第十六話 壁に耳あり空間に目あり
テストが終わってフリーです!
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今後とも宜しくお願いします。
「どうしたんだ?そんなに考え込んで」
「いえなんでもありません」
「そーか?」
「…はい…」
こちらを訝しげに覗き込んでくるがすぐに元に戻った。
あんまりフェザードのことは話したくないんだよな。
あれは、なんというか黙ってればすごいイケメンなんだが、喋るとどこの言語や!
とツッコミたくなるほど、頭がおかしい。
それはさておき。
「スカイさん、この村ににいてもいいですか?」
「何を今更。元々そのために呼んだんじゃないか、それに“上の人間”からここでどういう人生を送って来たか、報告してもらってるから安心して、ここに住んでもらいたい」
「…上の人間?」
上の人間というと、村長さん(スカイさん)の上ということになるが…
まぁ、今の俺が首を突っ込むところじゃねぇか。
今はスルーしておこう。
「と、言うわけで堅苦しい話は終わりにして!雑談しようか」
「…そんなに堅苦しくなかったと思いますけど」
「いやー、村長としての威厳を保つのが大変で大変で…」
いやいや、威厳も何もなかったから!
とツッコミたくなるのを我慢した。
初対面の人相手に普通、からかうか?
否!違うだろ!
だから威厳も何もなかったのであーる。
腕を組んで深ーく頷いていると、
「何してんだい?」
と怪しまれた。
☆
「そういやさ、君って異世界時代の頃なんて名前だったっけ?」
「えーと、異世界時代ですか?いつ頃話ですか?」
「え!?あんた2回行ってるの!?」
「あ、はいそうですけど…」
うわーマジかーと叫びながらうなだれていた。
そこで落ち込むか!全く楽しくなかったけどね!勇者は!
「へー、さぞかし活躍したんだろうね…」
おいおい不貞腐れるな、子供かあんた…。
そういや、母親が言っていたな。
「男は何歳になっても少年なんだよ」
今になって実感した。
今目の前にいる人が、当てはまる人間だ。
ひぇ〜、母の格言恐るべし!
「話が戻りますけど!アストロ・エルム=ルイです、勇者時代の名前は。で、賢者時代の名前がアル・モランダーです」
「そうそう、そう言う名前だった!」
「もう少しテンション下げれませんかねぇ、耳が痛いのですわ」
「なーにジジくさいこと言ってんのさ、あんたまだ若いだろ?」
「いや、生存年数は180年ですけど」
「「「え?」」」
ピキッと音を立てて周りの空気が固まった。
って、ほかに誰かいなかった?今。
声が3人に聞こえたんだけど。
1人はわかるが何故に複数?
しかも1人若い女の声が聞こえてきたぞ?
とりあえず気配察知っと。
まわりに赤外線センサーを張り巡らせるような感覚を思い浮かべる。
高密度にしてはっきりと姿形がわかるようにしていく。
えーと?
目の前に1人。
執務室のドアの前に2人。
こいつらか?…ってか!桃寧と直樹じゃん!なんで勝手に住居に入ってきてんだ!?
「あのー村長?」
「…」
未だに硬直して反応しない。
ついでに2人も放心状態になっている、ってかそういうことじゃなくて!
「不法侵入されてますけどいいんですか!?」
「…あ、ああ。晴翔から報告を受けておるからな、ダメだったら今頃地下牢だ」
…ここの警備システムはどうなってんだ?
そういうわけだ、コソコソしてないで入ってもらおう。
スキル念力!
古典的な方法だが案外コレ役に立つんだよなぁ。
戦ってる時もちょっとした隙を相手に作れるし、物を取りに行くのがめんどくさい時にチョー便利。
異世界時代はこのスキルは誰でも習得できるぐらいの難易度だけど、あんまりみんな使わず劣等スキルと見られていて習得した時周りの目が少し冷たかった…。
と、異世界時代の話は置いといて。
とりあえず扉を開けて僕が座っているソファーに桃寧が座ってもらって、直樹には…そこらへんに突っ立っててもらおうか。
そう念じると、
「あっわわわわわ!」
「ひっ!…」
その通りになった。
直樹は床に放りだされ服とセットした髪の毛がぐちゃぐちゃになっていて、俺の方を向いてジト目で睨んできた。
俺はそんなこと知らんという感じに桃寧にくっついた。
「お前差別だろ」
「いや区別」
「…(イラッ)」
「ほらほら殺気出さないの桃寧たんが怖がるでしょ?」
「…(ムカッ)」
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ではでは…。