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チートなしで敗戦国家を救うことになりました。  作者: 浅咲夏茶
四章 ギレリアル編 《The nation which has only women.》
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4-90 忙しい一日の始まり

 反撃は双方が同意したものとして見なすと、弥乃梨はラクトを背後から抱きしめた。これは反撃で如何わしい行為をするためではないから、彼女の口に手を回して大声を出して抵抗したりする権利を剥奪することはしない。もちろん、腰に手を回していかにも性的行為を先に望むような行動を取ることもなかった。


「は、早く食器洗いしないと予定時刻が……」

「大丈夫。少しくらいこうしていても問題はないはずだろ?」

「そうだけどさ、でも、だからってこういうのは――」

「恥ずかしいのか? ……俺とお前しかこの部屋に居ないのに」


 弥乃梨が耳元で囁くと、ラクトは下を向いた。偽りの黒髪は自分が何を言っているのか言い終えてから客観的に判断して、気持ち悪さから吐き気を催しそうになる。しかし、反撃を止める気にはならなかった。燃え上がると止まらない自分の愚かさに失望した後、弥乃梨は突き放すような言葉を赤髪に告げる。


「ほら、食器集約するぞ」


 弥乃梨は両手で彼女を抱きしめることをやめ、右手で皿や茶碗を集める作業を再開した。まるで抱き枕を持って行動しているかのようだが、残念ながら偽りの黒髪が抱きしめていたのは意思なき物体ではない。彼氏の左手をぎゅっと左手で握りながら、ラクトは弥乃梨がカバーできない部分にある皿や茶碗を集めた。


「……行動しづらい」

「そっか」

「あっ、いや、その、別に抱きしめられるのは嫌じゃないんだけど、こういうのは狭い範囲でする単純作業が中心な向こうで好きなだけしてもらえれば――」

「何? ラクト、束縛されるのが好きなの?」

「……言い方に気を付けろ」


 ホールド状態から開放されて開口一番に束縛を歓迎するようなことを言われたため、弥乃梨は顔にニヤけ顔を浮かばせながらラクトに質問した。赤髪は回答したが、同時にムスッとした表情を浮かばせて彼の左手の手の甲をつねる。


「ごめんな。俺、暴走すると止まらないからさ」

「うん、知ってる。逆に、普段は異様なほど冷めてるけど」

「まあ、ラクトも似たようなもんだけどな。熱し方は俺のほうが上だけど」

「でもやっぱ、熱い時と冷めてる時の差が激しい方が主人公らしいと思う」

「ラクトってそういう展開に憧れる系だったのか?」


 弥乃梨が問うと、ラクトは「うーん」と悩む仕草を見せる。視線があちこち動いたが、十秒くらい経った頃、赤髪の視線は偽りの黒髪のほうに定まった。


「憧れてるわけじゃないけど、ライバルとの共闘とか、ラスボスの究極形態とか、ピンチで救世主登場とか、死んだ仲間を思い出して力にするとか、凄く燃え上がるじゃん? もっとも、私達のライバルは居ないかもだけど」

「そのうち降臨するんじゃないか?」

「フラグ回収ってやつ? いや、フラグを回収する前に皿を回収しようよ」

「……」

「なんか反応してよっ!」


 うまいことを言ったと思ったら嘲笑されていた。人を笑わせようとした時に一番恥ずかしくなるのは、まさにそういう時である。抱きしめから開放されて赤く染まった顔が元通りに戻った矢先、ラクトは再び顔を紅潮させていった。


「おあとがよろしいようで」


 クスクスっと笑いながら、弥乃梨は求められたとおりコメントした。落語家が噺を結ぶ時に言うワンフレーズである。もちろん、ラクトのツッコミで噺がうまく落ちなかったから言ったのではない。次の場所へ移動する準備が整ったから偽りの黒髪はそうコメントしたのだ。コメント後に食器類が元々の数と同じか再確認した上で、偽りの黒髪は赤髪に言う。


「食器類を洗いに行くぞ」


 弥乃梨はぐいっとラクトの手を引っ張る。赤髪は面白くないと評価されたことを必要以上に恥じていたが、偽りの黒髪の体温を改めて感じるといつもの表情に戻った。彼氏は彼女の元気な姿に安堵して笑い、まとめられた食器類が入った積み重ねられたおぼんを手にする。そして、旧食堂にテレポートした。



 旧食堂に着くやいなや、弥乃梨とラクトが厨房の方へ移動する。社屋は既に廃墟と化していてコンクリートが剥き出しになっていたが、厨房だけはやけに綺麗な印象を受けた。陸軍が料理を作るために簡易キッチンを設置したらしい。だが時間は変えられないので、感動しながらキッチン近くの棚の上に食器類を置く。


