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クラスの地味キャラも恋をする  作者: ぱらな
第1章 高校一年1学期
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第三十五話 体育祭後の湊家

体育祭が終わってからは、いつも通り歩いて帰宅する。足が棒になるどころか爪楊枝くらいになってるわ(分かりづら)。


「ただいま〜……」

「あら翔ちゃん、おかえり。大分疲れてるわね」

「お、翔太。おかえり。今写真のフォルダ整理してたんだけど、どれも削除したくなくてさ〜」

「どんだけ撮ったんだよ!20万もするカメラの容量パンパンになるって相当だぞ!」

「……………拓磨さん?20万のカメラってどういうことかしら?」

あ、母さんが父さんを『あなた』じゃなくて『拓磨さん』っていう時は、大体キレてる時だ。

ちなみに拓磨ってのは俺の父の名前だ。久しぶりに聞いたな。ってかなんでむだんで20万のカメラ買ってんだよ、バカじゃん。親バカじゃなくてバカじゃん。

「おい、翔太!どうにか誤魔化してくれ!!(小声)」

「いや無理だって。事実だし」

「た〜く〜ま〜さ〜ん〜〜???」

「ひぃぃ!!」

あ、これは先に二階の自室に逃げておこう。

「おい!翔太!!翔太〜!!」

父の情けない声を後に、自室に逃げ込む。

今頃父が母にこっぴどく怒られてる頃だろう。

……前もあったな、こんな事。保育園のお遊戯会の時にカメラを買って、小学校の運動会にも買って……いや馬鹿すぎる!!今知ってるだけで3台も買ってんじゃねぇか!!

これも母さんにちくってやろうかな。あの様子だと今回が初めてだと思ってるっぽいし。



………………ん?そういえば写真って容量パンパンになるまでって—


ってやばい!絶対要らん所まで撮ってるなあの親バカ!!!一旦さっきのカメラ取り上げてくるか。




そうして一階に降りた俺の視界に飛び込んできたのは、父が母にヘッドロックされてる姿だった。


……母は怒らせないようにしよう。

そう肝に銘じつつ、父のカメラのフォルダを確認する。

「おい翔太!大事な写真だけは削除するなよ!!絶対にだ!!」

とヘッドロックされたままの父が言う。何とも情けない姿である。

「わかったわかった—」



って何じゃこれ!!!???もはや俺の一日をずっと撮ってたんかってくらいの枚数!!この写真たちを現像してパラ〜ってめくってったら、パラパラ漫画みたいに俺の位置が辿れそうなくらいの枚数、キモい。控えめに言ってマジキモい。しかも高画質なのがめっちゃ腹立つ。


「取り敢えず俺の父はキモいって事は分かった」

「そんな引かないで!!たかが1000枚くらいじゃん!」

「いやキッモ」

「翔太〜!!!」

最後までヘッドロックされたままの状態で虚しい声を響かせる父であった。

いや高画質で1000枚って20万以上の可能性も…いや、これ以上考えるのはやめよう。頭が痛くなりそうだ。

今日も湊家は平和だな()

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