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第12話 ご褒美

 ハロウェル家の研究所から、怨霊憑きコクピットブロックを強奪してきた翌日、わたくしは言い訳していた通りに、仮病で寝ていました。ちなみにあのコクピットブロックは第4世代のものだったそうです。まぁまぁですわね!


 そして準備していたあれが役に立つ時がすぐに来たようです。


 ウィングリー軍の憲兵隊か軍警察か知りませんが、そこの人たちが乗り込んできて、うちの格納庫にあるグローシアの確認をしに来たそうなのです。


 伝聞で申し訳ありませんが、わたくしが直接視察しているところを見に行くわけにも参りませんので……。ごほっごほっ! 持病のしゃくが……ですわ……。


 そろそろ来るんじゃないかと思っていましたのよね。我がエクソシア家とハロウェル家は対立関係にあるようでしたし、そこを高性能機が襲ったとなれば、うちが疑われてもおかしくはありません。お父様はまったくの無実ですけれど……。なんて卑劣なやつらなんでしょう!


 そこでわたくしはグローシアを黒く塗ってから襲撃し、帰り道で塗装を落として元の白に戻しながら帰って参りました。子供騙しですけど、まぁなんとかなるでしょう!


 塗装を落とすのって結構大変なんですわね? コンテナトレーラーの中で夜月イーリンの整備隊の方たちが必死に塗装を落としてくださいました。夜月にまた借りができてしまいましたわ。


 それだけではピカピカすぎて逆に怪しいと言うことで、うちの格納庫に駐機してからホコリや土をかけて、とっても汚してから仏壇グッズを元の位置に戻しておきました。


 わたくしの寝室にも、憲兵隊の女性士官がやってきました。わたくしは寝たフリしてやり過ごしましたが、ウィングリー軍の女性士官の軍服のお尻はなかなかえっちでいいですわね。


 これによって我が家がまったくの無実であることが証明されたのです。めでたしめでたし! 


 ……一応うちも公爵家ですからね。無理な捜査は出来ないのでしょう。お父様はきっと胃痛に苦しめられたことでしょうが……。本当に卑劣なやつらでしたわね!!


 風の噂によると眼鏡が直々に見に来ていたらしいですわね。どんな顔をしたのか見たかったですわ~~!!



◇────────────────◇



「では早速、第2回エクソシア家主催、翠蘭の衣装をもっとエロくしよう会議を始めさせて頂きますわ!」


「……おー」


 パチパチと衣装担当地雷女子の未夢みゆの拍手が会議室に響きます。もちろん会議室には主賓たる翠蘭も居ますが、わたくしたちとはカーテンで区切られた向こう側に居ます。


「さて、翠蘭。わたくしがピュアマギコークスクリスタルを持ち帰ったならば! ご褒美をくださる、とのことでしたわね!!」


「本当に2本も盗ってくるやつがあるか!」


 負け犬の遠吠えが心地いいですわ~~! あと1本あればもっといけましたのに~~~~~!


 あのピュアクリスタルに取り憑いていた……いえ、取り憑かされていた怨霊さんとも話が付きました。かなり弱っていて、自我が薄くなっているようでした。それも色々と実験をした結果なのでしょうか?


 とにかく彼女とも、共同で作戦に当たっていくことで合意致しました。夜月の整備員さんたちがおバチクソにビビっていてウケましたわ。


「……久しぶりに衣装を作れて楽しかった。ヴィア、ありがとう」


「楽しんで頂けたなら幸いですわ。でも、またここからなのですわよ?」


 今回のご褒美は未夢の全面協力の元行われておりますので、是非にと同席頂いております。


「……?」


「着せるまでがご褒美、という言葉があります。では敗者の翠蘭さん、準備はよろしいですか?」


「よくない!」


「はい、ありがとうございます。オープン!」


「キャー!」


 可愛い悲鳴をバックに、会議室の一部を区切っていたカーテンがカラカラと音を立てて開けられていきます。


「……おぉ」


 未夢が感嘆の声をあげるのも頷けます。


 足の裏が赤いハイヒールから見える黒タイツ。もちろんバックシームです。そしてそこから伸びる長い脚。エクセレント!


 《《覚悟》》のキマったハイレグに、くびれを美しく魅せるコルセットのバランスが大変素晴らしいです。大変です。わたくしが見たところGカップはあるであろう乳がこぼれ……いえ、今にも《《まろび出そう》》です。


 そしてなぜか翠蘭の手は頭についたうさ耳を隠そうとしています。この女、混乱していてもあざといですわね……。どうして自分のポニテを掴んでいるのでしょうか?


「……いい」


「いいですわよね」


 わたくしと未夢に多くの言葉は必要ありませんでした。


「な、何がだ!?」


「……何がって、普段はポンコツで少女趣味なのが研究員たち全員にバレてて微笑ましい目で見られてるのに、それに気付かずデキる女みたいな顔してるけど中身は乙女な皆の主任がえっちな格好して恥ずかしがってる姿でしょ」


 翠蘭には多くの言葉が必要だったようですわね。それにしても……。


「まさか翠蘭って、そんな感じなんですの?」


「ああああああああ!!!」


「……ベッドにぬいぐるみ並べて一緒に寝てる女がデキる女は無理がある」


 わたくしは別にそれは相反あいはんしないとは思いますけれど……。


「まぁぬいぐるみと寝ていようが構いません。わたくしはこの格好を翠蘭の仕事着にすることに、まったくの異存はございませんが、夜月イーリンさんサイドは問題があるのではありませんか?」


「……こんなエロい女に所内をうろつかれたら夜月の品位が疑われる。各方面に失礼」


「だ、そうですわよ」


「お前たちが着せたんだろ!!!」


 この後、きちんと黒チャイナドレスを正式な翠蘭の制服に採用しておきました。わたくしの原作の記憶を元にデザインした服だけあって、翠蘭もなんだかんだで気に入ってましたわね。


 翠蘭の服装が決まり、ふとわたくしは思ったのですけれど、わたくしってお出掛け用のドレスでMAを操縦してますけど、これでいいのでしょうか?


 でもMA用のパイロットスーツなんて着て出掛けていたら、家族が心配しそうですし……。建前の上では、わたくしお散歩してるだけという話になってますので……。困ったものですわね?

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