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デリンバル学園とわたし  作者: ただの酔っ払い
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門前のわたし


 此処は王都グリデリンバル。大陸の中では1、2を争うほどの近代都市でグリデリンバル王国の首都だ。魔法が発展しており地方にはない大きな水車や、水路が作られており王都の隅々の家庭まで水が送られている。温暖な気候でとても住みやすいところだってお兄ちゃんが言っていた。


 私の名前はスバル・オウナ12歳、王都から馬車で2日くらいの所にある、ディア村から王立デリンバル学園に通うためにやってきた。全寮制だから田舎者には優しい所だね。本当は村で畑を耕すのも良かったんだけど、騎士になると言って12歳の時に飛び出したお兄ちゃんが心配で私も学園に通うことにした。お兄ちゃんは私の4つ年上で何年か前からデリンバルに通っている。学費は大丈夫なのかなぁって思っていると手紙が届いた。剣術の腕が見込まれ特待生枠に組み込んでもらえたらしいとのこと、さすがお兄ちゃんだね、完璧なお兄ちゃんに見えるけど一つ欠点がある、その欠点だけが心配で学園に通うことにした、お兄ちゃんモテるんだイケメン、そうその一言犬もを歩けば棒に当たる、ならぬお兄ちゃんが歩けば女がまとわりつく、そう女難おかげでいつか刺されるんじゃないかと心配です。

 というわけで王都の入口に着いたわけですが、入都金が払えません、村の入村金はなんと銅貨1枚、入都金はなんと銀貨1枚だそうで10倍です。住民票があればいらないらしいのですがそんなもの今から住民になろうとする私にはありません。


「門番のお兄さんどうにかなりやせんかね、銅貨6枚しか持ってきてないのです。銅貨銅貨のお慈悲をぉ・・・」


「おい嬢ちゃん学生になりに来たんだろう、せめて9枚持ってて来れば1枚くらいは見逃してやれたんだかさすがに4枚足らないのはちょっとなぁ」


私の渾身のおやじギャグをスルーとは


「そこを何とかお願い!馬車代で片道銅貨3枚使っちゃったの!」


「しかしだなぁ・・・・」

くぅぅう優しそうなお兄さんでもさすがに4枚はちょろまかしてくれなさそうである。


「お願い!今日受験なの!今日を逃すと半年は入学できないのぉ!」


まじ頼む、超頼む、私の顔はきっともう泣きそう寸前だ第一銀貨1枚なんて村娘が持ち歩いてるわけないだろぉ!


「わかっちゃいるんだが、おいちゃん今日デートでな、ちょっと懐事情が・・・・」


ぬぅううううああああデートかデートなら仕方ないのかぁ!?私デートなんかしたことないぞ楽しいのか?喜んじゃうのか!さすがジョニーって感じの優男彼女いるのかぁくうううぅぅう!


「おい、お前もデリンバルに入学に来たのか?」


少しバリトンボイスの良い声がうんうんとうなっている私の後ろからする。振り向くとそこには色黒で凹凸がはっきりしている顔に雀斑、短く刈り込んだ髪に少し高い慎重にタンクトップ、いかにもボブって感じの男の子がいた。


「そうだけど、お前もってことはあなたもそうなの?」


「ああそうだ俺の名はボブ、せっかくの縁だ、後で返してくれるなら貸してやってもいいぜ」


「はいボブ頂きましたー!お願いしますありがとうございますぅ!」


やはりボブだった、ボブさすがだな、ボブ後光が差して見えるよボブ


「お、おう、元気で何よりだな、じゃあ後でデリンバルで会おう」


「ありがとうボブ、本当に助かったよ!」

私から例の言葉を聞くとボブは衛兵に銀貨2枚を支払手をひらひらと仰ぎ去って行った。あまりにも同年代とは思えない大人びた行動にこいつやるな・・・と謎の称賛を心の中で送った


