第三十三話 終わった…と思ったら『あれ』があるやないかい!!
やっと終わった……
「よし、全員片付けありがとうな!あと1時間後にフォークダンスあるから準備しとけよ!」
…………え?あ、そんなイベントもあったような—
ってマジか!!??
今からかよ!しかも皆汗かいてるから嫌そう。まあそりゃそうだわな。異性から汗の匂い嗅がれるの嫌だよね分かるわ(そんな経験は一度たりともないけど)。
ってかその間の1時間なにして過ごせばいいのか。
帰りて〜。フォークダンスなんて、体育で見てちょっと練習しただけだからなー(その時の練習は男子同士だった、誰得やねん)
「ういっす〜」
「おお、翔太—じゃなかった」
この口調は翔太かと思ったが、振り返ると同じ騎馬だつた高瀬川だった。
「なんでちょっとがっかりしてんだよ!」
「いやしてないよ?そっちから俺のとこに来るのが意外だったから」
「ああそゆこと。別に用があるって訳じゃないけどな。1時間もなにしてれば良いんだよーと思って。話し相手には適任そうなお前に話しかけただけ」
「何したら良いか分からなくなるのは同感だけど、俺が話し相手に適任は違うだろ」
「そうか?アニメとか小説読んでそうだし、馬が合いそうだな〜って思ってたんだけど」
「え!?高瀬川ってそっち系!?!?」
言った後に『絶対これ失礼な発言だったわ』と思ったが—
「そっち系が何かは知らんが、ヲタクの一歩手前くらいだぞ」
「自分で言ってる奴は大体ヲタクやでそれ」
新事実!!高瀬川はヲタクだった!!!!
マジかよ!てっきり陽キャ特有の『お前そんなもん見てんのかよ』的なことを言う側の人間だと思ってたわ。ホントすまん(心の中で土下座)
それからは—
「わかる!あの佐倉ちゃんの饅頭勝手に食べたのがバレた時のあの顔、マジ可愛いよな」
多分周りから見たらだいぶ変な奴に思われてるかもしれないがそんなものは関係ない。このゾーンに入ったヲタクを止められる者は同じヲタクだけだ!!
…名言出ました。
「ういー。なんか楽しそうじゃん!」
「お、翔太か。今『さくさく』の話で盛り上がってた所だ」
「あ〜俺まだ2巻までしか読んでないんだよなー。でもあれは1巻読んだだけでも分かる…神作品だってことがよ」
「2巻までしか読んでないなんてまだまだだな。それだと俺らのレベルに追いつくのは至難だぜ?」
「多分そのレベルは追いつかなくて良いやつっぽいな」
その後は、翔太ともヲタク話に花を咲かせ、1時間はあっという間に過ぎ去った。
そういえば櫻川は…いやあいつめっちゃモテてるやん。周りにすげぇ女子いるし。まああの顔なら納得だけどな?そういえば今からフォークダンスなのを思い知らされたわ。
いや女子に囲まれてるんならもっと良い顔せぇ!周りの男子が鬼になろうとしてるぞ。




