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チートなしで敗戦国家を救うことになりました。  作者: 浅咲夏茶
二章 エルフィリア編Ⅱ  《Fighting in the country which was defeated.》
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2-15 会場設営-Ⅴ

 訳の分からない事を連続して言われても、おのずと飽きてくるものである。けれど、今は飽きることなど出きっこない。自らの額に拳銃を当てられているこの状況じゃ心拍数は増える一方だ。


「(弱みだけは、絶対に握られる訳にはいかない……)」


 心拍数が上がる一方で稔は強い意思を持ったが、対してサタンは彼を貶した。


「最悪の罪源の前に手も足も出ないのですか? 情けないマスターですね。そんなマスターの召使は今頃、貴方と契約してしまったことをとても悔やんでいるでしょう。それはとても悲しい現実ですが」

「そんな訳――」

「言い返すためには資料が必要では? 誰かの証言は有ったのですか?」

「お前こそ、理由が付けられている訳じゃな――」

「頭、大丈夫ですか?」


 サタンはそう言うと、稔の額に当てていた拳銃を下げてから続ける。


「理由が付けられているわけではないと仰いましたが、実際は言いましたよ?」

「え……?」

「私の前に手も足も出ないとでも? 全く、感情に押し流されて話を聞いていなかったとは、とんだ野蛮人ですね」


 羅列されていく言葉はみな、稔を傷つける威力を強くもったものばかりだった。弱みだけは握られる訳にはいかないと強く思っていたのにも関わらず、稔はもう弱みを握られてしまっていた。稔サイドの魔法で記憶の改竄なども出来ないから、当然作り上げられた歴史の一ページは消すことが出来ない。


「論破されましたか。主人がそんな調子じゃ、貴方の召使も同じように残念なんでしょうね」

「――」


 力で抵抗しようとすれば、勝たなければ話なんて聞いてもらえないのが歴史のルール。弱みを握られてしまっている以上、ここで抵抗してもし負けてしまえば、更に酷い仕打ちを受けるのは目に見えている。だからこそ、稔は歯を食いしばって黙り込んでいるしか出来ない。


「(ラクトが居れば……)」


 自分には主人としての欠陥が有ることを改めて知り、稔はラクトに助けを求めようとした。論破されることがそうそう無いであろうから、というのが最大の理由である。けれど、サタンそれをさせない。



「――バリア・フィールド――」



 結界だ。非常口と書かれた光を放つその看板の下を中心として、半径数メートルくらいの円の範囲がバリアに囲まれた。可視化してくれればいいのだが、サタンに善意が微塵も有るはずがない。だから可視化なんてナンセンスな話で、されたのは透明化だった。


 稔がラクトの方向へ向かおうと足を歩み始めた時、声には出したけれど可視化されていない――即ち、波動化させて魔法を使用してくれたのだ。質が悪いも度が過ぎる。それはもう、流石は悪魔の代表格とのメッセージを贈りたくなるくらいである。


 そしてそのバリアにぶつかって、稔は痛みを訴える。けれどそれは、サタンの思う壺だ。


「くっ……」

「可視化されてませんからねえ。わけもわからずに自分を攻撃したようなものですし、痛みも相当でしょう」


 サタンが使用した魔法は、特別魔法という分類に当たる魔法では無かった。基本的には誰でもが使用できる魔法だ。効力もそれほど強くないし、テレポートで移動しようとすれば移動なんて簡単に出来る。でも、その前に撃たれればゲームオーバーだ。もちろん、出られなくなってもゲームオーバーだが。


「――さて。魔法を使って突き破っても構いませんが、出来ればバリアの中で戦いませんか?」


 そんな時。サタンは稔を馬鹿にしたりしたが、敬語を使って依頼を行った。稔に対しての皮肉とも見て取れるが、彼女はそんなことを考えていたりはしていない。日頃から話し口調がそうであるから、稔との距離間を一定に保つためにもそう言ったのである。


