第六十六話 夏休み直前
俺の誕生日からおよそ三週間が経ち、明日に夏休みが迫ってきた。
…………くっそ楽しみ。
いやね、俺の通ってる上代高校がそこそこ進学高だから模試とかも多いし、テストも相まって土日という貴重な休日が削がれるんよなあ。だから長期休暇にはドキがムネムネよ。
と、今日も今日とて教室の隅の席で外を見ながら思いを馳せております。
「やーーーっと夏休みだ〜!!!」
「綾瀬さん、気持ちはわかるけど気が早い」
「だってさー、夏休みだよ夏休み!そりゃあ楽しみってもんだよ!!」
確かにな。
まあ陰キャのワイの場合、基本家でゲームしてたまに課題やるだけなんだよなー。
「みなっちは夏休みの予定とかあるの?」
「俺?特には無いかな」
「言っても私も無いんだけどねー」
「へえ。綾瀬さんのことだから予定ぎっしり詰まってるものかと」
「いやーそれがね、あんまり友達から遊びに誘われないんだよね〜。何でだろ?」
…………どう考えてもその圧倒的陽キャオーラだと思うけど。
と、雑談しているところへ———
「おっす〜翔太!」
「なーに話してるのなぎちゃん!」
と二人が話しかけてきた。
というか珍しい二人だな。
「おう」
「こはるん!いやー夏休み楽しみだな〜って」
「まだ今日の終業式が残ってるよ?」
「校長の話だりーからはよ終わってほしい」
「分かる」
「それはそうと、二人に私たちから提案なんだけど」
「「ん?」」
二人って委員長と裕也から?本当に珍しい組み合わせだな。
「ここに行かない?」
「ここって……」
「そ!プール!!」
「この四人で行くの?」
「いんや?あの二人も行くぜ?おーい、弘治〜圭太郎〜」
と、祐也がいつもの二人を呼んでくる。
「どした?」「何〜?」
「てことで、プールにはこの六人で行くことにした!」
「いやまだなぎちゃんと湊君何も言ってないじゃん」
「あそっか。二人とも一緒に行かない?」
今更聞くんかーい。まあ答えは勿論……
「俺は全然いつでも構わんぞ、予定も空いてるしな」
即OK。
あとは綾瀬さんだが、
「私も、全然良いよ〜」
と承諾し、
「じゃあ決まりだな!っしゃ〜楽しみだぜー!!」
「じゃあまたグループチャットで日程とか色々貼っとくね」
「了解ー」
てなわけで、ぬるっとプールに行く予定が立てられた俺であった。
結構楽しみだな。
ただ、一つ言うとしたら…
(いつメンすぎる)
まあこのメンツに不満は全然無いんだけどね。
と、俺も俺で夏休みを心待ちにするのであった。
この話のタイトル全然浮かばなかったからバカ適当だけど許してな。




