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初仕事!!

「は~」


俺は、大きなため息をついた。

なぜなら、部活を結成したはいいが、依頼が1つもこないからだ。

無理もないかもしれない、なんせこの学校の女子生徒のほとんどが男子生徒を嫌っている、そんな彼女たちが頼って男に頼みごとをしてくるなんて思わない。

俺たちは、退屈な放課後をおくっていた。


「なんだ~今日も依頼人は、ゼロか?」


そう言って、ジャージ姿の女性が、めんどくさいと言わんばかりに頭をポリポリかきながら、入ってきた。

この人は田島恵たじまめぐみ先生、俺たちの担任また奉仕部の顧問だ。

俺たちは、メンバーが揃い部活の申請に行くと、先生も俺たちと同じことを思っていたらしく、あっさりOKしてくれ、顧問までやってくれたのだが・・・・

全く役に立たない。面倒くさがりなのだ。


「先生ってなんで面倒くさがりなのに顧問なんて引き受けてくれたんです?」


俺は、思わず聞いてしまった。


「あ~この学校の教師は、生徒との交流の一環として、必ず何かの部活の顧問をやらなければならないんだ。

私は正直どの部活の顧問も大変そうだったので正直やりたくなかった・・・

しかしそんな時、楽そうな部活を提出してきたのが、おまえら、奉仕部ってわけだ!!」


この先生は最悪だ。

そう思ったのは、おそらく俺だけでは、なかったはずだ。

なぜなら、ここにいる全員の顔が引きつっていたからだ。

あの優希ちゃんでさえ、顔は引きつっている。


「ま~、暗くならないうちに帰れよ

それから、戸締りはしっかりすること!!いいな!!」


言い残して先生は出て行ってしまった。

その瞬間涼花が怒り出した。


「何あの先生全く使えないじゃない!」


涼花が怒り出すのも無理はなかった。


「・・・まぁでもどんな理由であれ私たちはこうして活動できてるわけだし・・・」

優希ちゃんがすかさず先生のフォローに入った。

なんて優しい子なんだ!!あんな先生にまで助けようとするなんて・・・


「でも、流石にこのまま依頼ゼロっていうのも、まずいんじゃないかな?」


そう言い出したのは、坂本だった。

確かにそうだ、このまま依頼ゼロだと、この部活を作った意味がない。

どうしたもんかと全員黙り込んでしまった。

すると、突然それはやってきた。


「あの、ここって奉仕部ですよね?

お願いがあるんですけど・・・」


そこには、涙を浮かべた泥だらけの女の子が立っていた

背は、低めでおさげだ。これまた、かわいい!!

そんなことを考えている場合じゃない。問題はその女の子が泣いているということだった。

訳を聞くに、大切な母からもらったキーホルダーを落としてしまったという。

探してみたが見つからず、藁にもすがる思いで、苦手な男子生徒のいる奉仕部に依頼に来たのだという。

訳を話しているうちにとうとう女の子は泣いてしまった。

今は、優希ちゃんに背中をさすられて、やっと落ち着いているといった状態だった。


「まだ君の名前を聞いてなかったよね?

俺は、高杉康介。この部活の一応部長だ」


「グスッ、立花由香里たちばなゆかり・・・です。」


「それで、立花さんそのキーホルダーを探したいんだけど、どのへんで落としたか分からない?」


「・・・多分学校の帰り道だと思います」


そんな会話をして俺たちは、早速キーホルダーを探し始めた。



が、いっこう見つからない。

時刻はもう7時を回ろうとしていた。

俺は、捜索を明日にしようと思い、立花さんに伝えたが


「皆さんは、先帰っていただいて結構です。

探していただいて、ありがとうございました。」


どうやら、まだ帰る気がないようだった。

俺は、なぜそこまでして見つけ出したいのか疑問に思った。

いくら母親がくれたからとはいえまた、もらえばいいじゃないか?

そんなことを思っていると立花さんはそれを察してくれた様で


「母は、もうこの世にはいないんです・・・」


そう一言呟いた。

俺たちは、誰ひとりとして、聞き逃さなかった。

そして、全員の心は1つだった。

それは


「「「「なんとしてでも、みつけてあげたい!!」」」」


それから俺たちは、探し続けた。

時刻はもう9時をまわっている。


「皆さんもういいので帰ってください」

立花さんはそう言ったが誰ひとりとして帰ろうとはしなかった。

そしてついにその時はきた。

時刻は10時をまわろうとしたころ


「あった!!」

優希ちゃんの大きな声に向かって全員が集まった。

がしかしキーホルダーは川幅10メートルほどの川の枝に引っかかっていた。

どうやら、子供が遊んで投げ捨てたのが枝に引っかかったようだ。

ちくしょー子供めー!!


「どうしようこれじゃ取れない・・・」


そう言って立花さんはまた涙目になった。


「大丈夫おれがとって来るから」


そういったのは、意外や意外俺だった。

自分でも驚いている、どうやら俺は、女の子の涙に弱いらしい。

その時、一瞬顔がぼやけていたが、ある女の子が頭をよぎった。

あれは、いったいなんだったんだ?


「危険だよ!!」


優希ちゃんは止めてくれたが、俺は断った。

何としてでも女の子の涙を止めたかったからだ。


俺は、靴を脱ぎゆっくりと川へ入っていく。

川は浅いとはいえ、すごい流れで、転んだりでもしたらひとたまりもなさそうだ。

俺はゆっくりゆっくりとキーホルダーとの距離を詰め、なんとかキーホルダーを掴んだ。

瞬間気が緩んだのか、足を滑らせてしまった。

すごいスピードで流されていく。


「「康介!!」」


優希ちゃんと涼花の声が聞こえた。

やっぱり女の子が呼んでくれると、力が湧いてくるよね?

俺は、何とかして陸に上がることができた。


「高杉さん!!」


そう言って駆け寄ってきた立花さんに俺は、しっかりと握り締めていたキーホルダーを渡した。


「もう、落とさないようにね」

俺は、ニッコリ笑う。


すると、立花さんは泣きながら。


「本当にありがとう」


その言葉だけで十分だった。

頑張ったかいがあったかな~

俺は、全身の力が抜け座り込んでいると


「もう、あまり無茶しないで!!」


そう言って優希ちゃんが涙目で駆け寄ってきてくれた。

うん!!頑張ったかいがあったね!!

その後ろで見ていた涼花に


「お前も心配してくれたのか?」


冗談混じりに聞いてみると


「そ、そんなわけないだろ!!」

頬を赤らめていた。

その瞬間みんな笑いだした。

なにがおかしいでもなく笑った。


こうして奉仕部の最初の仕事は無事終わった



う~んなにか忘れてる気がする

その後家に帰ってお腹をを空かせた姉にタコ殴りにされたのは、言うまでもない。








どんどん、新キャラが登場しますが、まだまだ出てくると思います。

だってハーレムですもの。

次の話でお会いしましょう!!

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