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サーチアンド……

ハルさんは、たぶん、破壊とか、撃破的な事を言いたかったんだと思います。


でも、思い付かなくて、運命探してるみたいな事に。


焼き芋の好みは、それぞれだと思います。どちらが美味いとかは決められません。

ちなみに、私もトロッと派です!


感想、コメント、ありがとうございます。

 何だっけ、こういうの。

 サーチアンドデスティニー?

 何か違うけど、まぁいっか。

 私の横文字の弱さは置いといて、リュートの進化が異常としか言い様がないんだけど。




 最初に出会った甲冑アリには、甲冑アリの名前に相応しく、リュートは何度か剣を弾かれていた。

 甲冑アリは私の知ってるアリより、当たり前だけどデカくて、サイズは中型犬ぐらい。

 色はメタリックに銀色で、顎が凶悪だ。あの顎に挟まれれば、人間の骨なんて簡単に折れるだろう。

 ちなみに、ガチャガチャという金属音は、甲冑アリが堅固な体で移動する音だった。

 何となく想像はついてたけど。

 甲冑アリを発見したリュートは、勢い良く飛び出して斬りつけ、剣を弾かれたんだけど……。

 すぐにまた斬りつけ、弾かれるを繰り返して、最終的には甲冑アリを一刀両断した。

(え?)

「あ? おい、何した?」

 私の驚きの声と、別の甲冑アリと戦っていたギルバートさんの声が重なる。

 それぐらい衝撃的だった。

「何って、斬っただけですけど。コツを掴むのが大変ですね、これ」

「……さすが、エヴァンのお気に入りか。おい、マリオンの方も手伝ってやれ」

 そう言うギルバートさんも、甲冑アリの相手をしながら会話してるから、さすがって感じだよね。

 リュートはその上を行く規格外だけど。

(コツで、何とかなるんだ、あれ……)

「はい! なりました!」

 キラキラしたリュートの笑顔を見たら、何かどうでも良くなってきた。

「リュート、手伝ってくれ! こいつ、仲間を呼ぶ気だ!」

 マリオンの呼ぶ声に、リュートは一気に甲冑アリとの距離を詰めると、天を仰ぐような体勢の甲冑アリの頭を一気に斬り落とす。

「これで、大丈夫ですか?」

「…………あ、あぁ、うん、そうだな」

 無邪気なリュートの眼差しに、マリオンが遠い目をして頷いている。

 何か申し訳ない。

(リュート、お疲れ様。カッコ良かったよ)

「本当ですか!?」

 誉めたら、リュートにぎゅうぎゅう抱き締められた。可愛いけど、相変わらず中身が出そうだ。

「リュート、死体の処理をするぞ」

「甲冑アリの体液は、仲間を興奮させるんだよ」

 リュートとイチャイチャしてたら、ギルバートさんとマリオンに呼ばれた。

 確かにそんな理由があるなら、早く片付けた方が良いよね。

(ルーは、リュートが倒したのと、ギルバートさんが倒した分お願いね)

(あい)

 私とルーは、早速リュートから飛び降りると、私は頭を斬り落とされた方へ、ルーは真っ二つな甲冑アリへ向かう。

(リュート、食べちゃって良いよね?)

「はい、どうぞ」

 リュートへ最終確認をしてから、私とルーは、それぞれ甲冑アリを食べていく。

「あー、そう言えば、こいつらに任せれば良いのか」

 甲冑アリを飲み込んだルーをつつきながら、ギルバートさんが苦笑混じりで呟いている。

 マリオンは、私を見守るリュートの横で、私をガン見してる。

(分けて欲しいの?)

