表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/19

第十話 タコ…そして…マグマ!

ガキンッ!


金属と金属をぶつけたような音がする。

「よし!」

心の中でガッツポーズをした。

(運転中だからね?)


後ろにいる人達が席に手をついてびっくりしている。


「なんでぇ〜!!」


直樹の声が窓ガラス越しで聞こえてくる。


異音の正体は、魔法が結界に弾かれた音だ。

結界をバスが発車する前にバス全体にかけて、誰も入ることが出来ず、そして無理矢理止めることができない、

暴走(最強)バスの出来上がりだ。

…一応物理攻撃は効かないようにはなっているが、過ぎた攻撃は防げない。

といってもこの結界は水素爆弾ぐらいなら耐えれる筈だ。


「そろそろ、反省した…と思いますよ?」

同乗者の璃菜が、声を掛けてくる。

「そうだな」


「車が止まります。ご注意ください」

なんっつて…

「あの〜いちいち、アナウンス要ります?」

璃菜の隣に座っている凛が、冷たい声で言ってくる。

凛の性格上、これが平常運転なのだが。


「雰囲気がないとな、面白くないだろ?」


真面目な顔で後ろを向いて言い返すと、

「…もういいです、話になりません」

「わからない…ですね…?」

「いいだろ?それが男のロマンってもんだ!」

「男じゃないので」

「あっ?男じゃなかった?」

「それ以上言うとバスを燃やしますよ?」

「ごめんなさい、許してください」


意外と凛って、そういうとこ気にしてんだよな。

顔も男っぽいし、性格もサバサバしてるから結構男って間違えられる、らしい。


俺は最初から女子だなぁと、思っていた。

(見栄を張ってるじゃないからな?…こうすると逆に怪しくなるのか?)


凛も口ではキツイことを言ってけど、中身は純粋な乙女…


「それ以上私のプライベートを曝け出すようなら本気で燃やすよ?」

「私が悪かったから、手に炎を出すのをやめてください!」

「よろしい」


にっこりと笑う。

…けど改めて見てみると、美青年の顔立ちをしていると思う。


俺には美少女にしか見えんが…。

「やめて、恥ずかしいから」

そう言ってそっぽを向く、凛。

腰まである髪が、首を振ったことによりブンッと音を立てて、璃菜と俺に刺さる。

髪の毛からは、いい香りが…


ってやばい!殺される!

と、思って凛を見てみると顔がゆでだこのように顔が真っ赤だった。

さては照れてるな?

そう思って、もっと照れるような言葉を思い浮かべる。


って!そういや凛、心を読む技術を持ってたな。

言う時は心から思っていることを言わないと殺されるわ。


「そういや凛って、意外と可愛いよな?」

璃菜の方を向いて言うと、意図をくみとったらしくクスッと小動物のように笑うと、

「うん…みんなが見てないだけで…と〜てっも可愛い…」

「そうだよ!みんなが可哀想だなぁ。隠された可愛らしい一面を見ることができないなんて…」

「特に男子…かわいそう…恋バナになると凛たんね…」

「スト〜ップ!…お願いだから…もう…」


ずっと黙って話を聞いていた凛はゆでだこを超えてマグマのように顔が真っ赤だった。

しかも恥ずかしさ&顔が真っ赤になっているからか体が一回り小さく、そして凛から熱気がくるような気もする。


「普通に璃菜の先が気になるんだけど…聞いちゃダメかな?」

凛に対して爽やかスマイルで言ってみたら、

「そそそそそ、そんな顔して言っても無駄だかりゃね」

“そ”を連発する挙句、噛むという男子高校生が居たら目をハートにして凛を見るだろう。


幸い俺には桃寧がいる為、多少ドキッとすることがあってもなんとかなる。

「凛たん可愛いね…今度からいじろうかな?」

璃菜が意地悪そうな笑みを浮かべると、

「璃菜の意地悪ぅ〜」

と璃菜に泣いて抱きつくのだった。


そんな光景を微笑ましく見ていると、外がうるさくなった。


…そういや直樹達外にほっぽり出したままだった。

とりあえず現実逃避で璃菜と凛との雑談に花を咲かせることにしよう。


あいつらのことなんか知ったこっちゃない。



そうして3人は恋バナを始めた。





ちょっとでも面白かった、いや見ていただいた貴方は、したにある評価を《必ず》五つ星もしくは一つ星以上を押してください!

ついでにブックマークもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