↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふしたいとは言ったけど。  作者: 汐琉


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/114

入浴タイム

前半はのんびり入浴タイムです。


イチャイチャ足りなかったと後悔してます。

「痒いところはありませんか?」

(大丈夫だよ)

 現在進行形で精神的な部分がむず痒くて、色々削られてるけど……。

(ルーは痒いとこ、ある?)

(だいじょぶ)

 リュートに泡まみれにされた私のもふもふを使い、ルーを洗ってるが、ツルツルして落としそうだ。




 今現在、私達は仲良く入浴タイムだ。

 全員一糸纏わぬ……うん、私とルーは、元々服は着てないから関係ないけど。

 リュートは自分の体を洗うのもそこそこに、私を膝に乗せて洗ってくれている。

(いい匂いだね)

「はい、俺もお揃いです。流しますから、目を閉じてください」

(はいよ)

 ルーは閉じなくても平気か、とか思いつつ、私は目を閉じると、泡に包まれたルーを抱え直す。

 私が目を閉じたのを確認し、リュートはザバと勢い良くお湯をかけてくれる。

 三回目で泡はなくなったみたいで、リュートの手が濡れたもふもふを探ってくる。

「シャンプーは落ちたみたいですね。じゃあ、浴槽に入りましょうか」

(うん。ルー、お風呂だよ)

(ままと、おふろ〜)

 目を開けた私は、嬉しそうにぷるぷるとしているルーへ話しかける。

 そのまま、私とルーはリュートに抱えられ、適温のお湯が張られたお風呂へ浸かる。

 浴槽は、エヴァンの屋敷の物より小さめだが、ほぼリュート一人で入ってるようなもんなので、全然狭くはない。

「あったかいお風呂、いいですね」

(疲れがとれるよね)

(ぷかぷか)

 私とルーは沈まないようリュートの膝に乗りながら、お湯の中をゆらゆらと楽しんでいる。

「気持ちいいですか?」

(うん。寝ちゃいそう。ルーは、寝ちゃってるし)

 リュートの問いかけに、私は上機嫌に体を揺らして答える。寝ちゃったルーは、万が一にも溺れないよう私の上に乗せている。

「今日は大活躍でしたからね」

(そうだったね)

 ぷぅぷぅ、可愛らしい寝息を立てているルーを、リュートは優しい眼差しで見下ろしている。

 そのリュートを、私が見上げていると、ギュッと抱き締められる。

(リュート?)

「ハルさんが無事で良かったです。引き離された時はどうしようかと思いました」

 あー、ならず者にさらわれた時か。リュート達が。

(私もリュートとイリスさんが無事で良かったよ)

 絞られるタオルな気分になりながら、私はリュートをもふもふで抱き締め返す。

「ハルさん、ハルさん」

(はいはい)

 甘えん坊モードにスイッチが入ったのか、リュートは私を何度も呼びながら、濡れて少しだけ萎んだもふもふに頬を寄せてる。

 うむ、可愛い。

(そう言えば、体を拭くとこ見られるの恥ずかしがってたけど、全裸は平気……じゃないみたいだね)

 私がふと思い付いた、今さらな疑問を口にすると、リュートの頬が一気に赤くなる。

「え、あ……っ」

 と言うか、リュートの全身が赤くなった。

 のぼせてるね、これ。

(そろそろ上がろうか)

 倒れられたら困るし。

「は、はい……」

 シューッと湯気が出そうなリュートを促し、抱き上げてもらって浴槽から上がる。

 視線を下へ向けようとしたら、リュートに無言でギュッと抱き締められる。

 さっきバッチリ見たけど、ってのは、言わないでおこう。

 私を洗うのに夢中で、気付いてなかったみたいだし。

 すぐに復活したリュートは、自分の体を適当に拭くと、私とルーをまとめてバスタオルで包む。

 正直、こんなバスタオルじゃ、私を拭くには間に合わないけど、リュートが楽しそうなんで拭かれておこう。

 でも……。

(まずは、リュート、せめてパンツ履かない?)

