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幼い女神の迷宮遊戯  作者: 悠戯
第一章『幼い女神の迷宮遊戯』

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16/62

16.幼い女神のダンジョン配信リターンズ


 仮想体を動かす練習をしたのが良かったのでしょう。二度目のダンジョン攻略は、一度目の無様な姿が嘘のようにスムーズに進みました。



「た、たあっ! やった、倒せました!」


『お~! カステラのお姉さん、おめでとなの』



 今も長身黒髪の女侍、カステラ侍嬢が身長ほどの大太刀でコンニャクスライムを一刀両断にしたところです。さっきまで怖くて目を瞑ったまま武器を振り回していたのと同一人物とは思えない成長ぶり。

 先頭に立ってスライムの注意を引いていた盾持ちの戦士や、後ろから攻撃魔法でスライムのHPを削っていた魔法使いのプレイヤーも、それぞれ自分の役割をちゃんとこなせたようです。


 真っ二つになったスライムは数秒ほどプルプル震えた後、キラキラとした光の粒となって空気に溶けるように消えてしまいました。

 ちなみに他のモンスターを倒した時や、プレイヤーのHPがゼロになってゲームオーバーになった場合も同じように光が出て消える仕様になっています。モンスターは一定時間経過で同じ場所に再出現、プレイヤーは最後に立ち寄った街ですぐ再出現という違いはありますが。いずれも、この世界においてはそれが当たり前の自然法則なのです。



「えっ? さっきから何個か出てるスライムボールって、球遊び用の道具じゃなくて回復アイテムだったんだ。地面に落ちたやつ食べてお腹壊さないかな?」


『大丈夫なのよ。この世界、病原菌とかウィルスはいないし。あと、みんなの身体に内臓入ってないし。口から食べた物は喉の先あたりで一瞬で分解される仕組みなの』


「さり気なく凄まじい話が出た気がする……あ、蒟蒻ゼリーの味だコレ」



 何回か戦闘をこなすうちに緊張していたメンバーにも余裕が出てきた様子。

 引率役であるウルのアドバイスなしでも、安定して無傷で勝てるようになってきました。動画サイトの配信ページに寄せられるコメントも、好意的なものが増えてきたようです。


【おお、一気に動きが良くなってきたね】


【やるやん】


【ダンジョンワールド、実は野球ゲームじゃなかった説】


【ちゃん様カワイイ】


【カステラ侍姉貴、冷たい目で見ながら踏んでほしい】


 まあ攻略そのものに対するコメント以外もありますが、盛り上がっているのは間違いないので恐らく大丈夫でしょう。あまりに過激な発言は動画サイトのNGワード規制に引っ掛かって、そもそもコメントが表示されなくなるはずです。



「あれ? この音、もしかしてレベルアップ?」


「おっ、俺も聞こえる」


「私も。メニューのステータスもちゃんと増えてるみたい」


『うん、そうみたいね。みんな、おめでとなの』



 そうして洞窟の最深部付近にまで来た頃。

 経験値が規定量まで溜まり、プレイヤー達が一斉にレベルアップしたようです。軽快な音楽が鳴ると同時にメニュー欄が自動的に開き、上昇したステータスや新たに取得したスキルなどが表示される仕組みになっています。


【おめでと】


【オメシャス】


【ありがとう】


【お前じゃねぇ座ってろ】


【ちゃん様カワイイ】


【↑さっきからコイツが怖い件】


 コメント欄も更に盛り上がりを増しています。

 ですが、最も盛り上がる予定なのはもう少し先。こうして全員レベルも上がったことですし、これなら洞窟の最奥に向かっても多分問題はないでしょう。



『はい、注目! これからボス戦に挑戦するのよ!』



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