第2話 協賛機関ナタリー国会、爆誕!
「──協賛機関、ナタリー国会を開会します!」
玉座の間の奥に隠されていた巨大扉が、ゴゴゴ……と音を立てて開いた。
中に広がっていたのは、まるで体育館を三つ横に並べたような広さの議場。
中央には円形のステージ、その周りをぐるりと取り囲むように並ぶ議席。
そして、そこにひしめく数百名の議員らしき人々。
「な、なにこれ!? 私の国会!? 協賛ってなに協賛してるの!?」
ナタリーの叫びに、軍服青年――補佐官レオンは真顔で答えた。
「協賛機関とは、閣下のお考えを補完し、世界運営を円滑にするための議事機関。
……すなわち、閣下の“やりたいことを全力で応援する国会”です。」
「そんな国会ある!?」
ナタリーのツッコミが空中に弾ける。
その瞬間、議場の照明がぱっと明るくなった。
「世界総攬者閣下、ご入場!」
議員たちが一斉に立ち上がり、拍手の大嵐。
中には泣いてる人までいる。
「閣下あああああ!! 生で見られるなんて!!」
「総攬者尊い!!」
「特例法案第7号、“ナタリー閣下の朝ごはん無償提供法” の審議を開始せよ!」
「勝手に立法しないでええ!!」
もう何がなんだかわからない。
しかし――
レオンがそっと耳元で囁く。
「大丈夫です閣下。ここは、閣下の意志ひとつで世界が動く場所。
あなたは今日、この議場で“世界の未来”を決めるのです。」
(未来!? 私、今日だけで世界何回救ってるの!?)
ナタリーの混乱がピークに達したその時。
議場中央のステージに、ひとりの少女がゆっくりと現れた。
銀髪のツインテール、深紅のマント、鋭く光る瞳。
「はじめまして、ナタリー閣下。
協賛機関ナタリー国会――第一議長、ルチア・フレイアです。」
そして彼女は微笑む。
「本日の議題はひとつ。
“世界総攬者ナタリーの就任を巡る、重大機密案件” です。」
――その瞬間、議場全体がざわめいた。
(ま、また大事そうなやつ来た……!)
ナタリーの受難は、まだ始まったばかりだった。