「戦闘をするのか?」


 稔は聞き返した。話の内容からして回答は一つに限られると思っていたが、一応聞いておくことにした。


「いえ、戦闘はしません。貴方を馬鹿にしたことは確かですが、先程の一件は私にも非はありましたし。第一、私は誰かと戦うのは好きでは有りません。戦闘せざるを得ない関係になるなら、私は関係を断ちます」

「なら、どうして『戦い』なんだ?」


 戦闘をしたくないというのに戦おうとする姿勢は、矛盾しているとしか言えない。だからこそ稔は質問をした。稔が質問してきた内容を聞くと、サタンは「すいません」と言ってから続ける。


「『戦い』というよりかは、貴方と召使との関係を診断しようとしているだけです」

「でも今の状況だと、俺の召使は全員居るわけじゃな――」

「それを物理的に作り出していることに何故気が付かないのでしょうか?」


 即ち、稔とラクトが切り離された状態での戦いという訳だ。戦闘を行わないということはそれ以外の方法で絆を試すのであろうが、稔の脳裏に浮かぶのはゲームで戦うことくらいだった。


「でも、どうやって絆を試すつもりなんだ? 結界まで張ってくれて、戦闘をするステージを作り上げたとしか考えられないだろ。ミニゲーム的なことをするのか?」

「ミニゲームではなくて、普通にゲームです」

「どんなゲームだよ?」

「……戦闘に近いゲームですね」


 戦いはしないとか言っていたくせに、結局はするらしい。


「お前、戦闘はしないんじゃなかったのか?」

「戦闘じゃ無いですよ。互いにヒットポイントを設定して、精霊を討伐するような感じで進めていくだけですし」

「……精霊を討伐って、お前精霊だろ?」


 例えとしては、稔にも十分伝わってきていた。なにしろ、稔も精霊を従えている失われた七人の騎士ルーズ・セブン・ナイトの一人だ。デッドエンド・バタフライ、今じゃ紫姫と呼ばれている一人の女の子と戦いを行っている。


 回想として思い返していた時、稔はふと思ったことがあった。


「もしもの話として言わせてもらう。俺と契約したいがために戦うというのであれば、絶対に止めろ。俺はもう、精霊一人と契約を結んでいるんだ。二人目との契約はあまり良い気がしないと思っている」


 召使との多重契約がそれほど問題にはならないことは、稔も分かっていた。けれど、精霊とでは話が別である。確かに最悪の罪源と呼ばれている程の実力を持つ彼女を支配下に居れられれば、稔サイドが格段と強くなるのは言うまでもない。けれどそれは、『七人の騎士』というのを否定することに繋がる。


「なら、同盟ということにしましょうよ」

「俺とサタンとの間では戦いを交わさないという方針か?」

「共戦関係、不可侵関係を持つということです」

「うむ」


 同盟であればいい、と稔は思ったので頷いて承諾した。


「同盟を結んだのはいいが、ちょっと待て。さっき『なら』って言ったよな?」

「いや、ラクトさんを拝みたいという理由で契約を――」

「本気で言ってるのか? 外見はいいが、ラクトは結構煽る奴……」

「煽ってください! 私、煽られるの大好きなんです!」


 稔はお手上げだった。サタンの『サ』は『サディスト』という理由ではないらしく、思っていた女の子ではない事が発覚して言葉すら発することが出来ない。ここでもう同盟を結んだからゲームをすることもないのだろうが、言葉すら発せない今、稔にゲームをする気はそうそう起きなかった。


