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LOVELY タイムワープ♡

作者: 沙華やや子

にゃんこのミーミーどこへゆく・・・

三毛猫のミーミーはタマちゃんとポンちゃんの子どもである女の子です。

ミーミーの艶っぽい動きはとても小学生には見えない。

美猫ミーミーは学校の人気者です。男の子達はみんな、ミーミーを見ると目がハート型になります。


「ミーミーちゃん、僕と一緒に魚釣りに行きませんか?」

「ツーン・・・」知らんぷりの仔猫ちゃん。

「ねぇ、ミーミーちゃん、オイラはシャンプーも嫌がらない強い男だよ!オイラが君を・・・その...」

「そこどいて!あたしね、これから美容室へゆくの、忙しいのよっ。」


女の子たちはミーミーを憧れのまなざしで見るとともに、羨み意地悪をしました!


「先生、あたしの筆箱がありません。」始業チャイムの直後、あたふたとするミーミー。

クスクスクスクス・・・ 辺りで変な笑い方をする女の子猫たち。

ミーミーは、自分が妬みの対象だと知っています。だからそんな時は、相手にしないよう頑張りました。涙をこぼしても...


ミーミーはしょんぼりしたお顔でブランコに揺られています。

そんなミーミーにだってお友達が居ます。女の子のマリンちゃん。マリンちゃんは真っ白なペルシャ猫です。

結局筆箱は、何故かお掃除用具入れから出てきたのです。


「ミーミーちゃんっ♪」

「あ、マリンちゃんハロー。」

「ごきげんよう、ミーミーちゃん!」

うなだれているミーミーちゃんの綺麗な三毛柄の毛が、心なしかバサバサに見えます。

マリンちゃんは何にも言わずにそばに居ます。

ただ・・・一緒にブランコにゆれるだけ。マリンちゃんは生き生きと上手にブランコをこいでいます。

ゆ~らゆ~ら・・・「マリンちゃん、あたし... あたし...もう帰る。」

ゆーらゆら「...うん。また明日ね、大好きよ!ミーミーちゃん。」

ちょっぴり笑顔になるミーミー。「バイバーイ!!」


ミーミーは人間の家族と一緒に暮らしています。

「ただいま~。」

人間達はみんな自分の事で一生懸命。人間同士仲の悪い家族です。でもみんなミーミーとポンちゃんとタマちゃんには優しい。


ミーミーが一番仲が良いのは中学3年生のお姉ちゃんです。今日もすぐにお姉ちゃんの部屋まで階段を駈け上がって行きました。

ミーミーが入れるようにいつも少しだけ開けてある扉から部屋に入った。ミーミーのちょっぴりつり目のまんまるお目めがさらに大きくなった。

お姉ちゃんが泣いている。

中学校で悲しい事があったみたい。


「ミーミー・・・」お姉ちゃんの声が鼻声だ。

ミーミーはゆっくりとまばたきをしながら、お姉ちゃんのそばへ行き、しっぽをぴんと立て...うずくまっているお姉ちゃんの足にわき腹をスリスリしました。


(お姉ちゃん、泣かないで)と言っています。

(あたしが居るよ。)と言っています。

「わぁーーーーーーー、ヒックヒック...」でもお姉ちゃんはさらに泣き出してしまった。そして

「ミーミー、ありがとう。」と言ってくれた!


(お姉ちゃんにあたしの声、聞こえたのかな?)切なくも胸が熱くなるミーミー。

ミーミーはのどや背中、そしておでこをナデナデされご満悦。


ミーミーはお姉ちゃんのママには爪を出す事があります。ブスになって「フーーー!!」「ハッーーーー!!」と威嚇することも。

でも、お姉ちゃんとは気が合うのです。

ミーミー、ゴロゴロ。のどを鳴らし眼を細める・・・


明日からもう学校へ行くのや~めよっと・・・そう思いついたミーミー。

ミーミーの命が危うい目に遭うような場所へはもう行ーかないっ。筆箱は、筆記用具はミーミーの命です。

なぜなら、ミーミーには作家になるという夢があるから。


お姉ちゃんはそのうち・・・真っ赤な口紅とマニキュアを塗り...髪の毛を金髪にし、お酒を呑んでバイクに乗り、ミーミーが待ち続けても

お部屋に帰って来なくなりました。お姉ちゃんは学校に来てはいけません、と先生に言われた時だけお部屋に居ました。


猫のミーミーは、お姉ちゃんより早く大人になりました。

ミーミーが虹の橋へ渡る頃、お姉ちゃんはもうここにはいませんでした。


お姉ちゃんは今、大都会へ出て、ミーミーと同じ夢を見ています。

物書きになりたいのです。


ミーミーは、さっきお姉ちゃんのパソコンに魔法を掛けました、

魔法を掛けたんです!


挿絵(By みてみん)

お姉ちゃんは瞳を閉じる・・・


✰ イラストは「みてみん」サイト様『Kobitoさま』によるものです ✰

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