序章、かなり短め
「それじゃあ、行ってくるよ。」
森の中にぽつりと佇む、一つの家。
その家の前で、20代ほどの青年が、2人の兄弟に向かってつぶやいた。
2人の兄弟は、寂しい気持ちを押さえ込み、じっと青年を見上げている。
「しばらくは、お前たちがこの家の主だ。」
青年は、少年たちの後ろーーー家のドアの前で心配そうに3人を見つめる2人の少女に目を向けながら続ける。
「クロエとステラの事、しっかり守るんだぞ。」
その言葉に対し、兄弟のうちの、兄の方が、強がった風に答える。
「任せとけ。あいつらは俺たちがしっかり守る。だから心配せず行ってこい!」
その言葉を聞き、青年はフッと笑うと、兄弟の頭をくしゃっと撫でた。
そして、わずかな荷物を肩にかけ、
「行ってくるよ。」
と言い残し、立ち去っていった。
それから3年間、青年が帰ってくることはなかった。
ここは、魔法とほんの少しの科学によって発展した世界。
ある日、この世界に1人の少年が召喚された。
少年は、その身に宿った能力と、たくさんの仲間の力で、世界の脅威として君臨していた「覇王」と呼ばれた存在を見事討ち滅ぼした・・・
これは、そんな冒険譚の、30年後の話・・・
「まてええぇぇぇ!!うおおおぉぉぉっ!」
森の中に、無駄にでかい声が響き渡る。
1人の少年が、サイボアと呼ばれるイノシシのような魔物を追いかけている。
「はぁ・・・はぁ・・・ま、まてぇ・・・」
やがて少年は疲れ果て、その場に立ち止まってしまう。
待てと言われて待つ奴がいるかと言わんばかりに、サイボアは茂みの奥に走り去っていく。
しかし、サイボア達が走り去った先で、ガサッと大きな音が聞こえてくる。そのすぐ後に数回の刺突音。
やがて、疲れて座り込んでいる少年のもとに、数匹のイノシシの魔物を引きずりながら、もう1人の少年ーーー追いかけていた少年の兄がやってきた。
「いやぁーうまくいったなー!俺の作戦は完璧だったろ?」
「完璧にしては俺の負担が大きすぎる気g」
「よし!さっさとこいつらのツノをギルドに届けて、肉は持って帰ろうぜ!今回の晩飯は豪華になるぞー!」
「・・・」
弟は若干不服そうにしながら、兄と一緒に森の近くの町に向かって歩いて行った。
「これでいいのか?」
兄が、サイボアのツノを、ギルドと呼ばれる建物のカウンターに出していた。
「はい、サイボアのツノ3本、確かに受け取りました。これにて加入試験は終了です。」
「じゃ、じゃあ!?」
と興奮気味に聞く2人に、カウンターのお姉さんはにっこりと笑って答える。
「はい、あなた達はこれからギルドの一員です。ただし、あなた達はまだ見習いです。これから実績を上げて、素晴らしいギルドメンバーを目指してください!」
兄弟は、パァっとした笑顔で、お互いを見合う。
これからの冒険の日々を想いながら・・・
初めましての人は初めまして、荒船陸と申します。
小説初挑戦となる今回のアイビスですが、色々と問題がありまして。
まず、何よりも深刻な問題として、「主人公2人の名前がまだ決まっていない」というものがあります。やばい、これはやばい・・・
それに、ここまで書いておいて、ここから先、つまり序盤の部分が全く浮かんでいないってのもありまして・・・
「こんなイベントを書きたい!」「このキャラにこんなことを言わせたい!」「アイビスっていうタイトルの意味はこんなんなんだ!」てな感じで、中盤から終盤あたりのイベントはかなり浮かんでいるのですが、そこに行くまでの序盤の動きとかがまだフワッフワで・・・
なので、かなり中途半端な感じで終わっていますが、続きがいつになるかはまだ未定・・・というより、まず続きが書けるかがわからないので、読んでくださる方は、どうか長い目で見ていただけると嬉しいです。
これから宜しくお願いします。