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クラスの地味キャラも恋をする  作者: ぱらな
第1章 高校一年1学期
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第四十五話 帰り際のプリクライベント

水族館から出て、電車の時間5分前に駅に着く。


「意外とギリギリだったね」

「それはなぎちゃんが寄り道してるからじゃん!」

「ごめんごめん。来たことないとこってこう、ワクワクするじゃん?」

「まあ分からなくも無いけど」

「てかまだ16:00なんだ。次どっか行く予定とかあるの?」

「えーと…今のところ特にはないよ〜」

「じゃあさ、ゲーセンに寄ってかない?」

ここで唐突に綾瀬さんがゲーセンの誘いを持ち出す。

何かしたいことでもあるのだろうか。

「良いけど、なぎちゃんはそこでしたい事でもあるの?」

「まあね。ついてきてからのお楽しみ!」

綾瀬さん、何かと秘密にしたがるよな…まあ楽しそうだから良いけど。


その後は一旦みんなが待ち合わせしていた駅に戻ってきて、その付近のゲーセンに行く。

綾瀬さんがしたいことって何だろ。

「よし、着いたね!じゃあプリクラ撮ろっか」

「はい?!」「え!?」

俺と茨実さんは思わず声を上げる。ん?綾瀬さん今プリクラって言った?言ったよね?………いや俺とプリクラ撮って何がおもろいねん!

茨実さんは美少女だから映えるとして俺は何なんだ。どう考えても二人でとったほうがいい絵になること間違いなしなんだが…。

「二人と何でそんなびっくりしてんの?」

「いやびっくりするよ!/しますよ!」

「茨実さんはいいとして、俺も撮るの?」

「あったりまえじゃん!ほら早く早く!!」

こうして案の定綾瀬さんの強引さに二人は敵うはずもなく、プリ機の中へ入る。入る時に何人かの人に『何だあいつ』みたいな視線が痛かった。



プリ機の中は真っ白…とかはどうでもよく、思ったより狭い。そのせいで二人とも自然と距離が縮まる。二人の美少女に挟まれる陰キャがいようか(反語)。

うわ〜女子特有の甘く良い香りが充満してるよ(決してこれはキモくはないただ事実を言っただけだ)。


「ほら二人ともポーズとって!」

「「どんなポーズすれば良いか分からないよ!」」

「じゃあちょっと調べてみるね…えーと、可愛く撮れるポーズは…っと」

「いやもう一回目のシャッターが———」


パシャ♪


という音が鳴り一回目の写真は…ただみんなの焦った顔が写ってるだけ。それでも可愛い二人は天使か何かかな?

「あ、ほっぺに指をツンってやるのが良いんだって」

「じゃあそれやりましょう」

「それ、俺もやんの?」

「もちろん!」


パシャ♪


次は三人でほっぺを人差し指でツンとしているのをシャッターが捉えていた。………いや、良いんだけどね?俺いらんわやっぱ。二人可愛すぎて俺邪魔してるわ。今からでも遅く無い。出よう。

「よし、次はガオーってやってるポーズね」

「分かりました、やりましょう」

「なんか茨実さんノッてきてない?」

ノリノリな二人に押され最後も一緒に撮ることになってしまった。

冷静に考えて女子2、男子1でプリクラしてるこの状況おかしすぎない?てか今日の出来事全てがおかしいまである。


「は〜い、みなっちもガオーってやろ?」

「ガ、ガオー」


パシャ♪


3パターンの写真を撮って後は加工する。ここは女子力の高い綾瀬さんがそれっぽく加工する。

「ほら、小春っちもみなっちも一緒にやろ」

「「う、うん」」

茨実さんは改めて自分の写真を見て恥ずかしがっている。さっきはあんなノリノリでガオーポーズしてたのに、と掘り返すのは良くなさそうなので口にはしないが。

2分ほどで加工し終わって出てきたプリクラは、まあ普通に可愛かった(俺以外)。

「というかなんで突然プリクラ撮ろうと思ったの?」

「確かに。なぎちゃんにしては珍しいね」

「まあ、今日の思い出作りみたいな感じ。あと、私もやったことなかったからやってみたかったの」

「相変わらず突拍子もないね」

「そこがなぎちゃんらしくもあるんですけとね」

「それは言えてる」

「ちょっと!それどーゆーこと!!??」

と、不満の声を上げる綾瀬さんに思わず二人で声を出して笑った。自分で気づいてないのがまた怖いな。



と、そろそろ良い時間ということもあり、解散の流れだ。

「今日は楽しかったですね」

「そうだね。水族館なんて久しぶりに行ったよ」

「私も〜!お魚さんたち可愛かった!!」

「それは良かったです、それとプリクラも初めてやりました」

「なんで俺はこの二人の間にいるんだとずっと思ってたけどね(あまりに二人が可愛すぎて俺いらないんだよなあ)」

「でもみなっちも楽しかったでしょ?」

「まあ、それなりに」

「それは良かった。あ、みんなも持ってる?プリクラ」

「あるよ」「私もここに」

「今日の記念はこのカプリウムコレクションとプリクラだね」

このプリクラは俺を切り取って二人のプリクラだったってことにしようそうしよう。俺がガオーポーズしてるのキツすぎて見れねえぇ!!

「じゃ、また月曜日ね〜」

「お二人とも、お気をつけて」

「茨実さんも綾瀬さんも気をつけてね」

こうして土曜日の外出が終わった。内容が濃すぎてまだ土曜ということに驚く俺であった。

がしかし、こういう良い日を過ごした後に『課題』っていう現実が襲ってくる。

ま、明日やればいっか。今日は遠出もして疲れたし、風呂入って寝るか。


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