第三十一話 最終種目 リレー(一年生)終了
スターターピストルが良い音を鳴らしながら第一走者がスタートする。先程「告白します!」宣言をした裕也が、他の運動部らしき筋肉もしっかりついてる人もいる中、他の追随を許さぬと言わんばかりにぐんぐんとリードを伸ばす。
裕也が走り終わって、第二走者の人へバトンが移る。
第二走者は……ごめん分からん。女子に興味がなさすぎて顔を見たかどうかすら怪しい。まあそれは置いといて、この女子も結構早いが、他の団の女子にすこ〜しずつリードが縮められている。が、依然として一位のまま第三走者にバトンが移る。
第三走者は……高瀬川じゃん!確かに騎馬戦のメンバーで見た時、「運動全般は得意そう」っていうイメージがあったけど。しかも結構速いな。走るフォームで陸上部では無いんだろーなと思うが、裕也とまでは行かないまでも、他の運動部よりは速い。やっぱ運動できる人はカッコ良く見えるなぁ。少しずつリードを伸ばしつつ第四走者、第五走者と続いていく。
そして一年緑団のアンカーは、綾瀬さん。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とはよく言うが、今の綾瀬さんを表現するなら『走る姿は月桂樹』とでも言おうか。
今の綾瀬さんは、『リレーそのものを楽しんでる』という感じで、疲れより楽しさが勝っている。笑顔と共に綺麗な走りを見せつつ—
後半は失速するどころかスピードはぐんと上がり、他選手とのリードがさらに広がる。
そのまま一年生は緑団をトップとして二年生へとバトンが渡る。




