12話 ギルド登録
腹も膨れたし、ばーさんが言ってたギルド登録をしてみよう。
そう思い立った俺は酒場のマスターに代金の大銀貨2枚を払った。
「うまかった。またくるよ。」
俺が礼を言うと、マスターは軽く頷きまた業務に戻っていった。渋い。
さて、まずはギルドの入り口から向かって正面のところにある受付へと行ってみるか。
受付には制服を着た女性達が何人かいた。
俺が受付前にいくと若い女性が対応してくれた。
「おはようございます。本日はどのようなご用件でしょうか?」
愛嬌のある笑顔の受付嬢だったので、俺は固くならずに話始めた。
「仕事を探してて初めて登録するんですけどどうすればいいですか?」
「初めての登録の方ですね。かしこまりました。では、まずこちらの書類に名前を書いてください。あ、読み書きはできますか?読み書きができない人もいるんですよ。」
「はい、できま・・・」
・・・待った。そういえば、なぜか会話は日本語で聞こえてくるんだが今はそこはどうでもいい。
そもそも俺はこっちの文字を読んだり書いたりできるのか?
とりあえず、目の前に出された書類を確認してみるか。
(読める・・・)
そう、明らかに日本語ではない、いや地球にいたころに触れた英語や韓国語でもない文字でもないこちらの世界の文字がなぜか読めた。前の世界のロシア語に近いような形をしている。
それに、名前のサインを書こうとすると頭の中に知らない文字が浮かんでくるのでおそらくこれが俺のこっちの世界の名前の書き方なんだろう。
多々疑問は残るが異世界に呼ばれた特典だと思って、この場では深く考えず受付嬢からもらった書類にサインをした。
「ヤスマル・ヒデヒコ様ですね。」
「はい」
ちなみに俺の本名は安丸秀彦だ。
「はい、ではこれで登録は終わりです。続いてランクと仕事内容について説明しますがよろしいでしょうか?」
ランク?やっぱりゲームみたいに階級とかルールがあるんだろうか。
「お願いします。」
「かしこまりました、ではまず・・・」