プリンス・オブ・ダ・サイタマ あらすじ
ダサイタマが全国に知れ渡り、最も無意味な県の呪縛に縛られた「埼玉県」。そんな埼玉県の最期の希望こそ、埼玉県知事、「武藤守」であった。
武藤には、もう一つのパートナー的存在であった犀潟肇副知事が、埼玉県の為に全力的に魅力をアピールしてきたが、兼ねてから武藤政権の転覆をよなよな企てていた犀潟肇にとって、この日は逃さなかった。
遂には、犀潟は武藤に埼玉県の在り方に意見が対立した。その隙に犀潟はついに反乱を開始、クーデターを仕掛け、武藤は逮捕された。犀潟は、武藤率いる政党「幸魂党」とは別の「武蔵の党」を結党した。彼らの目的は、わざとクーデターを起こすことで、埼玉の名を消し、東京に吸収合併し、かつての武蔵国を復活させることである。その一方で、一時逮捕された武藤は、知事の秘書によって釈放(正しくは脱獄)し、知事官邸に戻り、埼玉を取り戻すための戦いが密かに備え始めた。
その頃東京では、埼玉県民をひどく迫害をしていた。東京都は埼玉県民の流出を阻止するため、武藤が県知事に就任する何十年前から、荒川の堤防に高さ20メートルの壁が築かれていた。そして埼玉県民は、通行手形がないと東京に出入りする事を許されない厳しく往来を制限されていた。もちろん、通行手形があっても、入れる施設が限られていた。埼玉県民にとって東京は憧れの存在であり、その誘惑に負け、むやみに立ち入るとすると・・・、強引にサイタマスレイヤーに引っ叩かれて、埼玉に強制送還されてしまうのだ。
東京には、将来卒業すると、晴れて都庁に働くことが出来る学校がある。もちろん、この学校にも埼玉県民はいるのだが、校舎からかなり離れた小屋型の教室に居座ざるを得ない。もちろん、どんなエリートだろうと、昇進や卒業して都庁に就職することも許せなかった。そんな学校に、一際異彩を放つ美男子が現れた。
この学校の生徒会長は都知事の娘であり、ひどく埼玉県民を侮辱していた。今回新たに転校してきた美男子も、兼ねてから警戒していたが、次第にその美男子に恋心が芽生えてしまった。しかし彼の正体は埼玉県民であり、かつ埼玉県知事である武藤守であった。その事を知り娘はショックを受けるが、武藤に一目惚れしてしまった以上、武藤を捨てる訳には行かず、共についていく事を決心する。
娘のことを知らされた都知事は激怒し、娘を県知事から連れ戻すため、ついに都知事は埼玉県に対し全面戦争を企て、サイタマスレイヤーを派遣し、県民が居座る池袋を中心に都内にいる埼玉県民を片っ端から拘束した。そんなある日、都知事は埼玉県内のクーデター発起人である犀潟肇の存在を知り、彼を都知事の前に呼び寄せた。そこで都知事と犀潟は、武蔵国の復活を歓迎、共に実現しようと意気投合し、犀潟肇は、すぐさま埼玉東京化計画を実行に移す。
埼玉県に戻った犀潟は、東京都知事の後ろ盾にいる事によって、東京と一つになり武蔵国を実現することを約束した。その結果、支持率は圧倒的に犀潟の方に軍配し、武藤の支持率はほぼゼロに等しかった。そして都知事は、拉致された娘と引き換えに、武藤守の秘書を捕らえるよう犀潟に命じる。
犀潟は、武藤の通信源を基に、ついに秘書を捕らえられてしまう。武藤は「娘を返すから、秘書には何もしないでくれ!」と説得する。説得通り娘を返してあげるが、罠にハマってしまい、犀潟は娘・秘書ごとさらう。