 刹那、注意すべき対象物が無くなったため、弥乃梨はラクトの許可に従って彼女に抱きつこうとした。しかし、蛇口が二つあったために欲望を抑えて手伝うことにする。ペナルティを課せられたのはラクトだけだが、手を挙げた以上は弥乃梨もペナルティを課せられている。無論、作業を放棄することはできない。


「この洗剤類やスポンジも陸軍の管理なのかな? 使用感しかないんだけど」

「きっと、食器出す時に使ったんだろ。埃を被っていたかもしれないし」

「それにしては洗剤の量が少ないような……。まあ、気にすることでもないか」


 食器用洗剤を作ることが不可能なわけではないが、そこにあった洗剤はマドーロムでは名のしれた世界的に有名な製薬会社が作ったものだったから、ラクトはパチモンではないかと疑うことはなかった。しかし、弥乃梨はアイテイルを呼び出す。彼は迷うことなく精霊に物質を調査するよう指示した。


 物質は大きくなかったので、調査はすぐに終わった。アイテイルから衝撃の事実は告げられず、極々普通のどこにでもある食器用洗剤だったことが判明する。二人とも安堵した後、アイテイルは一礼し、自意で魂石へと戻っていった。


「危険薬物ってわけじゃないらしいけど、手袋作るよ」

「わかった」


 自分や自分が心を許した相手以外が接吻したかもしれない茶碗を汚物と見なすのは行き過ぎであるが、素手で洗うのは無防備すぎる。弥乃梨もラクトも食器洗いの影響で手荒れの症状を覚えたことはないが、いつそうなるか分からないのも事実だ。出来る対策はとっておくべきということで、二人とも手袋を装着する。


「弥乃梨、鮭の皮とか骨とか捨てといて。終わったらおひたしとかの水の処理」

「わかった。じゃあ、その間にご飯粒落としとけ」

「うん、いいよ」


 それぞれ役割が決まったところで行動に移った。弥乃梨は、鮭の入っていた皿から皮と骨を一つ残らずキッチン横のごみ箱へ捨てる。ラクトは、ご飯茶碗を温水で軽くすすいで米粒を落としていく。最初の人が食べ終えてからさほど時間が経っていないことが幸いし、いとも簡単にご飯粒を落とすことができた。


 赤髪はハイペースでごはん粒を落としていったが、完了した頃にはもう、偽りの黒髪はおひたしが入っていた陶磁器の中に入っていたおひたしの汁を捨てていて、味噌汁の味噌を落とす作業に入っていた。尊敬するとともにムカッとするものがあったので、彼女は煎茶の残りを捨てる作業をした。


「準備、終わったな」

「そうだね。てことで、弥乃梨は鮭、おひたし、味噌汁の皿ね。それ以外は私」

「終わったらおぼん洗い手伝うぞ?」

「場所取り過ぎるから一人でやるよ。元々は私のペナルティなんだし」

「ラクトが拒むなら俺は何も言わないけど、本当にいいのか?」

「うん。半分も手伝ってくれただけで大満足だよ。ありがとね」

「こちらこそ」


 食器用洗剤を使える段階になったところで洗う食器を決める。分担が決まったところで二人はスポンジに手を掛けた。揉んでみると洗剤がついていたので、洗剤のパッケージを確認した。除菌効果があることが分かったので、弥乃梨もラクトも取ったスポンジを洗わずにそのまま使うことにする。


 鮭の入っていた皿から始まり、おひたしの皿、味噌汁のお椀と洗っていく弥乃梨。ご飯茶椀から始まり、湯呑、おぼんと洗っていくラクト。競っていたわけではないのだが、二人は洗っていくうちにメラメラと対抗心を燃やして洗うスピードを早めていった。かといって、洗浄不足を招くような真似はしない。


「よし、終わった」

「しまった! も、もふもふされる……!」

「まだしないけどな」


 背後からもふもふする気は次第に高まっていったが、弥乃梨はするべきことをしてから抱きつくことにした。スポンジに着いていた食器用洗剤や付着した食べカスをしっかりと洗い流し、水気がなくなるまで念入りに絞り、改めて八ミリリットル程度洗剤をスポンジにつけて置く。


「食器は自然乾燥でいいのか?」

「いいよ。まあ、布くらいパパパッと作っても良いんだどね」

「けど、タオルかさばって大変だろ? 自然乾燥で乾いたら拭く方向でいいぞ」

「なら、そうしよう」


 乾かし方を決定したと同頃、ラクトは食器類を洗い終えた。十人分の食器を水切りカゴに収めるのは至難の業であったが、必要なところはラクトが魔法で補ってくれたため、至って支障はない。その後、赤髪は偽りの黒髪と同じようにスポンジについていた洗剤を洗い流し、再度つけて置いてあった場所に戻した。


