表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕にできることがあるんだよ……。

作者: レウス

重い話になってしまいましたが、こういう事もあるかもしれません。


辛くなったら、色んな人に相談してみて。道を踏み外す前に。

 暖かく優しい日の光の下、町の小さな病院で僕は産まれた。最初に見たのは、大人の女性の顔。白く透き通った白い肌、靱やかで綺麗に真っ直ぐと伸びている少し量の多い黒い髪。顔には疲労の色が見られる。僕のママ!そう直感した。皆がミキ、僕を見ながら皆が言う。きっと僕の名前は、ミキなんだと納得した。皆と言ったけど、年老いたおばあちゃん、おじいちゃん。僕のじぃじとばぁばかな?ママと思った人の隣には大人の男の人。きっとパパだ!それにしても、ママのこの腕の中は暖かく、気持ちいい。これからは、この家族で楽しく暮らして行くんだね!

  …そう思っていたのに…


  そして、時は進んで僕が産まれて8年後。僕は小学校3年生!

  …今日も家の中はママの怒鳴り声と皿が割れる音。ママがこうなったのは2年前から、パパと仲悪くなってからだった。その原因を作ったのは、僕。パパが他の女の人と出かけているのを学校帰りに見て、それをママ言ってしまったから。そこからパパはその人と何処かに出かけてしまってから、帰って来なくなった。ママはそれから僕に強く当たるようになった。

  「アンタのせいでパパとママはバラバラになったせい!!アンタは何も出来ない役立たず!!」

  そういつも僕に怒鳴る。テストで100点取っても、

 「どうせ、まぐれ。アンタは出来損ないだから! アンタなんて産まなきゃ良かった!なんであんな事言ったのよ!!!」

  前までは飲まないお酒を沢山飲むようになった。酔うと僕に怒鳴り散らして殴ってくる。今もそうだ、殴られる。

 ママの強く握られた拳が僕の頬を何回も…何回も殴って来る。…痛い。

 痛いと思った途端、僕が居るからこんな事になってしまったんだ…。そう思った。


 「…ママ?」

 「何よ…」

 ママは、僕を凄い睨みつけてくる。

 「ママ、僕に何も出来ないって言ったけど、一つだけママの願い叶えられるよ…」

  僕はそう言って、窓開ける。塀を登るとそこは2階のベランダだった。冷たい風が背中をなぞる。怖い…そう思ったけどママの願いが叶うなら。僕は振り返りママの方を見る。

  「ママ、僕を産んでくれてありがとう。こんな事しか出来なくてごめんね…。僕はどんなに殴られてもママの事、大好きだよ」

  ママは、驚いた顔をしていた。小声で、やめてと言う声も聞こえたけど……もう降りちゃったよ…。


 さよなら、ママ…パパ。

こんな親にならないようにと自分に言い聞かせた短編です。


子供には優しく、愛情を与えていきたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