第3話 図書館の静寂と視線の交錯
分厚い専門書が積み上がる図書館の片隅。奨学金を盾に、友人は文字の海に沈んでいた。その張り詰めた空気は、ももの心にも重くのしかかる。「張り詰めた神経は、いつか美しさを曇らせてしまうのに」――そう思う間もなく、静寂は破られた。
ジェイソンは、彼女たちが探し求めた**「知識の到達点」**を奪うべく、最先端のデータ解析デバイスと共に現れた。
「静寂は美学だが、情報こそが真の力だ。その変身バンク、**全てスキャンさせてもらう**ぞ!」
ジェイソンが放ったデバイスから、不可視の光線がももに浴びせられる。それは、彼女の変身の軌跡を瞬時に解析・模倣しようとする試みだった。
ももは咄嗟に変身を試みるが、デバイスの干渉でバンクのモーションがバグを起こす。光の粒子が、**本来なら滑らかに繋がるはずの身体のライン上で、不規則に乱れ、一瞬だけ「制御を失ったような官能的な動き」**となって現れるのだ(**微官能要素:解析によるバンクの予期せぬ乱れ**)。
「ぐっ…!」
さらに、ジェイソンが放出する低周波ノイズが彼女の視界を覆い隠す。光と影が歪み、ももは己の姿すら認識できない。
「解析完了!君の動きは、既に俺のデータベース内だ!」
視界を奪われ焦るももは、本能的にバンクを繰り出すが、ジェイソンは先読みしていた。その動きの軌道上に、彼の攻撃が的確に突き刺さる。バンクの華麗なフィニッシュは効果半減、ももは防戦一方だ。
打ちのめされ、膝をつきかけたその時、頭の中で恩師の言葉が響いた。*「情報とは、使い方次第で凶器にも、光にもなる」*
「……そうよ。データで読めるのは、**外側の形**だけ」
彼女の意識は、視覚情報から、皮膚のすぐ下を流れる熱へと集中し始めた。図書館の冷たい空気と、自らの内側で燻る**秘めたる情熱**のコントラスト。それを頼りに、ももは全てを委ねる。
**【第3変身バンク(光と影のコントラスト強調版・感覚特化)】**
視覚を封じたことで、光と影の境界線が極端に際立つ。バンクの軌跡は、闇の中を切り裂く桃色の熱線のように、**研ぎ澄まされた線と曲線のみ**で構成される。それは外部のデータではなく、ももの「感覚」が創り出した、最も純粋な姿だった。
「外側のデータは全て消え去った!今、解放するのは、**熱を持つ私自身**の情熱よ!」
その熱量は、ジェイソンの解析システムを焼き切る。「秘めたる情熱、今、解放! **ピーチ・ヒート・ウェーブ!**」
ジェイソンは灼熱の光に包まれ、慌てて撤退した。
**ED:救いの小変化+次回の種**
友人は、何事もなかったかのようにペンを走らせ、無事に試験を乗り切った。ももは力を取り戻したが、敵が自分の「変身」という現象そのものを、より深く、より精密に研究対象としている事実に、冷たい戦慄を覚えるのだった。




