表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異常者は言う、監禁は気紛れな愛であると。  作者: はるかかなたの死んだ空。
6/15

監禁1日目: 賭け事しましょう、そうしましょう。

思いっきり力を込められて、耳障りな音を響かせて切れる鎖と、その破片が二つ飛んだ。適当に一番太そうな奴を選んだ、と宣うバカ女は、自分で選んだ鎖を苦労して切っていた。側から見れば、ちょっと、、アホだ。


「だって一番重いのがよかったんだもん… 」


変な拘りがあるらしい。いや、絶対いらねえだろ。丁度いい太さってもんがあるじゃん。これはどんな猛犬でも抜け出せないと思うんだよね。俺にはさっぱり理解ができない。


とりあえず最初のテープカットならぬチェーンカットが済んだわけだが。



「じゃあ、おやすみ〜。」


「は、今何時だよ?」


「八時。」


「寝るの早くね?」


「え、そうかな。じゃあおねえちゃんと遊ぶ?」


「嫌だ。」


「即答だねぇ…」



何が『遊ぶ?』だよバカ。小学生じゃねえんだぞ。というかネットがしたい、、俺のケータイでゲームがしたい… そういえば俺の荷物どこ行ったんだろう?ケータイ捨てられてたらマジで泣くんだが。俺が少ない小遣いで課金しまくったお気に入りのゲームが… バックアップなんてとってないから、端末が消えたらおじゃんだ。



「んー、じゃあさ、お姉ちゃんと賭け事しようよ♡」


「…」


「君が勝ったら、ケータイ、返してあげよっか?」


「…まじかよ。」



なんだかずっと心を読まれている気がするんだが、この際それはどうでもいい。返してくれると言う以上、俺のケータイは無事らしい。よかった…。問題は『何』で勝負するかだよな。絶対に勝ってケータイを手に入れて、、、って、そんなに上手くいくのか?なんか裏がありそうな気しかしない。だってケータイ手に入れたらゲームより何より先に通報するか、仕方ないけど親に連絡とかするぞ、俺。絶対舐めプしてるだろコイツ。



「…俺が負けたら?」


「んー、一気に鎖を大幅カットで。」


「…なにで勝負すんの?」


「おっ、のったね♡? じゃあUNOで。」


「約束は守るんだよな?」


「それはもちろん!私は悪人でも嘘つきでもないし。」


「…嘘つけ。」




そんなこんなで、勝てばケータイ、負ければ自由がさらに短縮されるUNOが始まった。






実は俺は、UNOは嫌いだ。




知ってるか?


UNOは集団いじめにもってこいのゲームだ。



地元ルールがどうこう、

UNOの宣言が遅れた、遅いというこじつけ、

なんだかんだペナルティをでっち上げてカードを追加させる、

集団で一人のプレーヤーにスキップとドローの集中攻撃、

『めんどくさいからお前10枚追加』というもはやルールもクソもないカードの押し付け、



ゲームだ。所詮。

だから悪意なんていくらでも隠せるし、

それを『戦略』と言い換えれば隠そうとする必要もない。



俺はそれを死ぬほどやられてきたよ。



今でも、おもちゃ売り場でUNOを見ると、顔を顰めてしまうくらい、憎悪に近しいものがある。



だからどうってわけじゃないけど、一対一なら絶対にそれはない。

それさえなければ、俺が勝てる可能性なんていくらでもある。

むしろ俺の方が強いかもしれない。

だったら…





心置きなく、『ゲーム』しようか。


次で一日目が終わります。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