「嬢ちゃんとおっていいぜ、ちゃんとバイトして返してやんなよ!」


「ありがとうジョニー!ちゃんと返すよ、デート頑張ってね!」


ジョニーにあいさつをし私も走り出す入学式まであと1時間ってところか、急いでいかないとな、えぇと目印はあれだな、都市中央部にそびえたつでっかい塔、王様が住んでる御城の優に三倍はあるようだ、ルナタワーとかいうらしいなんでも昔のえらいさんが煌々と輝く月を見てあれを捕まえるのじゃ!といって建てさせたらしいが、本当かどうかはわからない、まあそんなことを考えていても仕方がないので早くデリンバル学園まで行ってしまおう



さすが王都だ、道路も大きく馬車道と歩道と別れていて、さらには石でできた横断歩道まである、横断歩道の前で馬車の眺めを戸惑いながら眺めていると止まってくれるのだ。そして馭者さんが手でどうぞっとしてくれる。きょろきょろあたりを見渡す田舎者でも優しくしてくれる優しい人が多いようだ。

そしてすたこらサッサと王都の風景を眺めながらおよそ20分程度でデリンバル学園についてしまった。


大きな門だ、時間もあることだしとこれ幸いと学園の外房を眺めだす。でっけえ鉄の門(私の実家くらいかな)に、でっかい校舎、そしてでっけぇ塔、首が痛くなるほど見上げなければ先っぽのトンガリが見えない、ついつい声が出てしまう。


「でっけぇー」


そんな感じでぼぉっと外観を眺めていたら眼がねのバインバインお姉さまが近寄って声をかけてさらに背中をぐいぐい後者のほうに推し進めてきた。


「あなたも入学希望者でしょう、例年人数が多いから来てくれた人からどんどん手続きをしていかないと、座れなくなっちゃうわよ」


「座れないってそんなにたくさんの人が入学するんですか?」


「そうそう毎年春の入学定員が100名、半年後の秋に入学できるのは定時制でだから30名程度しか入れないの、早く手続きしないと埋まっちゃうわよぉ」


「うへぇ、本当ですかぁ、じゃあ早く行かないとですね、教えてくれてありがとうございます。」


「どういたしまして、さっ急いで体育館に行きましょう、後10人しか枠ないわよ!」



「ひゃぁまじか!ダッシュします!」


たしかにそうだよね、教室にだって限りがあるだろう、ちょっと楽観視してた!


「体育館は逆よー!」


 という声が聞こえてくる、危ないところだった会場はこちらだよっ、はあと。と書いてある張り紙も見逃していた。なんとか全力疾走からの体制を立て直し逆走する。途中で 数人の学生と思われる人たちとすれ違う。今年の新入生かしらとか聞こえるが超無視して走る。


 「とおっちゃく!」

 

 会場と書かれたスライドドアをダァンッっと大きな音がなるほど思いっきり開き中に入ると、皆が手を止めこちらを見ていた。


 「おおさっきの、元気そうで何よりだ」


 ボブだ。


 「やぁボブ、さっきはありがとうもう手続きはすんだのかい?」


 「あぁ、早く着いたからね、もうすっかりさ後は式の後にある潜在探知に備えるだけさ」


 ボブはもう手続きもすんで後は待ちのようだ、さて私も手続き頑張るとするかな。


 「じゃあ私も受付に行くとするよ、またねボブ」


 「ああ、またなシンディー」


 「スバルよ、ボブ」


 ボブに挨拶を交わし、受付へと向かう、20歳くらいの女性が対応してくれるようだ。

顔が赤いけど大丈夫か?とか聞かれるけれども問題ない注目には慣れている。恥ずかしくなんて無いし、血圧も上がっていない。


 「まず記入用紙に分かる所を書いてもらえるかしら?」


 気軽に質問してねと用紙を渡される。

なになにフムフムえぇと


名前 : スバル・オウナ

年齢 : 12 日の月16日生まれ

出身 : ディア村

特技 : 


取得済み魔法 : 無し


 

 

 こんなところだろう、特技、特技かぁ何も思いつかない。


ジョニー?「ジョニーって誰だよ」

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