第二十八話 第三種目『応援合戦』,第四種目騎馬戦
昼休憩も終わり、結構気温も上がってきた頃…今から応援合戦である。まだ5月下旬なのにだいぶ暑い……これ夏にやってたってマジ??溶けるて。
あ、暑苦しそうな人が来た(大失礼)
「今日までやってきた練習の成果、ここにいる全員に見せて、さらっと一位もぎ取ったろうや!」
と相楽団長がみんなの士気を高める。
「「「おぉー!!」」」
かなり強気だな…まあやる気はあるに越したことはないが。
「円陣組んで掛け声なんてどうかな?」
と爽やかイケメンの大島応援団長が言う。
「いいな!!よし円陣を組め!」
「誰かプラスドライバー」
「そのエンジンじゃねぇわ!!」
先輩たちのそんなひとくだりもありつつ—
「準備はいいかー!!」
「「「おぉー!」」」
「…………メロンパン食べたーい!!!」
大声で音頭取ればなんでも良いわけじゃないよ!?それっぽくなってるのが余計に面白いし。
そうして応援合戦が始まった。
緑団の応援はかなりアクロバティックだ。全体での移動や振り付けがとにかくハードで体力がごっそり持ってかれる。その代わり一致団結して出来れば見栄えはかなり良い。先輩たちが考えたオリジナルの振り付けも難しい事に変わりはないが、リズミカルでみんなもノリやすい。これを学ラン着ながらとか、頑張りすぎじゃね?
そうしてハードな応援を繰り広げる事約5分。
ようやっと終わりが差し掛かって、気を抜かず最後も決め切ってフィニッシュ。
あー、肩の荷が降りるってこういう事なんだな。
終わった瞬間フラストレーションから解放されて今ならなんでもできる気がしそうだぜ!(なんでもできるとは言ってない)
他の団の応援も遠い後ろで見つつ全団のパフォーマンスが終わる。
「お疲れー!!顔から疲れが滲み出てるけど」
「綾瀬さんか…いやもうやり尽くしたんじゃないかってくらい疲れたよ…」
「わかる〜。でも今から『騎馬戦』だよ?」
「地獄じゃん。地獄超えて天国超えて地獄じゃん」
「ちょっと何言ってるかわかんない」
「急なサ○ドウィッチマン」
「ツッコミの元気はあるんだ」
「ツッコミは脊髄反射みたいなもんだよ」
「周りに順応しすぎてて怖い」
これは分かる人には分かるやつ。意識せずともボケる人が周りにいっぱいいたら自然と突っ込んじゃうよね。
と、そんなことは良いんだよ。
残る1競技の『騎馬戦』後10分で始まるやん!
「じゃあ行ってくる。それなりに頑張ってくる」
「そこは全力で、でしょーが!ま、頑張って〜。私横から応援するから、『湊くーん!勝ったら付き合ってー!』って」
「それ男子の目が刃になって騎馬戦どころじゃなくなるからやめて!」
そうして父がカメラを磨く姿を尻目に待機場所まで向かう。いや、だからそれプレッシャーだから!!
本当、俺の父(親)バカだな……。




