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クラスの地味キャラも恋をする  作者: ぱらな
第1章 高校一年1学期
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第六十八話 綾瀬さんと水着を買いに行く

ついに水着を買う日になってしまった……。


どーすんだよマジで!!

まあどうするとかないけどさ!


いや陰キャが陽キャと買い物するってのはね、普通に浮くのよ。

「何アレ、どうみても釣り合ってなくない(ヒソヒソ)」現象が起こるのよ。

あれ、当事者が一番わかってるから。

だからこれ以上周りの人は陰キャにダメージを与えないでほしい(切実)。

もうちょい陰キャに優しい世界に生まれたかったよ(涙)。



と、今更戯れ言を言ったところで現実が変わるわけでもないので、言われていた通り待ち合わせの場所に行く。

ちなみに待ち合わせの場所はいつも通り駅前。


と、待ち合わせ時刻十分後に綾瀬さんが小走りで到着する。


「ごめん、待たせた?」

「そんなにかな」

「なら良かった、じゃあ行こっか」


テンプレのようなやり取りを済ませ、早速服屋へ直行する。



着いたのは、前回俺の服を買いに来た店…とはまた違う所だった。

こういう新しく来る服屋ってなんか緊張しない?俺だけ??

まあそれは置いといて、案の定中にいたお客さんたちは全員俺と綾瀬さんを二度見する。


うーんですよね。

俺が逆の立場でも二度見するもん。


それを全く意に介さない綾瀬さんは黙々と水着を選んでいた。

俺の予想では、このまま静かに二人とも自分好みの水着を選んで終わる…と思っていたのだが———


「ち、ちょっといい…?」

「はい…って、ちょ!?」

「これとかどう……?」


急に見せるのは反則すぎん???

俺じゃなきゃ音速で鼻血でるで。


ま、まあそれは良いとして…綾瀬さんがめちゃくちゃ可愛いってことを再認識せざるを得ないくらい可愛いんだが。


今着ているのは…黒の…おふしょるだーのビキニ……?らしいです(タグ見ても分からん)

まあ答えとしては、


「だめ」

「なんで!?」


いや、自分のその刺激の強さ自覚してお願いだから。


「むぅ…じゃあこれとかは!?」

「ぉぅ…」


次の水着は、花柄の…ほるたーねっく?

"ぷるおーばー"とか"はいうえすと"とか横文字ばっかでなんも分からん。

ただ目の前にいる子が可愛いということだけは分かる、が———


「それもちょっと…」

「だからなんで!?良いじゃんこれ可愛くて!!」


可愛すぎるからダメなんよ。

結局俺が手に取ったのは、


「これとか良いんじゃない?」

「これか〜…」


フリル付きのワンピース型?の黒色の水着。

これなら露出も少ないから視界も安全だ(チキンで悪いな)。


「私ビキニの方がいいかな〜って思ったんだけど」

「俺は綾瀬さんがこれ着たら似合うと思うけどな〜」

「じゃあ買う」

「早っ!?じ、じゃあ買いにいこうか」

「あれ?みなっちはもう決めたの?」

「あー俺はあんまり水着にこだわりとかないから」

「ダメだよ!みなっちにも似合う水着とかあるかもしれないし!!こうなったら私の出番ですね!!!よーし…!」


なんかすっごい気合い入ってるんだけど……。



こうして小一時間ほど着せ替え人形にされた挙句、

「これは良い…!!」

とかなんとか言ってようやく決まった。


こんなに長くなると思わんかった。

やはり女性との買い物は体力がいるね、新たな学び。



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