第4話 控室で二人きり。議長の距離が近すぎる件。
「閣下、本会議お疲れさまでした。こちらが控室です。」
レオンに案内され、ナタリーは静かな控室へ入った。
ふかふかのソファと、やたら豪華な紅茶セット。
さっきまでの議場のざわつきが嘘みたいに静かだ。
「ここなら……少し休めるかなぁ……」
ほっと息をついたその瞬間。
カチリ、と扉が閉まる音がした。
「……え、レオン?」
振り返ると、レオンは妙に生暖かい笑顔で親指を立てていた。
「閣下の青春に、幸多からんことを……♡」
そして ガチャン! と鍵をかけて去っていった。
「なんで鍵かけたの!? 怖いよ!?!?」
パニックになるナタリー。しかしその直後。
「……失礼します、閣下。」
静かに扉が開き、ルチアが姿を見せた。
(レオン、鍵かけてなかった!? あいつネタ枠すぎる!!)
ルチアはナタリーの目の前のソファに座り、
ふわりと微笑んだ。
「今日は、本当によく頑張りましたね。
議長としてではなく……ルチアとして、お礼を言わせてください。」
「う、うん……ありがとう。私、全然わからないことだらけで……」
「わからないなら、私がそばで教えます。全部……」
ルチアはすっと手を伸ばし、
ナタリーの髪に触れそうなほど近づいた。
「あなたが迷ったら、何度でも導きます。
……だって私は、あなたに――」
そこまで言ったところで。
ガチャッ!!!
「閣下ァァァァ!!!
今日のおやつに 子供用プリン がありますよぉぉぉ!!
私、そっち系の甘味が大好きでしてぇぇぇ!!」
レオンが全力で扉を開けて乱入。
「……お前、ただのロリコン甘味フェチじゃない!!」
ナタリーのツッコミが炸裂した。
ルチアは静かに立ち上がり、
満面の微笑みでレオンの肩に手を置いた。
「レオン補佐官。
今、非常に“邪魔”でしたよね……?」
「えっ!? い、いえその……控室の気配がこう……青春の香りで……」
「では、処理しておきます。」
「処理っ!? 待って待って待って!!」
ルチアに首根っこを掴まれたレオンは、そのまま廊下へ連行されていった。
控室は再び静寂に包まれる。
ナタリーは真っ赤な顔でぽつりと呟いた。
「……あの二人、なんかすごいね……」
その横でルチアは、小さく微笑む。
「……閣下。
次こそは……二人きりで話しましょうね。」
ナタリーの心臓が跳ね上がった。
(な、なんでそんなキラーワード言うのこの議長!?)




