第六十話 湊翔太の誕生日その3
「行くって、どこに?」
「まあまあまあ、着いてきなって!ちなみに今日はいろんな場所に行くからね!!」
行き先は秘密らしい。今日の綾瀬さんなんか活き活きしてるな。気のせいか?
そうして歩く事20分。
「意外と遠かった……」
「大丈夫?荷物持とうか?」
「い、いや大丈夫だよ。心配してくれてありがと」
なんか心なしか綾瀬さんの顔が赤い。
(不意打ちはずるいじゃん!!さりげなく気を遣ってくるのは反則じゃん!!!)
「あ、着いたよ!まずはここ」
「ここって…」
「そう!カフェです!!ここ隠れた名店でね、昨日初めて知ったの!一緒に食べよ?」
あーかわいい。このかわいさを伝えられない俺の語彙力を恨むぜ。
「うん、いいね。寄ってみよっか」
「やたっ!」
「いらっしゃいませー」
入ってみたところ、白を基調とした内装で、壁には華やかなコップらしきものがたくさん並んでいる。ハッキリ言うと場違い感が否めない。逆に綾瀬さんは似合いすぎてて。
「ほら、全部美味しそうだよ!?どれにしよっかな〜」
「俺はこの店長オススメの絶品プリンにする」
「じゃあ私は関西風たまごサンドとメロンソーダにする〜!」
ベルを押し店員を呼んで注文を済ませる。
数分が経ち先に俺のプリンが運ばれてくる。
「私はいいから食べてなよ」
「いや、一緒に食べた方が美味しいでしょ?プリンは時間が経っても味は美味しいから、来るまで待つよ」
「あ、ありがと………」
(いやだから不意打ちはずるくないかなー!?一緒に食べた方が美味しいは完全にあかん!)
「こちら関西風たまごサンドとメロンソーダです。それではごゆっくり」
「じゃ、食べよっか」
「「いただきます」」
俺はプリンを一口食べ———
「う、うま……!何これ、初めて食べる味!!」
「私も!こんなに美味しいたまごサンド初めて食べたよ!そっちのプリンも一口ちょうだい!私のたまごサンドも美味しいから食べてみて!」
「へっ!?い、いいけど…」
「ありがとっ!……うまっ!?何これ!」
「じ、じゃあたまごサンドも……うっま!」
いや、美味いは美味いんだけどね?なんだろ、なんで間接キスに気づかない?いや、気付いてやって———るわけないか。こういうのは男子を勘違いさせるんですよ綾瀬さん!!
(か、間接キスしちゃったよー!もう味わかんないよ!!多分美味しい!多分!)
「ふぅ〜美味しかった!」
「俺も、満足だ。めっちゃ美味しかったね」
「じゃ、次行きますか〜」
「じゃ、お金は俺が払っておくよ」
「え、いやいやダメだよ!!折角誕生b———こほん、とにかく!これは私が払うって!」
「いや払わせるのは……」
「いやいや私が払うよ!!」
「なんで今日はそんな頑固なの!?わかった、じゃあ割り勘で」
「それなら、まあ………うーん」
なんか納得して無さそうだけど取り敢えずここは割り勘となった。
(いや湊君彼氏力高くない!?それとも私がちょろいだけか??)
「次はどこに行くの?」
「次はね〜………」
このペースでいくと誕生日パートで8話ぐらいになって色々変更点が出来たので今日は二話しか更新できなくなってしまった!!ごめんな!!
明日も二話更新だから許して!
それとぱらなの誕生日祝ってくれた人、ありがとう!
世界には女性が35億人もいるなら俺にも綾瀬ちゃんみたいな女子がいたって良いじゃないか(泣)(暴論)




