第五十九話 湊翔太の誕生日その2
まずは湊君に連絡しなきゃ、………何打てば良いんだろ。ん〜と……………
『みなっち今日暇〜?』
考えうる限り最悪の文になってしまった。
『暇じゃない』って言われたらもう何もできないし、そもそも『暇?』って、何するか言ってない時点で拒否られるかもしれない!?
やばい、ド初っ端から最高に最悪だ。今からでも消して———
『どうしたの?休日に連絡なんて珍しいね』
終わったー!もう見られたよ!!取り返しつかないよ!!!こうなりゃもうヤケだ!
『今日一緒に出掛けようと思って』
『結構いきなりだね』
ですよね!こんな急に一緒に出かけれるひとなんて居ないよね!!(泣)
『まあ今日は予定ないから空いてるけど』
………マジですか!?やった!取り敢えず一緒に出掛けれるぞ!!
『じゃあ10:00に駅前で待ち合わせね』
『分かった。準備しておく』
何はともあれ第一関門突破!
10:00まであと1時間。…………待ち遠しい。
久々に出掛けるな〜……テストが多すぎるんだ!!テストのせいだ!!!
って出掛けるんだから私服じゃん!?何やってんだ私!!誘うことに夢中で私服考えてなかったよ!やばい、これか?それともこれ??あーもうバカか私は!?えーとこれは……———
なんか綾瀬さんから外出に誘われました。
…………なんで?なんで俺???
まあ何はともあれまずは私服選びだな(選ぶっていうほど数ないけど)
そういえば綾瀬さんいつもは結構前の日から誘ってくる人だった気がするけど…なんでこんな急なの?まいっか。取り敢えずコ○ンの犯人みたいな服装にならないようにすることだけを注意して、ま、これで良いか。
ここまでの所要時間12分。
男の身支度は楽で助かるぜ。
9:20か、まだ早いけどもう行くか。
久しぶりにこうして待ち合わせして出掛けるな………そんな久々でもないか。テストのせいで休日が久しぶりに感じるんだよ!!
と、心の中でぐちぐち言いつつ駅前に着く。
ちらっと見た感じ綾瀬さんはいない。まあ30分前だから当たり前だけど。なんでちょっと見ただけで分かるのか、いたら美人すぎて目立つから。
まだ30分もあるし、ちょっとゲームでもして待つか。
「んーこれでいっか!今は…9:30!?やばいやばい早く行かないと!!」
湊君の事だから絶対早く着いてるやつじゃん!
でも走ったら汗かいちゃうから…う〜何やってんだ〜!!
急ぎ足で行くと、やっぱり早く着いてる…なんかゲームしてる。ここはいっちょ驚かせに行きますか!
よっしこれで6曲フルコン。あとは5曲で難易度30制覇だな。次はーって今何時だっけ?9:50か、もうちょい時間あるな。次の曲は〜……
「わっ!」
「うぉおお!?」
びっくりした………。ってこんなこと前にもあったな。
「ふふっ。毎回いいリアクションしてくれるね」
「したくてしてるわけじゃないけどね!?」
正直この笑顔が見れるならいくらでも驚かしてくれ。
「じゃ、行きますか〜」




