第二十一話 テスト終わりからの体育祭(地獄)
テスト始まる前はめっちゃ長く感じるのに、いざ始まったらものすっごい短く感じるよね。なんなら時間もっとくれ!ってなる。時間配分まで考えておくべきだったな。あ、あとちょっとでこの問題書ききれるのに…
キーンコーンカーンコーン♪
うーんちょっと消化不足……。まあ点数的には悪くないだろ。
そうして1日目のテストが終わった。
今更だけど体育祭と定期テストでイベント被せるのやめて欲しいわ。このテストが終わってももう一山あると思うと気が抜けねぇ…。
「みなっち!テストどうだった!?」
「まあ割と行けたかな。埋めたところは合ってると思うけど、時間がちょっと足りなかった」
「わかる〜証明とか書ききれなかったよー」
「俺も混ぜてくれよ!ってか俺が教えたとこめっちゃ出なかったか!?」
「マジであれは助かった。テスト受けながら『裕也神かよ!』って思ったくらいだわ」
「ね!エスパーで先生の作った問題知ってたんか〜!ってくらい勉強したところから出まくったし!!」
こいつならワンチャンあるな。
「それを言うなら綾瀬さんの言ってたところも出て助かったよ!」
「えへへ〜ありがとっ!」
うっ!眩しいくらい良い笑顔だ…!この顔を毎日拝めれば気力カンストできる気がするぜ。
「でもまだ1日目だからね!あと2日間もテスト受けなきゃ!」
「マジで地獄じゃん…まあ面白くない授業を受けるより100倍はマシだけど」
「お前、相変わらずマイペース過ぎな…」
あと残ってる教科は、英語の文法&長文読解+単語、現代文、化学、情報の5つか…まあそんな苦手じゃない教科ばっかだからなんとかなるか…っていう油断が一番良くないな、ちゃんと復習しておこう。
そうして二日目、三日目も無事に手応えを感じながらテストを終えた。
「や〜〜〜〜っと終わった…!遂にテストという地獄から解放されたんだ!!ゲームし放題だー!!!」
こいつ、絶対家帰ったらオンラインゲーム徹夜でやるんだろうな。
「あはは!長谷川くんどんだけテスト嫌だったの!」
「そりゃもう一日中『勉強しなさい!』って母親に言われてるくらいだな!!」
微妙に分かりにくい例えだな。
「って言ってもまだ体育祭もあるけどね!しかも明日から練習もあるし」
「マジかよ!今日徹夜でゲームしたろうかと思ってたのに!!」
ほらな、想像した通りだった。
「でも体育祭は楽しみなんだろ?」
「あったりめぇよ!こんな一大イベントで起こることといったら…」
「「いったら?」」
「彼女が出来る!!」
勿体ぶってそれかよ!分からんくはないけども。
「てか明日の練習って何?」
「んーと、確か明日は…行進だったかな?」
「いっちばん面倒くさいのに見応えのないやつ!!なんで行進なんて練習しなくちゃならねぇんだよ!そんなんやってるくらいだったら告白のセリフ考えてた方がよっぽど有意義だわ!!」
それはお前だけだよ…
「マジそれな!」「めっちゃ分かる!」
あれ?そんなことなかった。周りの男子が同志を見る目で裕也のこと見てる。
何故か分からんがすごいアウェイ感を覚える……。
彼女が欲しい男子の熱意、凄まじいな。アニメで目が炎になる演出あるけど、それに似たものを感じる。
「男子って馬鹿だね」
「綾瀬さんにまで言われたらもうお終いだろ」
「お前らはこっち側じゃねぇのかぁぁあー!」
「長谷川うるせぇ!席に着け!!」
こいつ改めて思ったけど馬鹿すぎるな。教室で出して良い声量じゃねぇよ。




