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クラスの地味キャラも恋をする  作者: ぱらな
第1章 高校一年1学期
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第十一話 彼女いない歴=年齢の俺による女性のエスコート

こうして、休日に俺が外出、しかも隣に女子がいると言う世にも奇妙な光景が繰り広げられていた…なんか自分で言ってて悲しくなってきた。

というかこの前は放課後にどっか行くだけだったから気にしなかったけど、今日は「休日の外出」という特別な意味を持つ行動、しかも女性とだぞ!?無理無理無理無理……と思ってた時期が僕にもありました、ってか今もその時期だけど。

こういうのって「レディーファースト」とかいう言葉があるからなんかエスコートでもする義務があるんだろうなと思い、昨日エスコートがなんなのか勉強してきたぜ!!

「女性 エスコート 仕方」って打ったら……「結婚のパートナー」とか「デートの時は—」とかそもそも男女の友情なんてないと言われているような検索結果で「あ、これ、全然参考ならん」ってなったわ(母さんに聞くという手もなくはないが、絶対にからかわれるor変に勘繰るかだからやめた)


「そういえばさ」

「ん?」

「みなっちの家って門限とかある?」

「いや、特にはない、俺ん家、けっこう自由だし」

「そ、ならよかった、ちなみに私の家もあんまり厳しくないんだ」

「そうなんだ、あ、でも最初から夜遅くまで外にいようとするのは無しね、極力遅くなる前までには家に着いておこう」

「ちぇ〜、遅い時間に外にいるあの背徳感がいいんじゃん」

「完全にやったことある人の発言だよね…」

まあそんなこんなで映画館に着いた。

「よし、じゃあ入ろうか」

「ちょいちょいちょい!チケット買わないと入れないじゃん!」

「あ、大丈夫、もう予約しておいたから」

「へぇ、そうなんだ、意外…」

「意外とはなんじゃ?こう見えて根は真面目で紳士なのに」

「ごめんごめん、そうじゃなくて、『このお出かけに乗り気なのが』意外って意味だったんだけど…」

はい、清々しいくらいの勘違い、○にたい。しかもサラッと俺の面白くもないボケもスルーされたし、いや?面白くないならスルーされて良かったのでは……

ん?なんか綾瀬さんがにやにやしてる、あ、嫌な予感が—

「へー、この前提出物全く出さずに先生から怒られてたのに真面目、ねぇ…」

「う、それは掘り返さないお約束」

「そんな約束いつした?」

「はいしてませんすいませんでした」

「わかればよろしい」

そんないつもの空気感で映画館に入る。

久しぶりに入る映画館は思ったより綺麗で、かなりの人がいる、まあ人気だしなこの映画、一回予約しようとしても売り切れてたくらいだし。予約しておいて良かった。

「映画ってさ、映画泥棒流れたらもう始まってる感あるよね」

「わかる、そのあとの広告とか誰が見てんねんってやつあるし、流石に失礼か」

「あはは、失礼だけど確かに共感できる」

ちなみに、俺と綾瀬さんはキャラメルのポップコーン2つを頼んだ。なんかポップコーンを映画中に食べるのは音が出て映画の邪魔になるから嫌っていう人もいると思うが、ごめんな、食べたいんだ。静かなシーンに食べててうるさいというなら分かるけどね。確かに、あの映画館で味わう感動シーンにポップコーン味わってる人がいたらキレるかもな、あれ?もしかして俺短気?

「一応言っておくけど、私こっちにドリンク置いてるからね?」

「了解、流石にそんなベタな間違いはしないよ」

っと、そろそろ始まるな。

「「「……」」」



—そうして約2時間ほどして映画のエンドロールも流れ終わった頃…

「こ"わ"か"った"ぁ"ぁ"あ"!!!(泣)」

「今の綾瀬さんの声の方が怖いよ、まあでも昨日の連絡でなんとなく苦手なんだろーなとは察してたけど」

ちなみにその昨日の会話は—


『俺個人的に観たい映画あって…その、ホラーなんだけど大丈夫?(無理はしなくていい)』

『いや?大丈夫だけど?いこ!』


こんな感じで明らかに無理してる感じだった、痩せ我慢というやつだ。普通なら「やっぱやめとく?」とか自然に回避するんだろうけど、あいにくそんな技術など俺にはなくてな。まあ、弱々しい綾瀬さんを見れただけで俺得なんだけどな(誰もキモいとか言うなよ?マジで)

よし、俺のリクエストのターンが終わったところで、次はどっかいろいろ見て回るんだったな。

「綾瀬さん?映画も終わったことだし、次は色んなとこ見て回ろうよ」

「うん…」

あ、まだ泣いてる…本当に怖かったんだな、止められなくてごめんよ綾瀬さん。

「はい、ティッシュとハンカチ、これで涙と鼻水拭いて」

「うん……、みなっちが紳士なのは本当なんだね…」

これで紳士なら世の男大体が紳士になると思うけどなぁ、ま、なんでもいいか。

「…私行きたいところあるの」

「へぇ、どこ行きたい?」

そう聞くと、さっきのは何だったんだくらいに颯爽と歩いて行った、これはついてきていうことか。いや綾瀬さんと俺飼い主とペットちゃうよ?なんか見えないリードが俺にくくりつけられてるような気がしなくもないけど…っていうか、そんなに行きたい場所あったのかな?昨日はそんな行きたい所なさそうだったけど…。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 良い感じでデートが進んでますね。 う~ん、このリア充め、羨ましい! 綾瀬さんのポンコツ具合も絶妙で良いです。 さて次はどんなイベントだろうか。
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