第4話 学園祭の熱狂と「共鳴」の力
学園祭の喧騒は、青春そのものの熱を放っていた。模擬店の準備で揉めるクラスメイトたちを宥め、ももはいつものように奔走していた。しかし、この解放感と活気が、ジェイソンにとって最良の狩場だった。
「待っていたぞ!この**『大衆の熱狂』**こそ、最高のエネルギー源だ!」
ジェイソンは、人混みに紛れて目立たない特殊装置を起動させた。次の瞬間、ももの身体に異様な気配が纏わりつく。それは、周囲の観客の視線――好奇心、賞賛、あるいは単なる無関心――を吸い上げ、敵を強化するエネルギーへと変換する罠だった。
ももはそれを察知し、変身を試みる。だが、人目を避ける意識と、周囲の視線が集中する恐怖が綯い交ぜになり、バンクの途中で動作が凍りついた。
**【第4変身バンク(試行・フリーズ)】**
桃色の光が身体を包み込み始めた矢先、周囲の視線が一点に集中した途端、光は**過剰なエネルギーを吸い上げすぎて飽和し、硬直**してしまう。ももの身体は光の中で微動だにせず、まるでガラスケースに収められた人形のようだ。
「見ろ!彼女の輝きが、俺の力に変わっていく!」ジェイソンは笑い、その美しくも動かないももに向かって攻撃を仕掛ける。
絶体絶命。その時、近くで屋台を切り盛りしていたクラスメイトの一人が、皆の視線が一瞬ももに集中した隙を突き、大声で叫んだ。
「ももちゃん!あんた、最高に輝いてるよ!見てるこっちが**ドキドキするんだから!**早く、その格好で私たちを楽しませてよ!」
その言葉は、ももの心を直接貫いた。それは命令ではなく、純粋な**「賞賛の共鳴」**だった。
「……私を、見てくれてるの?」
視線は、敵のエネルギー源ではなく、**ももの自己肯定感**をブーストする触媒へと瞬時に変わった。恐怖は消え去り、集中が研ぎ澄まされる。
**【第4変身バンク(観客フラッシュ・共鳴版・完全)】**
ももは、周囲の視線、無数のフラッシュを全身で受け止めるように変身シーケンスを進める。光は周囲のエネルギーを制御下に置き、彼女の身体を**肉体と衣装の境界が曖昧になるほどの強烈な輝き**で満たしていく。このバンクは、観客の熱量がなければ完成しない、彼女だけの特殊な儀式となった。
「私を輝かせるのは、誰かのためじゃない! **みんなの笑顔こそ、私のパワーソース!**」
「ピーチ・スタンディング・オベーション!」
ももの放った祝福の光がジェイソンを包み込み、彼は熱狂の渦の中で打ち砕かれた。
**ED:救いの小変化+次回の種**
学園祭は最高の成功を収めた。ももは、他者との繋がりの中でこそ、自らの力が真に美しく、強靭になることを体感する。しかし、彼女が放った光のスペクトルが、ジェイソンのデバイスの記録装置に鮮明に焼き付いた。次回、ジェイソンは「視覚情報への飽くなき探求心」をさらに高め、次の狩場を定めることになる。




