第八十八話 友達とカラオケ2
「取り敢えずなぎちゃん!歌って!!」
「えぇ!?」
「確かに綾瀬さんの歌声気になるー!」
「元々いい声してるもんね!」
「気になる気になる!」
「き、気になる〜」
正直そこまで……いやでも気になるな。
人の歌声なんて聞く機会ないから新鮮。友達とカラオケ?もちろん初めてですが何か??
「ん〜あんまり曲知らないけど……流行りの曲なら歌えるかも!これ歌おっかな」
流行りの曲か、俺もあんまり曲知らないから歌える曲探しておかなきゃ、って…………
綾瀬さん、歌うま!!!!!
「めちゃうまじゃん……」
「すご〜い………」
「ずっと聴いてたいわ」
「マジでめちゃくちゃうまいじゃん…」
「俺たちこの後に歌うん…?」
採点機能というものがあるらしいが、それはつけていなかった。それでも綾瀬さんの歌の凄さは十二分に伝わった。
凄すぎ。
「じゃあ次誰歌う〜?」
「「「「「…………」」」」」
「え?」
「いやお前行けよ」
「無理だよ!どうやっても見劣りするじゃん!」
「じゃあ次は私が歌います!」
と、茨実さんが二番手で歌ったのだが———
「だからうまいんだって」
「もうやめろ…!俺たち男子に人権はないのか!?」
「ないんだよ諦めろ」
「もう、歌いたくない……!!」
2,3分して歌い終わり、「どうでした!?私の歌!!」と言われた。
「いやもう俺たち帰るか」
「うん、帰ろう」
「あとは二人でよろしく!!」
「「いやちょいちょいちょい」」
「二人でハードル爆上げしないでもらっていい!?」
「うますぎだよ!!」
「はいはい、あと4人も歌って!!煽てるとか良いから」
「「「「煽ててねえよ」」」」
「じ、じゃあ俺から行くかあ…?」
とまあ、高瀬川が先陣を切り、男性陣も歌い終わった。
結果?としては、高瀬川&俺は普通。祐也は音痴。櫻川はめちゃうまかった。
半分バカうまいのやめてもらっていいっすか?(〇〇〇〇風)
「じゃあ次はさっき行ったペアでデュエットしまーす!!」
「何でそんなノリノリなんや……」
「じゃあまずなぎちゃんと湊君で!」
「え〜、っと…何歌う?」
「無難にこれで良いんじゃない?」
「これが無難なのか」
「え、知らない?」
「一応知ってるよ」
ギリ知ってるだけで、これが無難だとは全く知らなかった。
「じゃあこれにしよ!!」
「採点機能つけて順位決めようぜ!」
「いいね!じゃあドベは……今度このメンツで出かけた時の飯奢ってもらうか」
「え」
「お前まじかよ鬼だな」
「まあ楽しそうだしやろうぜ!」
てなわけで、なぜかそんな対決が繰り広げられることに———。
結果は、
一位 櫻川&茨実さん 96点 (バケモン)
二位 俺&綾瀬さん 88点
ドベ 高瀬川&祐也 70点
うん、何となくそんな気はした。
「やった!」
「じゃ、今度のお出かけではよろしくです」
「宜しく〜」
「よろ」
「くそぅ!!!歌うまいやつがその2チームに偏ってるじゃねえか!」
「いやお前が言い出したやん!」
「そりゃあそうだけど!」
こんな感じでデュエット対決は終わり、この後は普通にみんなで2時間ほど歌い、解散した。
友達とカラオケって、楽しい!




