第六十四話 1日遅れの男友達の誕生日祝い
「よし、全員揃ったな」
「じゃあ早速行くか〜」
放課後16:30になり男四人が校門で屯している図である。
そんなことより………
「え、行き先は?」
「まあまあついてこいって」
「そーそー、僕達に任せて!」
「お、おう」
放課後という限られた時間でどこに行くんだろうか———
と、案内された場所はゲームセンター。
「ゲーセンかい!」
「こういうのも青春だろ?」
「男だけだから華はないが」
「ま、まあそうだな…」
と言っても四人でゲーセンに来て出来ることってなんだ?
「翔太ー何したい?」
「今聞く!?……まーそうだな。俺がゲーセン来たら絶対音ゲーはやってるな」
「あのACのやつ」
「「あーけーど?」」
高瀬川は分かってるようだが、裕也と櫻川はあんまりピンと来てないらしい。
「例えばあのデカい機械とか、1プレイ100円で遊べたりする」
「へー」「見たことしかなかったわ」
「じゃあ折角だしそれ、やろうよ!」
「お、いいじゃん」
「じゃあやるか」
高瀬川はちょくちょくやってるらしいので慣れた手つきで楽曲を選択しているが、二人は何も知らないため説明を受けながらプレイしていく。
「まず100円入れて……」
と起動音がなると、
「わっ!」「びっくりしたー」
たしかにACゲーの音馬鹿でかいからな。言っとけばよかったか。
「で、エリアを選択して」
「エリアって?」
「簡単に言うとそのゲームで使えるキャラを解放する場所だな。まあそのデータを保存するカードを作らなきゃだが、まあ今はいいや。
で、OKを押したら楽曲が選べるよ。めっちゃ曲数あるから好きな曲選んでみて」
「じゃあ俺これだな(さくさくのOP)」
「じゃあ僕はこれ(人気のボカロ曲)」
「で、まずは簡単な難易度でやってみる…前にチュートリアルからやろうか」
「おっけー」「了解!」
……意外と友達と来ても楽しいな。
「楽しいなこれ」
「ね!自分の好きな曲もいっぱいあって楽しかった!!」
「そんで高瀬川は無言でキモいくらい上手いな」
「ゾーンに入っちゃってるよ」
「ん?どうした??」
「お前、ヲタク特有ののめり込み具合だったぞ」
「楽しくてついな。………あ」
「どうした弘治…あー」
「え?何?」
「ああ、結局俺たちだけ楽しんじゃってたわと思ってよ」
「いやいや、俺も楽しかったから。友達とゲーセンも楽しかったぞ?」
「なら良かったわ」
「いや高瀬川は一人で無双してただけだけどな」
「あ、もう17:30じゃん!」
「そろそろ帰るか〜」
「おう」
結局誕生日祝いらしい祝いはないな。まあ十分楽しかったからいっか。
「じゃ、俺はここで」
「あ、ちょっと待って」
「ん?」
「はい、これ三人から一つずつ」
「え、マジで?」
「タイミング分からんくてさ。まあじゃあ、これ!」
「おお…ありがとう」
「じゃあな!帰ったら見てくれよ!」
「おう!」
……俺の友達優しすぎんか?