「煽られる事が好きって、お前はマゾヒストなのか?」

「はい!」


 駄目だこいつ、と稔はため息をつく。変わり様が大きすぎることからため息は大きくなる訳だが、同盟関係程度じゃサタンに心を読まれたりすることはない。


「それで、絆を測るためのゲームはするのか?」

「いえ、しません。絆を測るというのは台詞でわかりましたので」

「あれだけで実測完了なのか……」


 稔は驚いた。ゲームをしようとか言っていたのは、稔を引きつけるための話というだけであって、それ以外にそれといった理由はなかったのだ。実測の完了も難しそうに見えるけれど、イコールで召使や精霊を大切にする台詞を言えば終了するようなもの。だから『難しい』なんて言葉で表すべきじゃない。


「それなら早く、バリアを外してくれよ」

「もちろんそうしたい気持ちで一杯なのですが、一つだけ条件が有るので言わせて頂けますか?」

「俺は言論の自由を認めない独裁者じゃないんだが……」


 独裁者であると混同されて見られると困るから、稔は一言言っておく。理解すれば「言ってもいい」と解釈出来るわけだが、サタンは簡略化させてもいいと思っていた。「いいよ」とか、「はい」とか、そんなのでいいと思っていたのだ。


「ラクトさんと会話を取りたいので、仲介役の貴方のメールアドレスをください!」

「今どきメールなのか、エルフィリアだと」

「アプリを使って会話をしようと思って、別に出来ないことはないですが……」

「ならそうしよう――って、別に大勢で話すようなことでもないか」


 サタンが稔と親しくなろうとしているのは、彼を好きになってしまったからではない。抱いている感情はごくごく普通の男女の抱くそれである。サタンはラクトに関して知りたいというだけであって、稔に関して知りたい訳じゃない。大勢から情報を収集するようであればネットを使えばいいだけの話なのだし、メールで事は済む。


「メールアドレスの交換は別にいいんだが、ラクトの顔とかを見たいとかは思わないのか?」

「きっと怒ってると思うので、それは――」

「ラクトを傷つけておいて、なんでそういうところに気配りが湧くんだよ」

「あ、あれはテンションが……」

「馬鹿なやつだな」


 稔は笑いながらいた。サタンを馬鹿にしているわけではないけど、感情が目に見えないような話よりかは、どういうふうに思って話をしているのか目に見えるように話すのがいいと思ったのだ。


「取り敢えず、ラクトに謝罪しておいたほうがいい。俺の前では元気を振りまいてくれる活発な女の子なんだが、人前で立って何かをしたりするのは苦手らしいしな。だから、俺と一緒にこれから謝罪に来い」

「メルアド交換はその後ですか?」

「今でもいいぞ。けど、スマホは紫姫が……」


 稔が持っていたスマホは、衣装が変わった際に無くなった。ラクトが持っている可能性も考えられなくはないが、もしそうだとしてもまず疑いの目は紫姫に向く。なにしろバリアから出るためにはテレポートをする必要があるのだ。面倒くさい手段を踏んでラクトに聞いてから紫姫に聞くよりかは、この場に居合わせた紫姫に聞いたほうがいいだろう。


「紫姫。出てこい」

「全く、仕方が無い。何故、貴台は呪文を忘れてしまうのだ」


 そう言いつつ、精霊魂石から現れてくれる紫姫。稔とサタンのやり取りは聞いていたようで、右手にはスマホが握られていた。疑いの目は紫姫とラクトに向けられていたわけだが、紫姫にまず聞いて正解だった。


「そのスマホは俺のだろ?」

「貴台たちがエルフィリアに戻る間際に落としていったから我は拾ったまでだ。全く、感謝して欲しい」

「これまでラクトの魔法を使ってまでスマホを使ってたんだからな? 本当、早く返せっての」

「返す機会を窺っていなかったわけではない。アメジスト、誤解を生むような発言は避けて欲しい」


 紫姫は平常運転だ。いつも通りの対処対応を心掛け、稔は彼女を傷つけないように話す。


「ところで、そちらの女は何と申す?」

「サタンって言って、精霊で罪源。ラクト目当てで、それは俺と同盟を組むほどだ」

「何故そこまで潔いのか疑問にもなるが……。しかしながら、我と同じく精霊に属する者とは」


 紫姫は自分以外の精霊に会ったことが無く、サタンという特別な精霊と会ったことはとても新鮮だった。一方のサタンも自分以外精霊と会ったのはこれが初だったから、会えたことに驚きを感じていた。