「ハルさんが、甲冑アリを分けて欲しいのか、と訊いてますが……」

 リュートの通訳した私の言葉を聞くと、マリオンは慌ててブンブンと首を横に振る。

 そこまで全力否定しなくても……。

 私はふいっとマリオンへ背中を向けると、甲冑アリへ集中する。

 甲冑アリは、お煎餅とか、おかきみたいな味がする。しかも、甲殻系な感じの。

 あとは、プクッと膨れているお腹だけど……。

(甘いね、これ)

「甘いんですか、甲冑アリって」

 リュートも食べたそうだけど、今は焼いていられないので、今日は我慢してもらおう。

 明日狩った分を、終わってから焼けばいいよね。

 生な甲冑アリのお腹は、ちょっとトロッとしてて、ミルクセーキみたいな味がして美味しかった。焼くとどう変わるか楽しみだ。

 これは、リュートにも食べさせたい。

 そんな事を考えたせいだろうか。

 帰り道、リュートが、甲冑アリを見つけて、倒しまくった。何度も。

 初見とは違い、リュートの剣は一度も弾かれず、甲冑アリ自慢の甲冑な部分を斬り裂いている。

「……何だかんだで、一割ぐらい倒しそうだな」

「俺の出番はなさそうだし」

 ギルバートさんとマリオンは、嬉々として戦うリュートを見守るだけになってるよ。

 マリオンにいたっては若干煤けてる。

 リュートは結局、野営地に戻るまでに、十匹の甲冑アリを片付けた。

 一匹は帰り道、お腹を空かせたルーのおやつになった。




 野営地に戻ると、テントが用意され、夕食の準備が始まっていた。

 クロウのパーティーの他にも、応援に来てくれたのか、人数が増えて、中には複数の女性冒険者の姿もある。

 料理をしてるのは、クロウとザッシュだけど。得意なんだろう。

 適材適所って言葉は素晴らしいね。

 リュートの肩上から、周囲を窺っていると、何処からか熱い視線を感じる。

 視線をそちらへ向けると、女性冒険者達が私達を見つめて、コソコソと話している。

 悪意は感じないから、美少年なリュートに見惚れてるんだろう。

 ボンボンやデブリは、よくリュートに喧嘩を売ったよね。色々と格が違うのに。

 私が一人ほくそ笑んでいると、コソコソと話していた女性冒険者達が近寄ってくる。

「あの、ちょっといい?」

「何ですか?」

 年上のお姉さん方に、リュートは小首を傾げて返す。うん、それ可愛い。

 ルーも、リュートの頭の上で、一緒にこてんって傾がって、落ちそうなところが、また可愛い。

「「か、可愛い〜っ!」」

 でしょう? と相槌を打とうとした私は、ガシッと鷲掴みされ、リュートの肩から引き剥がされる。

 犯人は女性冒険者達だ。

 可愛い、とか、もふもふ、だとか、色々言われながら、もみくちゃにされる。

 せめて、一言断って欲しかったな。

 リュートが、あわあわしてちょっと涙目になってる。

 年上のお姉さん相手に怒鳴れないよね、リュートは。しかも、悪気はないし、このお姉さん方。

 私がされるがままになっていると、もう一人(?)のうちの子に、我慢の限界が来たらしい。

 ぷぅ、と鳴いてリュートの頭から飛び降りたルーは、ムクムク巨大化して、私をもみくちゃにしている女性冒険者達を威嚇する。

(るーの、まま、かえして)

 言ってる事は可愛いけど。

「え、何、このスライム!?」

「モンスターが出たわ!」

 私もモンスターですよぉ、と内心突っ込みながら、女性冒険者達の手をすり抜けた私は、ルーの足元へ転がる。

 私がぽよん、とぶつかると、ルーは空気が抜けるように縮み、いつもの可愛らしいサイズへ戻り、私のもふもふの中へ潜り込む。

(まま、まま、まま)

(うん、ありがと、ルー)

 そのまま、リュートの腕の中に飛び込んで避難する。

「すみません、ハルさんが驚くので、あまり手荒にしないでください」

(ルーも怯えちゃうからね)