「で、もふもふは――」

「後回しだ。先に会議室の掃除をしてこよう。乾くまでの時間を有効に使おう」

「……うん」

「――本気で言うとでも思ったか?」

「えっ? あ……」


 ラクトが着けていた手袋を外し、弥乃梨も自分が着けていた手袋を外す。素手になったところで、偽りの黒髪は背後から赤髪のことを抱きしめた。そして、先程よりもさらに酷く気持ち悪くスキンシップを図る。もう、そこに反撃の二文字はない。お互いに自分を攻撃し合っていた。


「掃除、してくるか?」

「……いやだ」

「じゃあ、もう少しこうしてようか」

「……うん」


 彼女のその言葉の後、弥乃梨とラクトは雑談を始めた。胸の内に溜まりに溜まった疲労は会話をすることでゼロへと限りなく近づいていき、この先に待ち受けているであろう苦難に対する心配も限りなくゼロへと近づいていった。でも、今日も一日ギレリアル陸軍の一員として行動することに変わりはない。


「食器が乾ききる前に掃除してこようぜ」

「掃除用具どこにあるか聞いてないのに?」

「もしかして、そういう理由で作業遅らせようとしたのか?」

「五分五分ってとこかな。物資がなければどのみち自作するしか無いわけだし。いや、流石に掃除機とか作る気はないよ? 雑巾、箒、バケツしか作らない」

「わかった。じゃ、移動したら早速作成する方向で」

「了解」


 お互いのやる気とやるべきことを確認すると、弥乃梨はラクトの手を取って食事会場となっていた会議室へ戻った。赤髪は周囲に清掃用具置き場があるか否か確認することなくバケツを一つ、長短一つずつ箒を計二つ、雑巾を五つ作る。出来たところで弥乃梨が分身を五体用意し、彼らに雑巾を持たせた。


「また魔力の過剰消費でぶっ倒れるんじゃない?」

「同じ失敗を繰り返すほどではないと自負してるんだが」

「そこまで豪語するなら、証明してもらおうかな。――雑巾がけリレーで」


 雑巾がけリレー。それは、公立小学校に通った日本人であれば誰もが経験するであろうプチ運動会だ。箒を使用する者がスターターを担い、教室の扉から扉に至る区間又は階段から階段に至る区間において、その区間を掃除する担当者が、雑巾を用い、自らの持てる体力を以って戦う非戦略的ゲームである。


「でも、雑巾がけリレーで使うのって魔力じゃなくて体力だった気が――」

「け、けど、身体的負担が発生するのは変わりないことだし……?」

「俺を疲れさせて得することあるのか?」

「損得勘定で考えたら損が大多数だろうね。というか、損しかない気がする」

「ならやめようぜ。体力を減らすのは最小限にするべきだろ」

「私は弥乃梨の意向に従うよ」

「じゃあ、そういう方向で」


 弥乃梨はラクトが製作した箒を一つ奪取すると、床に水気がないことを確認して掃き始めた。勢い良く飛び出して左右の端を行ったり来たりしながら、弥乃梨は扉の方へ進んでいく。分身が一往復すれば部屋の床全てを水拭きできる計算になっていたので、彼は早く手を抜かず作業をしていった。


 一方その頃、ラクトは彼氏の背中を見ながら水を作った。薬品を作ることも頭にはあったが、油汚れが酷いわけでもないので今回は見送った。かわりに、無味無毒で透明な物質を作成し、凍らせ、融かす。既に作っておいた雑巾四枚を水に沈ませて全面を濡らすと、ラクトが弥乃梨の分身たちに配っていく。


 しかし、配り終えた後ラクトに待っていたのは休憩でなかった。赤髪は作成した箒を持って弥乃梨がまだ進んでいない辺りへと進み、その周辺の清掃に当たった。無言でゴミを集める場所を決定すると、二人はそこにサッサッと埃や髪の毛を集めた。彼氏がちりとり周辺のゴミ類を集め、彼女がそれ以外をカバーする。


 終わった後、ラクトがビニール製の透明袋を弥乃梨にやった。すぐに偽りの黒髪は、ちりとりの中に集めておいたごみを中に入れる。しかしそれが終わると、偽りの黒髪の分身五体が皆一斉に動き始めた。大きめのごみが一通り掃除されて一安心したところで襲ってきた猛烈な疲労感が、弥乃梨を苦しめる。


「大丈夫?」

「大丈夫だ」


 でも、疲労感はすぐに消えた。いくらか爪跡は残ってしまったが、過剰すぎず不便すぎない本当に必要な数だけ分身を設定し召喚していたことが功を奏した。そんなことを考えている裏で、弥乃梨の分身たちはバケツの中にごみを捨てるように雑巾を放り投げ、作業が終わると本体の指示を聞くことなく消えていった。