「それはそれとして、スマホを俺に返還してくれないか?」

「了解した。加えて言わせてもらうが、貴台の写真アプリに入っていた二次元の写真は消去しておいた」

「なっ……」

「別にいいではないか。貴台には選り取りみどりの女が居るのだ。それにまた追加されたのだぞ?」


 紫姫の言い分に文句を付けたくもなったが、嫉妬していると考えると可愛く感じるものだ。そしてその『可愛い』という感情を一度ひとたび持ってしまえば、文句を付けると可愛さを傷つけるようだと考えてしまい、稔は言いつけることが出来なくなる。


「三次元の女がクソだと言い張っていた様であるが、貴台がそう思う女でさえも、貴台に恋心を抱いてしまう者は居るんだ。故に消去させてもらった。しっかりと貴台の気持ちを伝えるべきだと思うが為な」

「そういう心配りは別にいいと思うんだ。でも、流石に写真を消してしまうのはちょっとどうかと……」

「ならば一つ、貴台の命令を聞こう」

「聞いてもらわなくていいよ。そんな重大事じゃないんだから。――取り敢えずスマホ」


 まずはスマホを返還して欲しい気持ちが強く有った稔。急かされた紫姫も、渡さないで自分の欲求に従順になって稔に質問を繰り返すのもどうかと思ってすぐに渡す。ただ、渡す際に一言言ってから渡した。


「たまには、ラクトじゃなくて我を頼ってほしい」


 俯きながら小声で言った。だがそんな小声だったとしても、結界が張られているということもあってよく聞こえた。実際のところ、結界は四角ではなくて円球状だった為、音響環境がいいのは無理もないと言えるが。


「まあ、ラクトびいきな箇所も幾らかあったしな。――戦闘時はヘルやスルトもラクトも居るが、実力的には精霊のお前が頼みの綱な訳だ。頼る時はそういう時が多くなると思うが、それでもいいのか?」

「別に日常的な会話で有る必要はない。我と貴台で会話がしたいだけだ」


 小声で言った時とは違って、しっかりと聞こえる声で紫姫はそう言った。そして続けて言う。


「ところで、スマホを渡すことで我の任務は終了なのか?」

「まあな。これからサタンの謝罪を手伝わないといけないし」

「なんだそれは」


 紫姫は言った。確かに「謝罪を手伝う」と言われても、「沙汰を起こした本人が謝罪するべきことを何故手伝うのか?」と聞かれるのは自然な事。強制退場させることも出来なくはなかったが、納得させないで退場させて機嫌を損なわせてしまうのはダメだ。答えを持っているのならそれを言うべきだと、稔は思った。


「俺とサタンは同盟を組んだんだ。要するに、こいつは敵じゃないってことだ」

「我が思うに、信頼し過ぎるのはかえって悪影響ではないのか?」

「それは……」


 歴史は確かにそう語っているから、稔は言い返すに言い返せなかった。挙げるなら日本とロシアがそうで、両国は不可侵関係にあったけれど、終戦間際に日本はロシアに領地を根こそぎ盗っていかれた。信頼するのはいいことだけれど、信頼した相手が敵と化してしまうことも有りる。故に、信頼には加減が必要だ。


「もっとも、我は彼女に対して悪いイメージを持っているわけではないがな」


 紫姫は稔の立ち位置も考慮して最後はそう言って締めくくった。そして自己勝手に精霊魂石の中へと光を放って戻っていく。「お、おい……」と言って右手を伸ばして留めに掛かる稔に見向きもせず、彼女は自身の思いを素直に行動に表した。


