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逃げるが勝ちってホントかな


まず最初に言わせてください

ごめんなさい!

と←


次話投稿が今日ってどういうこと??と自分でも思わなくもないんですが・・・・・

これ以上言ってもただの言い訳ですね。ホント更新遅れて申し訳ないです;;;




「リオル、お疲れ様ー。ありがとねー」


―キュウン―


アウェイズの森近くの村まで飛んでくれたリオルを還して(どこに還るのかを私は知らない。)、私はいま仁王立ちで立っている。

目の前にはボロボロになった7人の精霊神達。

ここに来るまで、いろいろとあったのだ。

そう、いろいろと・・・・・・・あ、思わず涙が。


今までの苦労を思い出すと心が荒む。

なんで森から街まで移動する短い時間の中でこんなに苦労をしなきゃいけないのか。

ほんと、私が一体何をしたって言うんだ。


「ほんっと、良い迷惑。新しく約束作ろうか???」


そう脅す私に怯える面々。

私の目の前にシュンッと俯く7人の更に向こう側に見えるモノに私は更にピキッ・・・と額に怒りマークを浮かばせる。


そこには、村がある。人間が住む名も無い小さな村だ。

私の知る世界は今より500年前だから、この村の事など勿論私は知らない。訪れた事も無い。

だからこの村の人も私の事など知らないだろう。知る訳が無い。






な の に


何故か村のど真ん中に彫像があるのだ。

精巧な、人の手では到底造れないような私そっくり(・・・・・)な淡い水色の彫像が。

なんだこれは。と硬直する私を置いて、盛り上がる面々。

曰く


『この村を担当したのは私なの!姫そっくりで綺麗でしょ!?』


『いや、俺が作ったあの国の彫像の方が姫に似て可憐で美しい!』


『そんなことない、俺が作ったあの彫像が一番姫の清廉さを表せている』


云々。

愕然とする私を置いて果ては『誰が作った彫像が一番か』等と論争し始める始末なのだ。

・・・おい、ちょっと待て。これは何の嫌がらせだ。

と突っ込む隙すらない。というか、突っ込む気力すらない。


この場では唯一の味方であるリオルが「真っ白」というリアル彫像と化していた私を突っつく事で正気に戻してくれたが。

で、ぶちギレた私が魔法を発動し、冒頭に戻る訳だ。


この彫像を私が発見する前にも移動中、イライラボルテージが上がる要素が色々とあった為にもうホント大爆発って感じで上級魔法が炸裂して。

魔法は精霊神をボロボロにしてくれたんだけど、それでも私の腹の虫はおさまらない。


ふざけるのも大概にしろ。

何が楽しくてこんな羞恥プレイに耐えなければならないのか。

しかも、何?あらゆる村や国という場所にこれがあるって???


死 ん で く れ


死刑だ。精霊に死は無い?

ふふっ、そんなん知らん。私が引導を渡してやんよ???

殺気満載で微笑む私にビビる精霊神。・・・シュールだ。


「クソ馬鹿共めが。いい??あの像、それぞれが責任を持って破壊してきなさい」


「そんな!!!全部良い出来なのよ!?」


「姫、そんなこと言うなって。全部姫にそっくりで快心の出来な」


「じゃかわしい!!!グダグダ言わずにとっとと行け!!!」


悲痛な声を上げるシーとフレイムが抗議の声を上げてくるが、そんなのは知った事ではない。

むしろ、快心の出来なのが問題だと私の心の中は暴風が吹き荒れる。

なおも彫像の良さについて言い募ろうとするやつらに風の魔法を発動してそれぞれを吹っ飛ばすと全員が逃げるようにして去って行った。

「ごめんなさーい!」と風の中に謝罪の声が聞こえた気がしたがそんなもんは価値が無い。

行動で示せ、行動で。

この阿呆共め。

フンッ。と鼻で荒く息を吐いた私は、ふと視線を感じて振りかえった。

そこには5人くらいの冒険者らしき人々。


やっべ


み ら れ て た ☆





 ○


精霊達曰く、今の時代の人たちは精霊が見えない・・・らしい。

恩恵に見放された人間達は、精霊や神々を信仰をする者は少なくなり、よって見る力を持つ者もほぼいない。

精霊魔法が使えなくなり、後は退化するだけ・・・という現状に慌てている人類にとって今は魔法だけが頼りの綱云々と確かレディも言っていた。


まぁ、つまりは何が言いたいかと言うと。


問題はこの人たちにとって今の私と精霊神達の会話がどう見えるかという事なのだ。





私は精霊達に向かってどなり声を上げ、癇癪を起して魔法を発動させてた。

・・・でも精霊達が見えない彼らにとってはどう見える?

