第四十九話 男友達と外出part3
そうして裕也に連れて行かれた所は…スポーツからゲーセンまである複合エンタメ空間のR○UND1である。
「よし、じゃあまずは何すっかな〜」
「せっかく来たんだし色んなとこ回ってこうよ」
「そうすっか〜。さっき部活でもう疲れたからスポーツはもういいぞ?」
「わかったわかった。じゃあ最初はバスケでもすっか!!」
「いいね」「いいぞ」
「誰も俺の話聞いてねえ…!!!」
と言うことで最初はバスケになった。
チーム分けは『裕也&俺』と『櫻川&高瀬川』な訳だが……
「ちょっと待て、高瀬川チート使ってないか?体力ゲージが減らないチーターか??」
「いやほんまそれ。弘治ちょっとは手加減してくれ〜」
「チートは使ってないし、俺的には手加減してるつもりなんだけど」
「いや、僕から見ても高瀬川君がチートを使ってるようにしか見えない」
「味方にすら疑われてんだけど!!」
経験者が高瀬川一人だけなこともあって、チームバランスは壊滅的だった。
まあ、結果的には楽しめたからいいか。
30分ほど経ってバスケは一旦終了した。
「次どこ行く〜?」
「あ、僕あれやってみたい」
「へ〜『バッティング』か。いいじゃん!やろーぜ!!」
「おう。でも櫻川がこれやりたいって言うの珍しいな」
「だってバッティングってこういう機会にしかやらないからね」
「分かる。こういう施設にしかないやつはやりたくなるやつな」
「じゃあこれは経験者いないし…賭けでもしないか?」
「「「賭け??」」」
「ルールは簡単。打った回数が一番少なかったやつが他の三人に飲み物を奢る!出てくる回数は全員20回な」
「いいね!」
「たしかにそういう賭けがあった方が盛り上がるしな」
「言っとくけど俺マジガチで行くかんな?」
一人目は高瀬川。
「っし、全部ぶっ飛ばしてやるぜ!!」
元々バスケ部で球技に慣れているのかは分からないが、結構な当たり具合である。記録は4球。
いやこいつコツ掴むの早すぎじゃね?普通初めてだったら1球とかじゃないん?
二人目は裕也。
「実は小6までは野球やってたんだよな」
「え!?じゃあお前この勝負有利すぎんか??『経験者いない』ってさっき言ってたじゃねえか!!」
「あ〜『(俺以外)経験者いない』だったわ。いやーめんごめんご」
「卑怯だ!!」
「圭太郎、この世には不条理が付き物だぜ?」
「かっこよく言ってるとこ悪いが、卑怯であることに変わりはないからな?」
と、不正の疑惑があったものの取り敢えず続行し、結果は13球。うん、なんか腑に落ちねえ。
三人目は俺。
球技は得意でも苦手でも無いが、バッティングはやったことが無いので少々楽しみだった。
スピードは前の二人と同じ100kmにしているのだが…
「はっや!」
「おいおい振らねぇと当たんねえぞー」
「いやこれ速すぎじゃね?当たる気がしねぇんだが」
「慣れだ慣れ」
「高瀬川、改めてお前チーターだな」
「いやだからちげーよ!?」
15球ほど流れたが、かすりすらしない。残り5球か…。
こうなりゃヤケだ!フルスイングして気持ちよく終わろう!!と、残り5球は玉もろくに見ずに振っていると
カキーン♪
と、気持ちのいい音が響いた。………え?なんか当たったわ。
「お、翔太は1球か。当たっただけすごいぞ」
「じゃあラストは櫻川だな」
「う、うん…頑張ってくるよ……」
ラストは櫻川。
櫻川は俺と同じ、もしくはそれ以下の筋力しかないため、バットを振るのでもう精一杯って感じだ。
四人ともバッティングを終えて…
「買ってきたよ皆〜」
「サンキュー」「あざーっす」「あざっす」
「もう〜皆上手すぎ!僕だけ一球も当たんなかったし!!悔しいから今度練習してやる!」
櫻川、意外と負けず嫌いなのか。
まあ俺のはまぐれだったから実質引き分けみたいなもんだけど。




