第十四話 衝撃的事実が発覚した!ビックリ!
「…晴翔は余計なことを…」
「?」
目の前にいる初老の人間はよく見ると若いおっさんっぽかった。
見た目からして40代半ばぐらいだろうか。
若い頃はさぞかしモテただろう。
今も“かっこいい”という分類に入るだろう。
白髪混じりの俳優のような人間だな。
ってかこれまたよく見たら、体格結構しっかりしてんなぁ。
農作業やってるからか…?
今は頭に手をやって息子が変なことをしてそれを聞かされた親みたいな感じがするけど…
「うちの晴翔が失礼した」
突然俺の方を向いてからいきなり立って頭を下げた。
「え?い、いや頭をあ、上げてください」
「そうか…ホントにすまなかった。晴翔は行動が少々荒々しいが根はいい奴なんだ…多分…」
「多分!?」
多分は困るが…要はツンデレ属性ということか?
おそらく…。
「あ、自己紹介が遅れてしまったな。私は足利空、この村の村長をしている」
この若さで村長か。
「…スゲェな…村長って呼べばいいですか?」
「いや普通に空と呼んでくれればいい」
「そうですか」
にしても名字が足利って。
どっかの将軍の名前じゃないか。
子孫っていう線もあるけど滅んだと聞いたような覚えがあった気がするけど…
「立ち話もなんだから座ってくれ」
「わかりました」
☆
「さてと、まず最初にこの村にきて思った感想について聞いてもいいかな?」
「その前に聞きたいことがあるんですが、良いでしょうか?」
「構わない。なんだ?」
空さんが目を少しだけ鋭くして俺の方を見る。
その顔に緊張しながらも、一呼吸置いて気持ちを落ち着けてからゆっくりと言葉を発する。
「異世界の人間ですか?」
正直言って何言ってんだ?と言う自覚はある。
そしてありえないと思ってる。
でも村の入り口のあの仕掛けは異世界で見た遺跡と同じようなものだった。
その遺跡というのは、初代勇者パーティーが葬られているとされている神殿だった。
神殿、といってもあれはダンジョンと言っても過言ではなかった。
魔物で構成されている訳ではなく、全てゴーレムによってダンジョンが構成されていた。
弱点などがなく苦労したのを覚えている。
当時はレベルが…待てよ賢者時代+勇者の経験値だから…レベル584930だったか?
死ぬ間際の初代勇者のレベルが407698だったから常軌を逸しているのが丸わかりだな…。
Sランクの冒険者が基本的にレベル500以上であることがギルドとして決まりだった。
そして技術など様々な面で秀でていることが認められればSランクになる。
だから実質レベル900ぐらいまで行く。
で、国の親衛隊の隊長クラスはレベルが3000から5000程度。
そして技術を重ねると10000行くか行かないかぐらいだと思う。
といっても親衛隊の隊長クラスは一人しかなれないし、むしろそのレベルを稼ぐには膨大なエネルギーが必要となるため滅多に現れない。
魔王の直属の手下だと一気にレベルが跳ね上がるが、それでもやっぱり難しい。
話が逸れたが、俺でも苦労したダンジョンの最下層にドリク村の入り口と同じといっても過言ではないほどの、システムがあった。
それは、ある特定の人にだけしか開けられない結界だった。
で、その特定の人にだけというのがあのダンジョン…一応ラスナバリという名前がついてる…では、
勇者のみに反応する仕掛けだった。
その仕掛けに使われているエネルギーは特殊なもので、通常の魔法で使う魔力と違う魔力を使い、天才でも真似できるものではなかった。
簡単に説明すれば、白の絵の具を使ってカラフルな絵を描いてください。
と言われてるようなものだった、が俺は例外にならず何年か空き時間に違う魔力…カラフルな魔力としておこう…を出す練習をしていたら出来てしまったのでなんとなく仕組みがわかっている。
それにこの村の入り口からカラフルな魔力を微量に感じた。
だから特殊な結界が張られているのではないかと思った訳だ。
あくまでも推論であり、問い詰めている訳ではない。
それに異世界から随分と離れているからか感覚が鈍っているため当てにならないかも…と言う訳だ。
「…さすがだな。やはり元賢者と言うべきか…」
そう空さんがつぶやいた。
その顔には面白いものを見つけた子供のような顔が現れていた。
思っていた反応と違う。
やっぱり異世界…って!
「えーーーー!異世界人!?」
なんと合ってた!
あの!推論が!
…結構、勘頼りなものだったけど未だに賢者の頭は残っているな!
満足げに頷いた俺だった。
魔力の違いですが。
一般的な人間が白の魔力を使うのに対し、魔族は黒の魔力を使う。
そして竜の種類によって使う魔力の色が違うと考えて貰えば幸いです!
ブックマークと下にある評価を五つ星にしてから次の話へ移ってくださいね?
それと書き溜めがもうないです!
更新が遅れる可能性が、非〜常に高いです!