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第87話 害獣退治

『それは重畳! わたくしにいい考えがありますわ!』


 ご安心くださいまし! わたくしは崖を転がり落ちる司令官のようにはなりませんわ!


 未夢に作戦を伝えながらも、わたくしはアラフニス3を殴る手を止めません。アラフニス3は大きさからくる重量のせいで動きが鈍重です。装甲も厚そうな見た目なのですが、なんたらかんたらバリアフィールドがあるならば、軽くすればよかったと思うのですけれど……。なんたらフィールドの発生装置が重いのでしょうか? また翠蘭に解剖してもらえばわかるかもしれませんわね!


「おりゃっ! せいっ! どっごーら!」


「無駄なことを! 潔く死ぬがいい!」


 害獣さんは無駄と言いますが、このなんたらフィールドが展開されるたびに魔力を消費しているはずです。それにエネルギー砲を撃つのにも機体を動かすのにも魔力を消費していますから、いつか魔力が切れるんじゃないでしょうか? でも対症療法的っていいますの? もっとエネルギーフィールドを切り裂いてコックピットを潰せたら手っ取り早くていいんですけど……。


『……それでどうするの? 私の魔力もそんなに残ってないわよ』


『こいつはわたくしが抑えておきますから他のMAと基地施設を攻撃してくださいまし』


『……おっけー』


『それとピロフォリオを使って騎士団本部に連絡してください。今こそハロウェル領都を攻める時ですわ』


『……なるほど、今なら手薄かも? 各員、あの青いのは放置して他のMAと施設を狙って。あとはボスがなんとかする』


『任せておきなさい。それとあの地面の中でボワンってなるやつをあいつの足元にお見舞いしてやってくださいまし。あとボスじゃありませんからね?』


『……それはいいかも。任せて、ボス』


「大人しくしろ!」


 未夢と相談している間も片手間にアラフニス3を殴っていますが、まだまだ元気に反撃してきます。そうやって数分の間、適当に遊んでいると突然後方から赤熱した砲弾が飛来しました。


『……撃った』


『事後報告すぎやしませんこと!?』


 着弾と同時にグローシアのバーニアを吹かして後ろに飛び退すさります。


「なんだ!?」


 害獣さんの驚いた声がかき消されるように轟音が鳴り響き、地面がめくれあがりました。普通にわたくしも巻き込まれそうなんですけど!?


 一旦上空に逃げますと、500メートルほど離れた位置に砲撃型のスキアが並んでいるのが見えました。一斉にハロウェル騎士団の基地へ向かって砲撃を開始しております。


 もちろん施設諸共にアラフニス3も攻撃を受けます。直撃弾はなんたらフィールドによって防がれますが、足元への攻撃を無効化するほどなんたらフィールドは万能ではなかったようです。


 地中貫通弾がアラフニス3の足元の地下で爆発した結果、地下施設があった場所が陥没し、アラフニス3は地中に呑まれていってしまいました。


「卑怯なりエクソシア!」


「害獣退治には落とし穴と相場が決まっていますのよ?」


 何やらわめいていますが、獣と会話していても仕方ありません。


 空からアラフニス3を見ていますと、地中にいてもなんたらフィールドを展開しているのがよく見えました。その障壁が攻撃のみならず地面や落下物にも反応して空間に丸い緑色のエネルギーの障壁が発生させています。この調子ですと魔力の消費も早まることでしょう。


『……こちらはグランドスラムは全部撃ち切った。どうするの?』


『あら、そんな名前でしたの? ハンガーバーガーみたいな名前だった気がしておりましたわ。……いえ、そのまま施設を攻撃してくださいまし。わたくしはあいつにトドメを刺してきますわ』


『……ハンガーをバンズに挟むのは感心しない。あとあのデカいのはまだ死んだわけじゃない。気を付けて』


 アラフニス3の近辺に降り注いでいた砲撃が止むと、段々と土煙も収まってまいりました。グローシアのモニターにはなんたらフィールドを発生させながら、地中で瓦礫まみれになりながら転がっているアラフニス3の姿が映りました。


 エネルギーフィールドを発生させながらですと、動作が鈍いのかもしれませんわね? エネルギーフィールドをオフにすると、瓦礫の山に埋もれてしまいそうです。どうやってトドメを刺してくれましょうか?

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