笑みを浮かべた。アレンがリンを助けた理由は本当になかった……はずである。ただ無意識に腕がのび気づいたら抱えて走っていたのも事実である。
なのでアレンが言ったのは出任せである、それにリンも気づいたが気づかない振りをした。
「優しいんですね」
「嫌っ…そんなこと………あるかな!!」
アレンはグッと笑顔でサムズアップをした。
アレンはリンからの「優しい」と言う言葉を否定しなかった…。主人公ならば謙遜して否定するだろうに。アレンはある意味地獄耳だった。
「そうです。優しいんです!」
「そうだな。俺は優しい!!」
そう言いきったアレンを見てリンも満面の笑みを見せた。咲き誇る花のような愛らしい笑顔だった。
それからアレンとリンはいろいろな話をした。好きな食べ物、嫌いな食べ物、好きな事嫌いな事等たわいない話だった。
ある程度時間がたつとアレンは買い出しにリンは家に帰る事にした。別れるときリンは、聴いてなかった事をアレンに聞いた 、
「最後にあなたの名前を教えてください」
「あれ言ってなかったっけ?」
「はいまだ聴いていません」
「 アレンだ。アレン・ノクターン」
「アレンさん…」
リンは名前を聞いた。口の中で何度もアレンと名前を呼んだ。また会える気がしたから…。
しかし今リンは家に帰るとこだししアレンも買い出しがある、だから今は…
「それでは私は帰ります」
「あぁ気をつけて帰れよ~」
「はい…また会いましょう!!」
リンは笑顔でアレンと別れた。また会えると信じて。
「おう またな!」
アレンも満面の笑みを浮かべた。雲のない空に輝く太陽のような眩しい笑顔だった。
リンはアレンの笑顔を胸に秘めて自分の家に向かった。自分を助けてくれた王子様の笑顔を…。
今後リンがヒロインになるかならないかはまだ未定です。一応ヒロインにしたいとは思っています。