何もいない空間に向かって、怒鳴りつけて、・・・少なくとも、普通の人間が打てないような上級魔法を何もない空間に発動させてる頭が沸いてる女????




・・・・・わーお。文字にしたらかなりイタくない??

私だったら無視する。なんか変な人がいるなー程度で、レッツスルーだ。

だってなんか巻き込まれちゃいそうだし。

その痛い人って思われるのが私ってのが問題だけど、まぁ、そこら辺は置いとく。


今更人間になんと思われようと痛くも痒くもないし良いよ。うん。いい。

でも私の精神的な健康上にはよろしくない。

あぁ・・・さっさと去ってくれ。なんと思われていようといいから、早め早めに私の視界から消えてくれ。

大丈夫よ、今度からはこれを教訓に気をつければいいんだから。

むしろ、街中やら国のど真ん中でやらかさなかった辺りまだマシよ。うん、マシ。マシだと思え、私!

あまりの羞恥に顔を両手で覆って、私という怪しい人物から彼らが遠ざかってくれる事を切々と願っていると


「信じられない・・・!!」


という誰かの声が聞こえた。

そんなに私が珍しいか。誰もいない空間に向かって上級魔法を炸裂させていた私という変人が。

存在までも信じられない程に?いや、別にイイケドサ。


「お気になさらず素通りでどうぞー・・・」


小さく呟いてみるが、聞こえてるかどうかは甚だ疑問だ。

あーあ、穴でも掘ってしまおうか。んで、しばらくそこで暮らすのもいいかもしれん。

今度は500年と言わず1000年くらいさ、寝ようか自分。

この羞恥が薄れる頃に出てくれば言いんだs


「今の時代に精霊と会話できる人がいるだなんて・・・・!!!」



って・・・・・・・・ハイ???

あんだってぇ????

頼むもう一回言ってくれ。


私のぐちゃぐちゃ思考の隙間に這いこんで来た声はなんとも澄んでいました。まる

おぉう、イケメンボイスーなどと場違いにも考えてしまったのは立派な現実逃避だ。

なんだってこんな面倒なことに・・・と冷静な自分が頭の隅っこで呟いていたが、そんなのは今更だ。

この世界に召喚された時点で面倒事など起こりっぱなしなのだから。


予想外の発言に、あれ?この人この世界にいる数少ない「見れる人」の内の一人なの??と馬鹿みたいに戸惑う私。

見えない事で誤解される事により感じる羞恥心と、見える事によって訪れるかもしれない厄介事。

どっちが私にとっては面倒なんだろうか。



・・・後者だな。間違いなく後者だ。

誤魔化せ、誤魔化すんだ私。

頭がおかしい子を装うんだ!

もう一回なにも無い空間に魔法をぶっ放して「おのれ、魔王め!私が成敗してくれる!」とか何とか言えば、きっと相手も遠ざかってくれる!!


「すみません、是非お話を・・・」


「だが断る!!」


即座の否定後、ハッとして口を覆っても時はすでに遅い。

誤魔化す事も忘れて相手の発言に素直に反応してしまうとは何事か。しかもノリで。

後悔先に立たずとはまさにこの事。


「ルガ!!!!」


猫の手も借りたいこの状況に迷わずアッシー君第二号を召喚した私は、召喚陣を伴って現れた巨大な狼の背中に即座に飛び乗る。

誤魔化すとかもうどうでもいい。逃げろ私。世界の果てまで。


「何処でもいいから、人のいないとこに行ってぇ!!」


なんとも無茶苦茶である。

なんだろうな、この展開・・・・と思わなくもないけど、それも今更だ。




私の指示に遠吠えで答えたルガは、強く地面を蹴って走りだした。




・・・・・なんだろうな、この展開。は私のセリフだwwwwww


ちょ、どうしてこうなったwww



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