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異常者は言う、監禁は気紛れな愛であると。  作者: はるかかなたの死んだ空。
7/15

監禁1日目: 遊んで、ふざけて、驚いて、こんがらがって。

しかしまあ、よく考えたら、賭け事にUNOなんて随分変なゲームチョイスだと思う。普通トランプとかダイスだろ、と俺は心の中でツッコミを入れた。しかも二人でやると一生終わらないし、つまらない気がするのは俺だけか、、? しかも、出されたパックはまだ開けたことのない新品のものだった。



「いやー、コレやりたくて買ったんだよね、そしたら相手いないじゃん?」


「…」


「危うく無駄になるところだったよ〜!君が来てくれてよかった。」


「無理矢理連れてきてよかった、の間違いだろ。」





なんだかんだでゲーム開始。


いい年の大人といい年の俺が、まるでガキみてぇに真剣にゲームをした。

スキップとリバースの処理がめんどくさかったし、ドロー2とドロー4の嵐だったり、ワイルドカードで終われないという超鉄板ルールを忘れたバカ女がペナルティでカードを引きまくったり、UNOを言い忘れたまま二周したり、山札カードをブチまけてしまったり。


挙げればキリがない、バカみたいなことばっかりで。


正直すごく楽しかった。

足の鎖の重ささえ忘れていた。




「…よっしゃああああ!あがりっ!」


「えっ!うそ!私も残り一枚だったのにっ!!」


「はっ、ざまあねえな!」


「はー、、ショック。。」


「さあさあ、景品を渡してもらおうか?」


「まあしかたがない、かぁ。じゃあちょっと待ってて〜。」




俺は勝った余韻に浸りながら、ふと気付いた。

初めて『悪意』のないUNOをしたことに。

確かに、ドロー2をガンガン積み重ねたり、何度もスキップで止められたりした。



でも、俺は笑ってた。

面白かった。

俺もやり返した。

あいつは笑って『やばー、どうしよ??』なんて言ってて。

散々ふざけて。

遊んで。



…そうか。俺に初めて、人とやる『ゲーム』が『楽しい』と教えてくれたのは、誘拐犯の、意味わかんない、頭おかしい、イカれてて…



優しい、『お姉ちゃん』。



そんな人に以前、どこかで…






俺が思考の海に沈みそうになった瞬間、『お姉ちゃん』が帰ってきた。



「は〜い、どうぞー。君のだよ?」


「どうも…。」


「じゃあ私は疲れたから寝るね〜。。久しぶりにはしゃいだよ。」


「ああ、うん…」


「お手洗いは出て左、キッチンは出て右のリビングの奥だから。」


「…は?」


「?…あ、何、もしかして脱出の算段でも立ててる?そんなんしなくても、明後日には帰してあげるけど。」


「…え。」


「じゃあそういうことで。おやすみ〜。」




バタン。




おい。ちょっと待て。

待て待て待て、どういうことだよ?

期間限定の監禁なんて聞いたことがない。

そして監禁してるやつに家を自由に使わせるなんてもっと聞いたことがない。



…要は三日間で監禁が終わるってわけか。

金曜日、土曜日、んで日曜日。

俺が学校行けるようにっていう配慮も入ってるのか。


だったら別に、、いい、、のか?


家に帰りたくもない俺にはむしろ、こうなったら…

いい、かも。。

悪い人じゃないし、、?



いや、、よくないよな…




だめだ、気持ちと常識がこんがらがる。




とりあえずケータイを…




ん?




…充電無えじゃん。これ。


1日目終了。

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