 リュートがシュンとして話しかけると、女性冒険者達も反省してくれたらしく、ペコッと揃って頭を下げる。

 その後、今度はリュートに断ってから、私とルーを一通り愛でてくれる。うむ、苦しゅうない。

 そう言えば、ルーが巨大化するのをギルバートさんは知っていたらしく、一人だけ驚いた様子はなく、たき火の側でお茶を飲んでいる。

 ギルバートさんの落ち着きっぷりに感化されたのか、ざわめいていたクロウや他の冒険者達も作業に戻る。

「「ありがとー!」」

 私とルーを堪能した女性冒険者達は、艶々とした笑顔で去っていく。

 綺麗なお姉さん方に触られて、ルーの機嫌もすっかり直ったようだ。

 いやー、誰に似たのかなぁ。

 うん、リュートの目が痛いよ。そうだね、きっと私に似たんだよ!

 私が逆ギレしてると、リュートのお腹から可愛らしい鳴き声が……。

 見た限り、まだ夕食は出来そうもないよね。

「……ハルさん、甲冑アリって、全部食べちゃいました?」

(ううん、リュートの分は残してあるよ。焼いて、食べてみようか?)

「はい!」

 途端にキラキラとした笑顔で返事をしたリュートは、集団から少し離れた場所で火を起こすと、甲冑アリの膨らんだお腹部分を放り込む。

 他の部分はリュートが食べられないから、私とルーで食べて、お腹だけ残してある。ちなみに、あと八匹分あります。

 一匹分で、小玉スイカサイズだから、味見には十分だよね。

 火に放り込まれた甲冑アリ(腹)から、プスプス音がし始めたので、私はたき火に突っ込み、いい感じに焼けた甲冑アリ(腹)を回収する。

(んー、大丈夫だね。焦げた殻を剥いで、中身だけ食べるんだよ? 熱いから気をつけてね)

 焼けた事を確認して、リュートが用意してくれた大きな葉の上に甲冑アリのお腹を吐き出す。

「はい」

 いい子なお返事をしたリュートは、解体用のナイフで焦げた殻を剥いでいき、中身を露出させる。

 火を通した中身は、液体だったのが、かなりボテッとして、黄色いクリームっぽい。匂いも甘いし、何か、覚えがある匂いだ。

「あふ……っ、でも、美味しいです」

(そっか、良かった。私にも一口ちょうだい?)

 思い出せないので、リュートに一口もらってみた。

 ナイフで掬った黄色いクリームが、私のもふもふへ突っ込まれる。

(焼いたのも美味しいね)

 目を細めて味わった私は、すぐに前世で食べた事のある、似た味な物を思い出せた。

 それは、秋の味覚、焼き芋だ。私好みの、ちょっと水分が多くて、トロッとした感じの。

 私、焼き芋はホクホクより、水分多いのが好きなんだよね。

 しかし、焼いて香ばしいから、余計に似てる気がする。

 ミルクセーキから焼き芋への変化は、ちょっと不思議だけど、間違いなく美味しい。

 リュートは甘い物嫌いじゃないから、おやつにいいかもしれない。

 暇な時に、残りも焼いて収納しておこう。

 はふはふ、と焼き甲冑アリを食べるリュートを微笑ましく見ながら、そう考えてはいたけど……。

 女の人って、焼き芋好きだよねー、って事で、匂いに釣られて寄ってきた女性冒険者達にごちそうする事になり……。

 さらに、意外と甘い物好きな男性陣も多くて、今日狩った分は、本日のデザートになりました。




 リュートがちょっと寂しそうだったんで、明日は頑張って甲冑アリの確保に勤しもうと思う。


アリのお腹は、腹袋で良いのか悩みつつ、ハルさん視点なのを良い事に、アリのお腹で突き進みました。


と言うか、あれは、お尻?


で、次回も、甲冑アリを


サーチアンドデスティニー

です(笑)

たぶん、この間違いを直せるのは、女神様だけです。


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