「あ……」

 また、生娘みたいな反応されました。




 リュートが下着を履き、再び私をバスタオルで拭いてくれる。

 ルーはすっかり乾いたので、ベッドの上でぴょんぴょん跳ね回っている。

 私はリュートが拭くのに合わせて、徐々にもふもふの水分を吸収していき、最終的には、いつも通りリュートの髪を水分を吸収して終了だ。

 リュートはパンツ姿で、私を抱いてベッドへ飛び込む。衝撃で、ルーが弾んでる。

「いつも良い匂いですけど、俺の選んだ匂いがハルさんからするって、なんか、いい……」

 あ、リュートの電池も完全に切れたみたいだね。

 私のもふもふに顔を埋め、リュートからはすーすーと穏やかな寝息が聞こえて来ている。

(おやすみ、リュート。……相変わらずの寝つきの良さだよね)

 いつもの宿屋ではないから、戸締まりは『今度こそ』きちんとしてもらってあるので、私はサイズを変えて、リュートを包み込む。

(まま、まま)

 ルーも眠くなってきたのか、ぼふっと勢い良く私の中に突っ込んで来る。

(うん、ルーも、おやすみ)

(おや、すみ)

 落ち着ける場所を見つけたのか、もぞもぞしていたルーは、すぐに動かなくなる。

 子育て気分に浸っていた私は、ふと、気付く。

 ルーは、私を『ママ』って呼ぶけど、身近な男性であるリュートを『パパ』とは呼んでない。

 リュートは『お兄ちゃん』って感じだからかな?

 だとしたら、誰なら『パパ』に……うん、何か、嫌な予感がするけど、気のせいだよね。

 明日は甲冑アリ狩りだし、ゆっくり休んでおかないと……。




「では、あたし達は後方支援してますから〜」

 当たり前だけど、イリスさんはそう言って、トイカの受付嬢のマノンさんと私達に手を振って見送ってくれた。

 手を振ってたのは、イリスさんだけで、マノンさんは頭を下げていたけど。

 私達とクロウパーティーは、これから甲冑アリの巣を目指し、巣の近くで野営する事になっている。

「よし、抜かるなよ?」

 ギルバートさんも、前線基地代わりとなる野営地までついて来るそうだ。

 さすがエヴァンの友人だけあって、戦闘好きなのかもしれない。

 甲冑アリは数が多いので、一日で駆除は無理らしく、数日かけて各個撃破で兵隊を減らし、最後は女王を狩って終了だそうだ。

『繁殖力は高いけど、幸いにも成長速度は遅いから、そこまで苦労はしないはずよ。

女王さえ倒せば、巣は機能しなくなるから、あとは楽よ。

あと、お腹の部分は、焼くと美味しいわ』

 以上、鑑定による女神様通信だ。

 うん、女神様、食べたんですね、甲冑アリも。

 どんだけ食い意地張った女神様なんだか。

(リュート、甲冑アリ、お腹を、焼くと美味しいって)

「そうなんですか? 楽しみです」

 森の中の最短距離を進みながら、リュートは私の言葉に笑顔で頷く。

 片手で、襲ってきたサルみたいなモンスターを、ぶら下げながら。

 クロウパーティーがどん引きで、ギルバートさんは、ふむ、と感心してる。

 鑑定によると、かなり素早いサルらしいけど、リュートの頭に乗ってたルーを狙った結果、リュートに捕獲された。

 一瞥もしてないリュートに。

 リュートは、ブンと腕を振ると、サルを遠くへ放り投げる。

 遠くの方で、ギャッという声が聞こえたけど、気のせいだろう。

(りゅー、つおい)

