休日 後編
着替え終わって女性陣を待ってる俺は、深くため息をついた。
どうやら今日の俺は、やることなすことうまくいかないようだ。
というのも、ここまで来る途中で財布は落とすわ、アイスを食べている子供にぶつかられ、ジーパンにアイスがベットリつくわと散々なのだ。
「気にすることは、ないよ。
今日のお楽しみはこれからじゃないか!!」
坂元くんはがんばって俺のテンションを上げようとしてくれているみたいだが、どうもテンションがまったく上がらない。
もう、俺に楽しみなんて…
そう思っていた瞬間だった。俺の目に飛び込んできたの、天国と同等、いやそれ以上のものだった。
「おまたせ…」
「あまり、ジロジロみるな!!」
優希ちゃんと涼花だった。
水着というのは、なぜ女性をこうも引き立たせるのか…、疑問に思うほど2人は綺麗だった。
もじもじしている優希ちゃんは、意外にも大胆に白ビキニだった。
小さい背に、似合わないオッパ…いや、胸はいっそう引き立っていた。
優希ちゃんとは、対象外の涼花の胸もフリルのついている水着でカバーしていて、とても綺麗なものだった。
そして、なにより恥じらいのある姿はいっそうそれを引き立たせていた。
それは、周りの男子の目線もくぎ付けにするほどだった。
「2人とも、とってもきれいだよ」
思わず本音が出てしまった。
「な、なんか気もいんだけど!!」
罵倒されてしまった。
涼花が罵倒するのも無理はなかった。
俺の顔は、完全に鼻の下を伸ばしそれは、たいそうキモかっただろう。
だが仕方ない!! 俺は、男だから!!
俺のテンションは、すごい勢いで上がった。
水着ってすごい!!
その後、俺たちは楽しく遊んだ…
が、はぐれた! 主に俺が。
運が悪い日はどうやらとことん悪いらしい、みんなどこに居るのか検討もつかない。
なんせこの、プール(渚スパークリングワールド)は、敷地面積がめちゃくちゃ広く、プール内なのに遊園地まで完備されているという。
こんな、ところで迷ったら見つけるのは一苦労だろう。
は~これからどうすっかな…
なんてことを考えながら、1人俺は、トボトボ歩いていると
「あれ、高杉さん?」
聞き覚えのある声だった、俺は振り返る
「その節は、ありがとうございました」
ペコッ、と頭を下げた女の子は、奉仕部記念すべき1回目の依頼人こと、立花由香里さんだった。
「奇遇だね!今日は、どうしてここに?」
「弟の付き添いで…」
聞くとどうやら8歳の弟がいるようだ。
それにしても、立花さんの水着もかわいい、タイプとしては、上はビキニなんだが、下に布みたいなのが巻いてあるあれだ。
名前は分からない。
立花さんの水着を眺めているとあることに気づき、俺は驚いたそれは、立花さんが隠れ巨乳だったということだ。
この胸の大きさは、優希ちゃんといい勝負するな…
「よろしければ一緒に泳ぎませんか?」
突然のお誘いに驚きつつも、美少女の誘いを断れない俺は
「いいよ!丁度俺も、暇していたところだから
でも、弟くん見てなくて、大丈夫?」
「大丈夫です。
今日、父も来ているので」
まさか、の父がいることに驚きつつ、俺と立花さんは楽しい時間を過ごした。
時刻は、午後5時をすぎ帰っていった立花さんを見送り、俺は再びみんなを捜索していると、そう時間がかからずに見つけるができた。
「康介、無事だった?」
「大げさだな… 俺は、大丈夫」
「せっかく来たのにみんなで泳げなくて残念…」
「また、みんなで来ればいいよ」
珍しく最後は坂本が締めくくった。
バスの中で俺たちは、それぞれ疲れていたのか全員が眠った。
後に聞いた話によると、俺がはぐれた後優希ちゃんだけが俺のことを探そうと提案してくれたらしいのだが、涼花と坂本が心配いらないと言い、気にせずに遊んでいたという。
い、いいもんね!!
俺も、立花さんと遊んだし!
と、言おうとしたが立花さんと遊んだことは、秘密にしておくことにした。
そうしたほうがいいと、俺の第六感が言っている気がする…
そんなこんなでどうやら、それぞれが楽しい1日を過ごせたようだ。
ポロリはなかったが今回のところは良しとしておこう。
なんか、水着会が立花会になった気がする。
次からは、生徒会長との絡みも入れてきたいと思いますが、どうなるかは、まだ分かりません。
次の話にも付き合ってくださるとありがたいです。