第三十七話 捨てた課題と新たな出会い
と、言うことでね!1日の内の3時間も内職してやったぜ!!!(誇るなバカがバレる)
お陰で80%くらいは終わった。後は家に帰って残り20%を終わらせれば完璧だ!我ながら完璧すぎる!!
…………って、なりたかったぜ。
実際のところは、40%くらいしか終わってないんだなこれが。マジでどうしよう。ゲームできないって言う事実がほんまにきつい。
こうなったら、最終手段!
提出期限の甘い先生の分野だけ後回しにして、確実にやらなきゃぶち○される先生のとこだけでもやろう。悪知恵の働く高校生なら思いつく極悪な案である。
ピロン♪
ん?なんだ??
『メイ&アリサの新衣装が実装!本日18:00から新イベント開始!!』
よし、課題は捨てよう。
って待て待て!?新衣装実装!?!?やべえよ。この前の体育祭の後、ヘロヘロになりながらアリサ様の新衣装解放したのにもうかよ!
……ありがとう運営様ぁ!!!!!
アリサ様がいればモチベ爆上がりだぜ!!
こうなったら今ここで課題終わらせて、家帰って速攻周回しようそうしよう。
「おい!見たかよ!!予告なしの新イベ解放!!」
「おうよ裕也!今通知きて見た瞬間テンション爆上がりしたわ!!」
「どうする?これ2人以上でしかイベント回れねぇらしいんだわ。夜一緒にやるか?」
「マジか。お前の実力がわからんからなんとも言えんけど、2人はいるし…仕方ない、やるか」
「言っとくけど結構やり込んでるからな?」
「へえ〜部活とか色々あってあんまり出来てないのかと思ってたわ」
「そんなもん投げ捨ててメイちゃん第一優先だろ」
「覚悟がちげぇ…多分投げ捨ててるやつも拾った方がいいとは思うけどすげえわ」
そんな感じで夜の予定も決まったことだし、放課後は教室に残って、課題終わったら家帰って夜はゲーム。
よし、完璧な計画だぜ。
「ねーねーなんの話〜?」
「わっ!あ、綾瀬さんか…」
「びっくりさせちゃった?めんごめんご。それより長谷川くんも珍しく鼻息荒げてどしたの?」
おっと、長谷川に話題を振ったら—
「なんの話をしてたか?だって?愚問だね。もちろん今オンラインゲームの最前線を往く『一味同心』についてさ!」
多分文字に起こしたらこんな感じだろう。早口すぎて全く脳まで届いてない情報がてんこ盛りで、早くも「長谷川くんに話題降らなきゃよかった…」とか思ってそうな顔をしている綾瀬さん。
熟可哀想だ。助け舟が必要そうだな。
「おい、早口すぎて何言ってるか全然わかんねぇわ」
「え?マジ??じゃあもう一回言うね。『一味同心』っていうオンラインゲームの魅力は—」
「違う違う♪そうじゃ、そうじゃな〜い〜♪」
「なんでそこで鈴木○之」
「綾瀬さんがこのネタを知ってるなんて!」
「いや何この会話」
裕也のツッコミによってさっきのマシンガントークは止まったが—
「つまり、何を話してたの?」
まあ、そうよね。根本的な解決には全くなってなかったし。
「まあ、簡単に言うと…顔も知らん人と一緒にマッチングしてゲームするんだよ」
「なんじゃそりゃ、それって本当に楽しいの?それだけ聞くとそんなに魅力を感じないんだけど」
いやいや違うんだよ綾瀬さん!!オンラインでは人と関わる事なくゲームが出来て、ただ純粋にゲームを楽しめる!しかも複数人で!!こんな教室の端で小説(主にラノベ)読んでる人でも気軽にできるし最高なんだぜ!!!
おっと心の中だけでこんなに語っちまったぜ。
「まあ、それ以外にも自分の『推し』を見つけたりしたり—」
「推し!聞いたことあるその言葉!!!!」
「あ、聞いた事はあるのね」
「それで!2人の推しってどんなの!?」
妙に『推し』って言葉に反応するな綾瀬さん。
「吾輩は生涯愛すと決めた、この『メイちゃん』さ!!」
あ、なんか興奮しすぎて語尾おかしくなってるわあいつ。
「へ〜花嫁衣装…可愛い!」
「お主、この衣装の良さがわかるでござるか!?」
「このちょっと出てる細い足と二の腕、最高!」
「分かる、分かるぞ!」
なんか2人で盛り上がり始めてるわ。
「よし!じゃあ私もそのゲームやってみたい!」
「え?あーそういう展開か」
「綾瀬殿、今日は拙者達、イベントがござって…」
所々言葉がおかしいところがあるが気にしないでおこう。こいつはこうなったら止まらん。
「そうなの?じゃあ私もパーティに入れてよ!」
「まあ人は多いに越した事はないし、いいよ」
「やった!じゃあそのイベントってやつはいつから?」
「今日の18:00からだね」
「うむ、拙者はこの時間まで極限までレベル上げしてるでござる」
「私は20:00まで課題やるから途中から入ってもいいかな?」
「問題ないでござる」「大丈夫だよ」
「よかった!じゃあまた後で!!じゃ!」
そうして今日の夜は3人でイベント攻略をすることになったんだけど…このゲーム、大分操作むずいけど大丈夫か?スマホゲーではあるけど酔ったりもするし…ま、大丈夫か。今はとりあえず俺もレベル上げしておこう。
………綾瀬さん、意外と真面目なんだな。
俺達とは大違いだな。
「ん?どうした翔太」
「あ、元に戻ってる。いや…俺たちって、バカだよな」
「いや急にどうした!?」
いやこいつ二重人格かよ。
久しぶりに書いたら長くなりすぎた、スマソ( ・∇・)




