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クラスの地味キャラも恋をする  作者: ぱらな
第1章 高校一年1学期
8/91

第八話 いつもと変わらぬ日常(?)

先生の怒号が教室に響き渡った次の日の朝。やることもなくただぼーっとする、それが俺の学校でのルーティーンなんだ—

「うぃーっす翔太、相変わらず元気も覇気もない、モテなそうな顔だなぁ」

「お、朝からボディブローをかまされそうな長谷川じゃないか」

「え、俺が?誰に??」

「誰だろうな、ヒントは目の前にあるぞ」

「うん、ちょっと待とう話合おう」

なんでコイツはいつも朝からこんな元気なんだよ、頭の辞書に『五月病』という3文字は無さそうなくらいの活発さだな。

「ところで昨日聞きそびれてたけど、この前の放課後デートは楽しかったかい?」

「露骨に話逸らそうとすんな、後で覚えとけよ。てかこの前のあれはデートでも何でもないぞ、ただ綾瀬さんの予定に付き合っただけだから」

「でも、高校入って綾瀬さんが男子と話してるとこ、お前以外で見たことねぇぞ」

「それは…偶然だろ」

「どんな偶然だよ」

でも確かに言われてみたら見たことないかもな、少しは特別扱いされてるってことか。

「今お前自分が特別扱いされてると思ってんな?」

「え?お前エスパーか何かか?怖」

「何か勝手に引かれたんだが」

いや今のは俺じゃなくても引くわ、俺そんな顔に出てたのか…

「お、噂をすれば」

「ん?何の話??取り敢えずおはよう、みなっち」

「あ…うん、おはよう」

「変な間があるけど、まあいいや、それより今日は電車じゃないんだね」

「え?あ、うん」

俺のエスパーが意識させるようなこと言うから緊張しちまったわ、絶対そんな気はないとわかってんのになぁ。

「長谷川くんだっけ?さっきは何の話?」

「おっ、俺の名前覚えてくれてんだな」

「そりゃこの前会ったからね」

「その時自分の名前出した記憶無いんだけど」

「まあ、みなっちの隣にいつもいるし名前くらいは覚えとこって思って」

「いつもはいないよ、コイツがいつも隣にいたら死ぬ」

「いや失礼すぎる。あ、さっきの話は—」

余計なことは言うんじゃねぇぞと、目で釘を刺しておく。

「いや、なんでもない。言ったらボディブローされそうだし」

「なんか長谷川くんが意味わかんないこと言ってるけど…ってみなっちも鬼の形相してるし、朝から物騒すぎる!」

「ああ、ごめんね朝から仲良しすぎて」

「キモ」

「いや直球すぎて傷ついた」

「そーいえば次の休日の予定、忘れてないよね?」

「いや綾瀬さんにもさらっとスルーされた…」

「次?なんだっけ??」

え?怖い怖い。綾瀬さんがジリジリ近づいて—

「…せいっ」

「ごふっ!?」

まさか俺がボディブローを喰らうことになるとは誰が想像できただろうか(反語)ってか綾瀬さん武闘家なの?って言うくらいにいいパンチなんだけど。

お陰で朝からいい目覚めだよ…(泣)

「覚えてないの?!お出かけの約束したじゃん!」

「そ…そうだったね……、今、思い出したよ…」

「やば、強くやりすぎて死にそうになってる…」

「止まるんじゃ、ねぇぞ…」

「そのネタが綾瀬さんに伝わるわけねぇだろ」

久しぶりに長谷川から正論でツッコまれた。

今この瞬間だけは自分に味方がいないような気がしてならなかった、まあ約束を忘れてた俺が全部悪いんだけどさ…。




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