第五十七話 全教科赤点回避!?
期末テストもあと1日。今日も今日とて放課後に教室で残りながら勉強してます。あーなんか青春してんなこの感じ(陰キャ特有の勘違い)。
「なんか俺たちずっとテストしてね?模試とかもあるし高校ってマジでだるいわ〜」
「いや分かるけど口に出すな。勉強する気失っちまうだろうが」
「まあでもそうだよねー。高校って義務教育じゃないけど世間的には行くのが当たり前〜みたいな風潮あるし」
「この話続けてたらどっかの方面からなんか言われそうだからやめとこ?」
「あ〜それにしても10教科以上は多すぎるって!!何なんこの課題の量は!?」
「はいはい、これも皆がコツコツ課題やってないのが悪いんだから、過去の自分を恨んでね」
「この状況の火の玉ストレートは効くぜ……」
「んじゃ、次はこれね〜」
「いや櫻川お前鬼か!?この話聞いて平然と課題やらせようとすんなって!」
「誰が悪いの?」
「「「「俺/私たちです………」」」」
「うん、分かってるならいいよ。じゃあやろうかニコッ」
「ひっ……」
テスト日。
はあ〜憂鬱だ…早く課題とかいう制度無くしてくれ。まあやるだけやったしあとは頑張るだけか。にしてもテストで1週間って長いよなー。
全日のテストはみんなで集まり採点をした。ミスがなければ全員赤点回避だそうだ。
「やべーよ!俺たち全員赤点回避できんの!?」
「気がはえーよ。でもまあこれで一安心だな」
「いや高瀬川英語ギリだけどね。41点って大丈夫か?」
「あんまネガティブな発言はするなよ湊!点数が落ちちまうだろうが」
「何を言おうと点数は変わんねーよ」
「まあまあ、皆これで一旦は安全だね」
「僕たちも教えた甲斐があったってもんだよ」
「「「「お二人とも、ありがとうございます……!」」」」
返却日。
国語52,59、英語48,57、現代社会67と苦手な教科は全部赤点回避……って現代社会67!?
自分でもビビるぐらい取れてて思わず笑ったわ。
「翔太!どうだった!?」
「取り敢えず全教科赤点回避だ」
「俺も〜……!中間から二倍に上がった教科もあってビビったわ」
「それは元が低くない?」
「まあまあ細かいことは気にすんなって!他のやつも大丈夫か聞いてこようぜ」
「おう」
「綾瀬さん!テストどうだった!?」
「勿論赤点……回避ですよ!」
「ナイス!!」「やったじゃん」
「二人ともありがとー」
「俺もないぜ!!」
「高瀬川!」
「これを見よ!!」
………ん?英語40点って、ギリじゃねえか!
「あぶな!」
「いや帰ってきた時冷や汗かいたわ」
「まあ何はともあれ全員補習なしだね!!」
「っしゃ〜自由に出来る夏休みゲットだぜ!」
「何言ってんの裕也。部活の試合だらけじゃん」
「…………終わった」
スポーツができるやつも苦労するんだな。
とにかく、何にも縛られない夏休みを確保できた安心感やべえ。




