第三十二話 体育祭終了
『二年生へとバトンが渡る』とか言ってたけど、正直二年、三年の選手の名前がどうとか全く分からんから何も言えん。
強いていうなら、緑団の圧勝だった ってことくらいか。
「いや全然嬉しくなさそうやん」だって?(どっから聞こえてんだよ)
まあ嬉しいっちゃ嬉しいよ?ただ一年みたいに手に汗握る展開があったかと言われると…。
つまるところ、二年からは緑団の独走だったんだよなぁ。他の三つの団で戦ってて、先頭の選手は自主練でもしてんの?ってくらい周りに誰もいなかった。もうなんかAT○ィールドでもあんのかってくらいに。(エ○ァネタ多くね?俺)
特に目立ってたのは我らが応援団、大島先輩。女子からは黄色い歓声が、男子からは痛そうな視線が。
いやイケメンだからって嫉妬すんな。
そうして閉会式が始まる。
順位発表以外の時間要らんくない?こう思うのは俺だけじゃないはず。
「競技の部の結果は—」
「緑団優勝、二位黄団、三位赤団!」
まあ、そうだよな。リレーの順位=競技の部の順位ってくらいに競ってたし。
「では続いて応援の部を発表する」
あ、そっか。応援もあったな。
「優勝は—」
「「「……」」」
三年生が固唾を飲んで緊張しているのが分かる。まあ高校最後の体育祭だからなぁ。俺も三年になったらそうなるのかな。
「青団!」
マジかよ!とはならない。何故なら見た瞬間に「すご」って素で思ったくらいだし。
ってかそうなったら総合優勝ってどうなんだろ。
「総合優勝は………」
「青団と緑団の同点!」
へぇー。てっきり単独優勝かと思ってたわ。
「マジかよ、ボゴボコにしてやろうと思ってたんだがな」
「跡形もないくらいにやってやりたかったんだけどな〜」
いやすんごい発言が緑団の団長と青団の団長から飛び出てんだけど。怖。
犬猿の仲なんかな?
そんなこんなで閉会式も終わり、体育祭が終わったところでテントを片付けていく。片付けていく度に体育祭が終わるんだな〜と実感する。
「わっ!」
「うわ!!なんだ綾瀬さんか」
「こんなことするの私だけでしょ?」
「俺が綾瀬さんに対するイメージそれで良いのか…」
「ってかさ!同点って超〜悔しくない?ね!?」
「そうかな。一位だから良いって思う派なんだけど」
「ふ〜ん、つまんないの」
え、この考え方つまんない?
「もっとボゴホコにしてぶっちぎりの一位の方が気持ちいいじゃん!」
「あ、そういうこと」
ん?なんか今の発言に既視感が…。
「はい早く片付けに戻ろ!」
「いや綾瀬さんが引き止めたんだけど…」
あ、無視された。綾瀬さんは都合の悪いことがあったらスルーするタイプの人だ。
また新たな一面を知れたところで片付けも終わり、高校初イベントに幕が下ろされた。