 ぷぅぷぅと鳴くルーは、上機嫌な様子で、何より可愛らしい。

「じゃあ、行きましょうか」

 今度は四つ足の魔物――ヤマネコが襲ってきたが、リュートは鞘に入れたままの剣で殴り倒して昏倒させる。

 ちなみに、私の知っているヤマネコとは、随分違う。簡単に言うと、可愛くない。もふもふ感もいまいちだ。

 そう言えば、未だに私以上なもふもふには、この世界で出会えてはいない。

 せっかくだから、異世界産なもふもふも楽しみなんだけど。

(ごはん、ごはん)

 リュートの頭からスルスルと降りてきたルーは、楽しそうにぴょんぴょん跳ね回り、可愛くないヤマネコを体内へ飲み込んでいく。

 ま、ぷるぷるも可愛いから、いいか。もふもふな子も可愛いけど、やっぱりうちの子が一番だよね。

(しっかり溶かして食べるんだよ? あ、牙だけは残してね?)

 ヤマネコは人間には食べられた味じゃないみたいだし、ルーのおやつにちょうどいいよね。

 また、ギルバートさん以外は、どん引きだけど。

 スライムのお食事タイムって、衝撃的だから。

 ルーが吐き出した牙をもふもふへと収納し、収納を終えた私と、おやつタイムが終わったルーをリュートが抱え、再び一行は進み出す。

 リュートがさくさく進むので、こんな休憩をしてても、野営地には予定通り着く事が出来た。

 まずは偵察に少人数が向かい、残りは野営地の準備をするという話になり、私達は偵察組になった。

 ま、妥当だよね。

 私もルーも、偵察向きだし。

 私達の他は、ギルバートさんと、残念なマリオンだ。

 三人プラス二匹で、甲冑アリの巣を目指して歩いていると、私とルーの鋭敏な耳に、耳慣れない音が聞こえてくる。

 例えるなら、甲冑姿の兵士が歩いてるような、そんな感じの音だ。

(まま、がちゃがちゃ)

(そうだね。リュート、何か変な音があっちからするんだけど)

 ルーにも聞こえたみたいだし、幻聴ではないと確信し、私はリュートへ方向を示す。

「変な音、ですか?」

(んー、金属みたいな、ガチャガチャ? こっちへ近づいてくるよ)

「おい、変な音がするって言ってるのか?」

 私とリュートの会話に、ギルバートさんが険しい表情で入ってくる。

 リュートは気にした様子もなく、コクリと頷いて、私が示した方向を指差す。

「あちらから、金属みたいなガチャガチャという音が、近づいてきているそうです」

「そりゃ、高確率で甲冑アリだな。数は?」

(数? 一、二、三匹だね。ルー)

 耳を澄ませて数を確認した私は、ルーに思念を伝えて、形を変えさせる。

 スリーピースにしようか悩み、無難に三本角にしておいた。うん、可愛い。

「……スライムに角が生えたんだが」

「甲冑アリが三匹いるって、伝えたいんじゃないかと」

「そうか。リュートがいない時には、便利だな」

 微妙な表情で、そう呟くギルバートさん。

 つまりは、リュートがいる時には、便利じゃないと?

 確かに、口頭の方が早いか。

(るー、できた?)

 でも、誉めて誉めてアピールする、うちの子が可愛いからいいんですぅ。

「三匹なら問題なく倒せるな。あいつらは、下手に攻撃すると仲間を呼ぶんだ。仲間を呼ばれる前に叩くぞ」

 ギルバートさんの言葉に、リュートはもちろん、空気になりかけていたマリオンも頷く。

「抜かるなよ。――特にマリオン」




 あ、空気だったマリオンがずっこけた。

 恨めしげに見てくるマリオンを、ギルバートさんもリュートも、華麗にスルーし、私とルーが示した方向を油断なく窺っている。

 ガチャガチャ音がかなり近くなり、リュート達にも届くようになったのか、マリオンの雰囲気にも緊張感が満ちる。

「先手必勝で行くぞ」


「「はい!」」




 ギルバートさんの号令が、甲冑アリとの開戦を告げる――。

次はゆるーく戦闘です。


いつも通りだと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。