10番目の月に走る
12月に関するうんちくエッセイです。某SNSで書いた記事が原型です。
12月になりました。
12月は旧暦の呼び方で師走。
とても忙しくて、師匠、先生、あるいは僧侶が東奔西走することから「師走」になった、という話をよく聞きますが、実はこの話はあくまで「説」であって、語源として正しいかどうかはわからないみたいですね。
師走は「師馳す」から。
他に、年が終わる意味の「年果つ」→としはつ→しはつ→しはす
など、いくつか説があるそうです。
師匠でなくともなんだかんだで用事が入ったり、仕事が立て込んだり、家では大掃除したり、そして年始に向けての準備など、他の月よりも忙しくなるのは本当みたいです。
ちなみに英語では「December」。
実はこの単語、本来は「10番目の月」という意味だそうです。
ふた月ずれてますね。
これは紀元前のローマの暦の考え方から生まれた言葉だそうです。
古代ローマでは、年の初めを現在の3月としていました。
だから、3月から数えて10番目が12月、というわけですね。
ちなみに最も古い「ロムルス暦」ではこの「10番目の月」でカレンダーが終わるそうです。それでは一年が300日程度になってしまいますが、その後「日付のない日」が約60日続くそうです。
農作業ができない真冬には日付は不要と考えられたみたいですね。
でもさすがにこれでは不便だったのか、後の改暦(ヌマ暦)で月が二つ加えられて、一年が12の月で構成されるようになりました。
このローマの暦は現在のカレンダーにも色濃く影響を残しております。
3月が年始なら、年末は2月になります。
だから2月は端数や閏年の調整に当てられており、他の月よりも日数が少ないのだそうです。