「そんなことより、さっさと食器洗いに戻るぞ」

「そこまで急ぐ必要はないんじゃない? 乾いてないかもしれないじゃん」

「確かに、乾くまでに必要な時間を経ていないかもな。だが、それなら時間を埋め合わせればいいだけの話だ。さっさとバケツ持って移動するぞ」

「はーい」


 何をするかといって考えられるものは少数しかなかった。けれど、考えられる全てに対して弥乃梨もラクトも嫌がっていない。むしろ好意的に受け止めているほどだ。赤髪は箒二つを手の中に戻し、雑巾四枚の湿った触り心地に嫌な顔を浮かべながらも手の中に戻す。偽りの黒髪は濁水の入ったバケツを手にした。


「おお、ありがとう」

「どういたしまして。そんじゃ、飛ぶぞ」


 左手にさり気なく奪ったバケツを持ち、右手で彼女の手を握ると、赤髪は小さく頷いていた。刹那、先程まで居た上階に向かってテレポートする。自分の体そのままを移動させるため、バケツに入った水が溢れるなんてことはあり得ない。



 戻ってくるやいなや、ラクトは水切りカゴ、弥乃梨はシンクに視線を向けた。偽りの黒髪がバケツの水をシンクに注ぎ、終わると持ってきた埃の入った袋をごみ箱にポイッとした。その横で、赤髪は水切りカゴに入った食器が水分を帯びているかどうかチェックする。見れば、大多数の食器は乾いていた。部屋に差し込む朝の太陽光が乾燥を増進させたらしい。


 弥乃梨が光の方に視線をやっていると、ラクトが彼の持っていたバケツを奪って手の中に仕舞った。突然持っている感覚を失った偽りの黒髪は、あちこち見回してしまう。でも、奪取した相手から理由を聞く前に理解した。弥乃梨は手を洗ってハンカチで拭き、ラクトから食器を拭くキッチンペーパーを箱ごと預かる。


「布巾じゃないのな」

「潔癖症が居るから仕方ないんだよ」


 ラクトはそう言うと、弥乃梨と同じように手を洗ってハンカチで付着した水気を消し去った。お互いに準備が整ったところで、偽りの黒髪は水切りカゴに入った食器に右手を掛ける。左手はキッチンペーパーのほうにあって、丸まったそれを徐々に広げながら切り取り線に沿って切断した。


「液体が付着した白い紙はごみ箱にポイってしてね」

「『使用済みの紙』とか、すごい意味深だな……」

「そういう話は後でしようよ。一セット皿六つで十人分なんだからさ」

「呆れるのは俺の手つきを見てからにしてもらえるか?」

「い、いつの間に……!」


 弥乃梨は、ラクトが手を洗っている裏で、キッチンペーパー二枚をシンク近くの乾燥した場所に置いて拭いた後の皿置き場を確保していた。弥乃梨は、ラクトの話を聞きながら皿を拭いていた。弥乃梨は、既に二枚目を拭き始めていた。


「そういう話は後でしようよ」

「このやろ……っ!」


 弥乃梨のニヤニヤした顔を見た瞬間、ラクトの中で押さえつけられていた対抗心がメラメラ燃え始めた。水切りカゴに入った食器に右手を掛けると、偽りの黒髪よりも速いペースで食器拭きをしていく。これが、家事が得意な奴と家事が人並みに出来る奴との違いだ。しかし、弥乃梨はそのハンディキャップに燃える。


 雑にならない程度にささっと作業を終わらせることの重要性を理解し、仲間の為に配慮して作業を進めることの必要性を認識し、偽りの黒髪と赤髪は食器拭きをしていく。六十枚あった食器類はどんどん減っていき、五分後にはごみ箱の中の使用済みキッチンペーパーが六十枚になった。作業終了の知らせである。


「ごみはこのままでいいのかな?」

「判断はラクトに委ねる。なにせ、物を作る責任者はお前以外に居ないしな」

「じゃあ、そのままで」

「わかった」


 ラクトが作った物の原型は魔力であり、どうしても戻さなければいけない訳ではない。なぜ戻すかといえば、戻すと未使用分だけ魔力が戻ってくるからだ。それに、使用者の感想とともに回収することで品質向上に繋がる。しかし、だとしても、今回は量が多すぎる。拒否感が重なったため、彼女は回収を否定した。


『第一小隊の者に連絡する。至急、部隊総長室へ集合せよ。繰り返す――』


 一段落ついて約束の時刻である朝の八時まで自由時間が確保されたかと思った矢先、レーフの声で放送が入った。緊迫感も伝わってきたが、現実に起こっているようには聞こえない。しかし、自己判断で事象を断定することは許されない行為だ。弥乃梨とラクトは顔を見合うと頷いて、部屋を飛び出し下階へ急行した。

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