第5話 ナタリー機関説で国会炎上!?外交準備どころじゃない件。
世界総攬者就任から三日目の朝。
ナタリーは玉座の間に並んだ新聞の見出しを見て固まった。
「“国家の三権は立法・行政・ナタリー”って……何これ……?」
レオンが胸を張って説明する。
「閣下! こちらが最新の学説、ナタリー機関説です!
国家の中心はナタリー閣下の“存在的可愛さ”にあるという理論で――」
「理論じゃないよね!? 私の可愛さって何!?」
レオンは真顔で頷く。
「閣下の可愛さこそ国力の源です。むしろ外交資源と言っても……」
そこへ議長ルチアが、資料の山を抱えて入ってきた。
「レオン補佐官。閣下に妙な思想を植え付けないでください。
……ナタリー機関説は、学問というより“真理”です。」
「え!? ルチア議長まで!?」
ルチアは咳払いし、淡々と追加説明する。
「現在、学会では
“国家はナタリーの意思を増幅する巨大システムである”
という説が有力です。
もちろん私も全面的に支持しています。」
「なんでみんなそんなにノリノリなの!?!?」
ナタリーが混乱していると、議場から呼び出しベルが鳴った。
「閣下、外交委員会が始まります。
本日は“ナタリー機関説を前提にした隣国との共同宣言案”が審議されます。」
「前提にしないで!? 国際問題だよ!?!?」
◆ そして外交控室へ
控室に入ると、隣国からの外交官たちがすでに到着していた。
しかし彼らはナタリーを見るや否や――
「おお……これが噂のナタリー総攬者……尊い……」
「かわいさで国家運営とか正気かと思っていたが、実物を見ると……これは……理解した……!」
「むしろ当然であった……!!」
「理解しないでーーー!!?」
ナタリーが慌てて後ずさると、ルチアがすっと前に出て守るように立った。
「総攬者に近づきすぎです。距離を三メートル取りなさい。」
外交官たち
「は、はいっ……! ナタリー総攬者の周囲三メートルは聖域……!」
(ルチア、強い……! そして外交官たちもなんでそんな素直なの!?)
◆ さらに混乱を呼ぶレオン
そこへレオンが外交茶菓子を持って登場した。
「閣下〜! 本日のおやつは“ちびっ子向けリンゴゼリー”でして!
これがまた閣下に似合う味なんですよ〜!」
「レオン、私を幼児枠に入れないで!!」
外交官
「ナタリー閣下がゼリーを……! 尊みが……増える……!」
ルチア
「……レオン補佐官。
あなたは今日も“非常に”役に立ちませんね。」
「ひぃ!? すみません議長! わざとじゃないんですぅ!」
(この人たち……やっぱり変な奴ばっかりだ!!)
◆ そして外交本番へ
ルチアが議事ファイルを開き、ナタリーに優しく微笑んだ。
「大丈夫です、閣下。
あなたはここに座って、いつも通りのあなたでいればいいんです。
世界は……あなたを中心に回っていますから。」
「そんな重いことを軽く言わないでーーー!!」
外交官
「本当に……その通りだ……」
ナタリー
「なんで納得するの!?」
こうして世界は、今日もナタリーを中心に暴走していくのだった。