「信頼するのは加減が必要なのは確かですが、貴方を裏切る可能性は低いと断言しておきます」

「そうか。――んじゃ、メルアド交換な訳だが」

「ちょっ、ちょっと反応冷たすぎませんか?」

「俺はもともとこういう人間だ。あと、さっき紫姫に写真が消されたから少し苛ついてる」

「私には関係ないじゃないですか! ……酷いです」


 サタンはシュンとしていた。悲しげな表情を浮かべているが、どうやら演技では無さそうだ。オーバーリアクションではありそうだが、苛ついた稔の話し方があまりいい印象を与えていないのは確かだ。


「あんまり悲しげな表情浮かべてると、可愛い顔が台無しになると思うんだが」

「画像の女の子が好きな癖に……。でも、心配して頂けるのは凄く有難いことなので、それは感謝します」


 感謝の気持ちを忘れることが無いサタンだが、今の台詞は『二次元が好きなくせに』という事を消す為にしているとも見て取れた。しかしそんなに気にするのであれば、メルアドを交換したほうが時間を有意義に使えると考え、二人ともスマホを準備した。


「取り敢えずメルアドを入力するので、教えて下さい」

「その方法でもいいと思うが、お前の機種は赤外線通信をすることは出来ないのか?」

「赤外線通信?」

「うん」


 上を向いて考える。少し顔を下の方向に向けると、今度は首を傾げる。最後に頭をわしゃわしゃと弄くり回し、最終的にサタンが導き出した回答は呆れるもので、「分からない」ということだった。


「ならメルアドを直に入力する必要が有るな。でも、タイピングなら俺の方が得意だろうから俺に任せろ」

「ちょっ……」


 稔は言うと、サタンのスマホを取り上げた。丁度メールアドレスを入力する準備を行っていたようだが、稔はその画面から戻していって進み、サタンのメールアドレスが記されたところを見つけた。そして書かれているものを神経を尖らせて入力していく。勿論、タイピング速度は他人を寄せ付けないレベルだ。


「(凄い……)」


 サタンもこれには驚いていた。彼女のメールアドレスには、少なくとも二〇文字以上の英字に限りなく近い文字が並べられている。タイピングする際にはキーボードを覚える必要が有るのにも関わらず、異世界から来て初めて触れたそのキーボードで容易に、しかも速く、稔はタイピングしていく。


「出来たぞ」


 稔にそう言われても、サタンは言葉を失ったままだった。そして稔のスマホにサタンのメールアドレスが届いた。サタンのスマホでどうコピペするのかが分からなかったからしなかったが、自分が日頃から使っていた稔の機種ではどうするのか知っていた。だから稔は、送られたメルアドをコピペしてメルアドの登録を済ます。


「完了だ。ほら、謝罪をしにいくぞ。バリアを解除しろ」

「は、はい……」


 動揺を隠しきれていないサタンには見向きもせず。稔は彼女がバリアを解除したのを見ると、すぐさま彼女の左手を握った。そして魔法使用を宣言し、ラクトの居る元へとテレポートして向かう。直線距離で僅か五か六メートル弱だから、到着までは刹那だった。


「ラクト。さっきのメイドが謝りたいって言ったから説教して連れてきた」

「許したんだけど……」

「でもサタンは謝ると言っているんだ。だから俺は、その気持ちを受け入れて欲しい」


 ラクトは「分かった」と言って頷く。丁度コスプレパーティーが終了してすぐだったようで、ラクトは魔法少女のコスプレをしていた。けれど着替えは後に回し、持っていた白色のステッキも床に置いて謝罪を待つ。


「この度はご迷惑を掛けてしまいまして、本当に申し訳ございませんでした」

「今後はこういうことをしないって言ってくれれば、気にすることないのに。それじゃ罪の償いってことで頑張ってもらおうかな、会場設営」

「分かりました」


 ラクトとサタンが仲直りして、そして会場設営は再開される。

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