暴走の果てに
大変遅くなりました!!
言い訳はしませんがとりあえず一言。
PCぶっ壊れるとかどういうことー!!!!!!
再開一話目が他者視線でモウシワケアリマセンorz
いきなり姫ちゃん視点で書くのは難しかったのですグスン
バックアップの大切さを知ったよ・・・・・・_| ̄|○
調子が戻っていない上に一発書きです。
後で読み直して、場合によっては訂正をかけますのでご了承ください
あ、あと遅くなりましたが
あけましておめでとうございます!
1月14日 0:01にサブタイトルを変えました。
書く予定だったのとは違う中身を書いたのに、タイトルはそのままという・・・ね
唖然、茫然、愕然。
そんな言葉がぴったりなんじゃないかと思うほどに私の頭の中は真っ白だった。
*
門を警備しているものから連絡を受けた時は私は半信半疑だった。
何しろ、「神狼を連れた白を帯びた銀髪青眼の美女が入国手続きをしている」というものだったから。
その特徴を聞いて救世主をイメージしないものなどこの世界にはいないだろう。
この世界には、白銀の髪や蒼い瞳を体に宿す人間は一人しか存在しない。髪の色とされるその色は救世主だけの色だと決まっているから。
くすんだ銀を髪色に持つ者や青っぽい暗い色の瞳を持つ者なら確かに数えきれないほどに存在するが、その場合は灰色や黒などと表現され、白銀や蒼などと同等に扱われることはなかった。
だからこそ私は、伝達に来た兵の言葉を信じてはいなかった。
たまにだが救世主に扮した人間どもが我が国に潜入しようとこんな戯言を吐いて入国しようとしたこともあったので、今回もそれの類だろうと捨て置こうともした。
だが、なぜか気になって。
ふらりと、門まで行った自分を
・・・・・私は全力で誉めてやろうと思う。
入国審査室に居たのは、澄んだ白銀色の髪と深い蒼の瞳を持つ見たものの眼が潰れてしまうんじゃないかと心配になってしまうような美少女と美女の中間のような少女だった。
すらりとした体躯に、今までに見たこともないような整った顔立ち。
神などというものは今まで見たこともないが、なるほど、これが神様かと納得しまえそうな圧倒的な存在感。
どれもこれもがどんな生き物からも逸脱していて、横にいる神狼が霞んでしまうほどだった。
そこから私の行動は、・・・まぁ、誉められたものではなかったと自分でも思う。
椅子に座って手続きをしていた彼女を畏れ多くも抱き上げて城まで誘拐犯よろしく連れて行ってしまったのだから。
その時の私は兎にも角にもこの聖女を城まで招待せねばということしか念頭になく、幼いころから学んでいた身に染みついたはずの優雅な身のこなしや言葉遣いなどもどこかに飛んでしまっていたのだ。
未だに姫からはからかい交じりにあの時のことを言われるが、その度に私の気分は地の底にまで落ちてしまうのだ。
何度後悔してもしたりない。姫を抱き上げた瞬間のあの自分をぶん殴って罵ってやりたいと思うくらいには、私にとってあの時の記憶は黒歴史といってもいい。
・・・閑話休題。今の私が思っていることなどどうでもいいか。
そんなこんなで、情けなくも動揺していた私だったがどこか頭の中は冷静だったのか彼女のうなじを確認することは怠らなかった。
「救世主のうなじには神の紋章が描かれている」などというのは誰もが知る常識であったから自分としては当然のことを確認したと当時の私は思っていたものだ。
姫曰く
「抱えられたままうなじをじろじろ見られてあん時は恥ずかしかったわー。あの時のレオの視線超怖かったし、すごい変態ぽかったよ?」
らしいのだが、その時の私にはもちろん自覚などないぞ?
・・・また話がそれたな、昔の話を続けようか。
彼女のうなじには当たり前のように神の紋章があって、私は内心で狂喜乱舞した。
髪の色や瞳の色はごまかせても神の紋章はごまかすことなどできないからな。
神々しく七色に光る紋章は有名なあの「めしあさまのものがたり」に描かれていた形通りだったが、その数万倍数億倍も美しいものだった。
今まで出したこともないんじゃないかという速度で城に彼女を連れ帰った私は興奮冷めやらぬまま、彼女を城の謁見室まで連れて行き、玉座に座らせ一緒にいた宰相などとともに跪いた。
馬鹿みたいな話だが本当のことだ。
私がこのとき何を考えていたのかなどということは、今の自分でも知りたいくらいだ。
ただ一つ言えるのは、本当の本当に私は大混乱していたということだけ。
彼女のその時の様子はまったくもって覚えていない。思考回路はパンク寸前だったから、言ってはなんだが他人のことを気に掛ける余裕などなかったのだ。
「ようこそお越しくださいました、我らが救世主」
彼女が救世主であることは私の中ではすでに揺るぎない真実の一つとなっていたから、そう口上を上げて、やっとこさ私はそこで冷静さを取り戻そうとした。
取り戻そうとしただけで冷静とは到底程遠い状態だったが。
「・・・・・五月蠅い、ホントに」
だからそうぽつりと呟かれたときは心臓が止まるかと思った。
いや、正直に言おう。彼女から紡がれた声音に心臓をがっちりと掴まれてしまったのだ。
言葉の内容など、聞いていなかった。
ただそのかわいらしく綺麗な声だけが頭の中に響いてしまって、条件反射のように体が反応したのだ。
どこがとは言わない。察してくれ。
彼女はしばらく沈黙した後、私に向かって「救世主って何?」と尋ねてきた。
正常に働いていなかった頭は彼女の問いかけの意味を深く考えぬままに、私を脱兎のごとく書物室まで走らせた。
救世主を知らないだと!?となんだかもうよく分からない思考に陥っていたのだ。
この世界の住人が一度は読んだことのある絵本を引っ掴み彼女のもとへと走って戻るまでの間、約数十秒。
・・・・そんな目で見るんじゃない。
お前が何を言いたいかはわかっている。
分かってるから何も言わずに話を聞け。
私から絵本を受け取った彼女は、絵本をしばらくパラパラと捲ったのち、何を思ったのか表紙を確認して諦めたような表情になった。
はぁ・・・と深いため息をついた彼女はそれはそれは美しく・・・・っていや、なんでもない。
そこからは、まぁ、押し問答というか。
「私は救世主じゃない」と言い張る彼女と「あなたは救世主に違いありません」と押し迫る私とで場はこう着状態となった。
王子である私と救世主とされる少女との言い合いにはさすがの宰相たちも口を出せずにいたらしく「違う」「そうに違いありません」「ちがう!」「違いません!!」の出口の見えない押し問答が続き、揚句には心配したらしい神狼が
―くぅん・・・―
と鳴きながら彼女の体を優しく突き、次いで私のことをギロリと睨み付けるという結末に終わった。
彼女に向ける視線とは全く違う冷たく燃える眼に、ギクッと体が固まり黙り込む私。
この時になってやっと私は自らの行いを反芻できるほどに冷静になれたわけだが時はすでに遅く
あーもう!!めんどくさい!!となにやら頭をかきむしった彼女が
「パパー!!!!!」
と叫んだその数瞬後に現れた存在に
真実、心臓が止まった。
実は獅子族のこの方こんなキャラでしたよーって話。
次の話はいつになるかな・・・そんな遅くはならないハズ・・・・と思いたい(´・ω・`)